などなどブログログ

漫画の感想や日記などなどを。

読書感想

「55」感想 主人公を可哀想だとなぜか思わない不思議な小説

「55」 ジェイムズ・デラーギー著 田畑あや子訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 って本読みました。 良かったです。なんか妙に不思議な読後感だったところが。 私の読書感想ブログはいつも普通にネタバレありなのですが今回は特に感想が核心に関わるのでいきなりネ…

「テラ・アルタの憎悪」感想 お前、それで良かったんか……?

「テラ・アルタの憎悪」 ハビエル・セルカス著 白川貴子訳 ハヤカワ・ミステリ って本読みました。 読み応えありまくりの小説で満足度高かったです。それには私自身は主人公メルチョールには共感よりも非共感のほうが強く湧いたことも含まれてます。たぶんこ…

「両京十五日 1凶兆 2天命」感想 大根!ひごさお!小杏仁!そして最後にもう一人!

「両京十五日 1凶兆 2天命」 馬伯庸著 齊藤正高、泊功訳 ハヤカワ・ミステリ って本読みました。 最高でした。ダブルキャピタルフィフティーンデイズ。上下巻ぶっ続けで一気に読みました。キャラクターもいい、ストーリーもいい、ノリもいい、そして結末も私…

「最低の再現レシピ」はたぶんこれ! エドワードゴーリー「おぞましい二人」の朝食!

「再現レシピ」という言葉は今は主に2種類の意味で使われてます。ケンタやマクドとかの店で出されるメニューの味を自宅で再現しようとするものと、漫画とかの作品内に登場したメニューを実際に作ってみるものです。 今回は後者の話で、魅力的なものが多いで…

「記者魂」感想 人は「悪いどんでん返し」を楽しむことはできるか

「記者魂」 ブルース・ダシルヴァ著 青木千鶴訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ って本読みました。 非常に期待外れでした。私には合いませんでした。調べたら世の中には高評価の人もいる一方で私のように低評価の人もいるようです。なので私の感覚はそう的外…

「ココロワ稲作日誌」感想 あれ?お、お前……?

「天穂のサクナヒメ ココロワ稲作日誌」 安藤敬而著 JUMP j BOOKS って本読みました。 こりゃ原作ゲームの天穂のサクナヒメをクリアした人(あるいはアニメ版を視聴した人)以外は読んでも少しも楽しめないと思います。完全にそういうタイプだと割り切って作…

「拳銃使いの娘」感想 大絶賛!現代アメリカ版「子連れ狼+ボニーとクライド」

「拳銃使いの娘」 ジョーダン・ハーパー著 鈴木恵訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ って本読みました。 超良かったです。大絶賛です。今年2025年に読んだ本ベストになるかも。 元強盗の男が娘を守るために、自分達の命を狙うギャングと戦う話。でも主人公は…

「死はすぐそばに」感想 ちょっとカササギ殺人事件っぽいホーソーンが良い

「死はすぐそばに」 アンソニー・ホロヴィッツ著 山田蘭訳 創元推理文庫 って本読みました。 今回も満足度が高いホーソーンシリーズの第5弾。いや、作者ホロヴィッツは「ホーソーンシリーズ」と呼ばれるのは気に入らないようなのでちゃんと正しく「ホーソー…

「さらば、神よ」感想 年末年始に読むにふさわしい「無神論のすゝめ」!

「さらば、神よ 科学こそが道を作る」 リチャード・ドーキンス著 太田直子訳 早川書房 って本読みました。 私はこの本を「なんでもいいから年末年始に読む本」として適当に手に取ったのですが、選んで正解でした。有意義な年始を過ごせました。

「岸辺露伴は嗤わない」感想 柴田勝家の露伴は……常識人!

「岸辺露伴は嗤わない」 柴田勝家著 集英社 って本読みました。 岸辺露伴小説ももう第4弾! これだけ出ると「この作家が描く露伴はどんな露伴なんだろうな」ってのが読む楽しみの一つになります。 今回の柴田勝家の露伴はどんな奴なのかというと、私には割と…

「頬に哀しみを刻め」感想 納得しにくいところが逆に魅力なのかも

「頬に哀しみを刻め」 S・A・コスビー著 加賀山卓朗訳 ハーパーBOOKS って本読みました。 私は物語の大筋に納得できなかったのですが、でも読んでる最中は続きや結末が気になって巻を措く能わず状態になったのでその意味では素晴らしい小説なのだろうし、あ…

「ホテル・ネヴァーシンク」感想 イラチには向かない年代群像物語

「ホテル・ネヴァーシンク」アダム・オファロン・プライス著 青木純子訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ って本読みました。 気軽に読むにはいい本でした。さくさく読めました。 ただまー、この本はまー、殺人事件が起きて犯人は誰なのかって話なのでジャンル…

「後味が悪すぎる49本の映画」を参考に映画をみることはしないぞ

「後味が悪すぎる49本の映画」 宮岡太郎著 彩図社 って本読みました。 この本はまずタイトルが非常に明快であることがとても素晴らしい本です。誰もが一度は手に取ってみたくなる本です。あ、いやそんなことは無いか。タイトル見た瞬間避ける人もそれなりに…

「渇きの地」感想 クズばっかの地獄絵図田舎町での少しの救済

「渇きの地」 クリス・ハマー著 山中朝晶訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ って本読みました。 途中で何度か「読むのやめよっかな」と思いつつ結局最後まで読みました。その意味では結末を見届けたくなるいい小説だったのですが、途中はなんかもう嫌~な空気…

「オリジン」感想 私はウィンストン欲しいなあ~

「オリジン上下」角川書店 ダン・ブラウン著 越前敏弥訳 って本読みました。 この本でまず良かったのは単位がメートル法になってたことです。これまでのラングドンシリーズの和訳は単位がずっとなぜかヤーポン法のままでした。5作目にしてやっと画期的な変更…

「ロスト・シンボル」は悪いポカーン、「インフェルノ」は良いポカーン

「ロスト・シンボル上下」「インフェルノ上下」角川書店 ダン・ブラウン著 越前敏弥訳 って本を計4冊立て続けに読みました。 どっちも展開や結末に唖然としました。でもロストシンボルのほうはしかめっ面になるタイプの唖然で、インフェルノは「それはそれで…

「天使と悪魔」も小説と映画がっちり鑑賞してしまった

ダン・ブラウン著「天使と悪魔」 角川文庫 越前敏弥訳 って本読みました。そしてネトフリで映画もみました。 こないだダ・ヴィンチ・コードで「小説と映画両方味わうぞ!」をやって、結局天使と悪魔でもやりました。 こりゃもうこの夏の間にロスト・シンボル…

ダ・ヴィンチ・コードは小説と映画で相互補完するのが最高

「ダ・ヴィンチ・コード ダン・ブラウン著 越前敏弥訳」って本読みました。今更ながら。そして読み終わった直後に映画もみました。 こりゃどっちかだけでは駄目です。両方を履修しないと作品をちゃんと理解するのは難しいです。両方で理解して初めて心から「…

「死に山 ディアトロフ峠事件の真相」感想 犠牲者も作者も冒険に飢えてたのね

「死に山 世界一不気味な遭難事故 ≪ディアトロフ峠事件≫の真相」 河出書房新社 ドニー・アイカー著 安原和見訳 って本読みました。 分厚い本で日記が多くて文章の水増しが多い印象もありましたが結論はすごく腑に落ちる本でした。頑張って最後まで読み続けた…

「ねじれた文字、ねじれた路」感想 救いはあるほうがいいのは間違いないんだけど……

ハヤカワ・ミステリ文庫 トム・フランクリン著 伏見威蕃訳「ねじれた文字、ねじれた路」って本読みました。 読むの辛かったです! 主人公の一人ラリーの半生が可哀想で気の毒で悲惨すぎる小説でした。読んでて悲しいったらなかったです。 辛かったけど頑張っ…

「科学でかなえる世界征服」感想 清々しいまでの屁理屈と羊頭狗肉を笑って許そう!

早川書房「科学でかなえる世界征服」 ライアン・ノース著 吉田三知世訳 って本読みました。 面白かったです。内容はひたすらふざけたサイエンスノンフィクションって感じ。私はなんだかんだとそういう本をこれまで何冊か読んだので結局好きなんだと思います。

「乱歩殺人事件 -「悪霊」ふたたび」感想 つじつま合わせの天才技と乱歩のかっこいいかっこ悪さ

角川書店 乱歩殺人事件 -「悪霊」ふたたび 芦辺拓・江戸川乱歩著 って本読みました。 すごいお見事な本でした。なるほどなあー。芦辺天才やなあー。 なによりこの本の江戸川乱歩はかっこ悪くないのがすごいです!この本では乱歩のかっこ悪いところがかっこよ…

「ナマコは平気!目・耳・脳がなくてもね!」感想 ナマコに謝り、ナマコを称えよ

「ナマコは平気!目・耳・脳がなくてもね! 5億年の生命力」 さくら舎 一橋和義著 って本読みました。 動物の生態を紹介する本はよくありますが、これはなかなかの異色作です。ナマコというチョイスもしぶいしタイトルのセンスも面白いです。そして中身もか…

「フォン・ノイマンの哲学」感想 著者の思想のほうがなんかひっかかる…

講談社現代新書 高橋昌一郎著 「フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔」 って本読みました。 な~んか微妙~にすっきりしませんでした。 私はフォン・ノイマンについてはほぼ無知で、この本は人間のフリをした悪魔ってタイトルに興味をひかれてなん…

「盗作小説」感想 盗作とかいう次元の問題じゃなくなるのが凄い

「盗作小説」ジーン・ハンフ・コレリッツ著 鈴木恵訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ って本読みました。 展開や結末に無理っぽさとありがちさを感じることはあったのですが、そこを良しとすれば全体的には面白い本でした。辻褄が合ってないってことも無かっ…

ジョジョマガジン「無限の王」感想 リサリサ人生最後の戦い、そしてレクイエム

JOJOmagazine 真藤順丈著「無限の王」って小説読みました。 良かったです。私はジョジョの小説読むときはオリジナルスタンドを結構楽しみにしてます。今作は舞台が中南米なので登場するスタンド名もそれっぽいのが新鮮だったし、全体的な中南米の空気感や語…

「日の名残り」小説&映画の感想 吉良吉影はこの映画のどこが好きなのか?

「日の名残り」カズオ・イシグロ著 土屋政雄訳 早川書房 って本読みました。そして続けて1993年のその映画も鑑賞しました。 ジョジョの奇妙な冒険4部の吉良吉影が好きな映画なんです。なのでいつかみてみたいと思ってたものでした。 まず小説を無心で読み、…

「ナイフをひねれば」感想 シリーズで一番面白かった!

創元推理文庫「ナイフをひねれば」 アンソニー・ホロヴィッツ著 山田蘭訳 って本読みました。 ホーソーン&ホロヴィッツシリーズもこれで第4弾。これでやっと現行に追いつけました。 で、4冊読んでこれが一番面白かったです!

マイホームヒーロー感想 窪がラスボスじゃないなら哲雄がそうなるのか???

「主人公がラスボス」っていう概念ありますよね。 実は私自身はこの言い回しにしっくりこないことが多いんですが、そのへんは今はおいといて、あくまで世の中に軽く広く浸透してる意味でのラスボス系主人公の話です。 例えるならデスノートの月とか進撃の巨…

「殺しへのライン」感想 私はクイズを解く気が無いのにクイズ本を読んでるのだろうか?

創元推理文庫「殺しへのライン」 アンソニー・ホロヴィッツ著 山田蘭訳 って本読みました。 これまでホロヴィッツのミステリー小説を何冊も読んできて、相変わらず彼の作風というかそういうノリが今回も全開バリバリであり、なんかそういうのを「ホロヴィッ…

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