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「岸辺露伴は嗤わない」感想 柴田勝家の露伴は……常識人!

「岸辺露伴は嗤わない」 柴田勝家著 集英社 って本読みました。

 

岸辺露伴小説ももう第4弾!

 

これだけ出ると「この作家が描く露伴はどんな露伴なんだろうな」ってのが読む楽しみの一つになります。

 

今回の柴田勝家の露伴はどんな奴なのかというと、私には割と常識人に見えました。その代わりに彼を襲う怪異のほうが厄介度が高くて粒ぞろいって感じでした。

 

もう本当に岸辺露伴っていうキャラクターは、まず本家の荒木飛呂彦による多くの短編によってちょっと違ったり、また実写での高橋一生演じる露伴には当然ながら彼による解釈が色濃く反映されるわけだし、このシリーズの小説本でも作家によってやっぱりちょっと違いがあったりして、「これが絶対だ」という正解はありません。どれも立派な露伴であり、あとは読者視聴者の好みです。

 

では私の好みの露伴と言えば、ちょっと軽い一面があり、好奇心で取材して変なものを見つけては余計な行動をとって自らを危険にさらし、あと人助けや正義には関心が薄いほうがいいかなあー。まー「結果として人助けになる」パターンは本家にも小説にも多いんですが、それはしょうがないです。

 

その観点で照らせばこの本の露伴は常識人よりだと感じました。「なんでわざわざそんなことに首をつっこんじゃうのよ」っていう奇行はとりません。おかしな露伴節を唱えたりもしません。まっとうな好奇心で取材をして、変なものを見たらまっとうなリアクションをしてます。作家によっては「自分だけ見るのを禁じられた秘密の神事」なんてあったら法を犯してでも今すぐ見たがる露伴になってもおかしくないです。

 

物足りないって言えばそうなのかな。でもこれが柴田の露伴なら「そうなのね」と納得はいくかな。本家の露伴も、高橋一生の露伴も、北國ばらっどの露伴も、この露伴も、どれも立派な露伴。

 

しかしその代わりと言ってはなんですが、今回の「曰くのない人形」「ペア・リペア」「不見神事」「ファン・鏑木八平太の場合」ではどれも露伴の襲う怪異のほうが問答無用に厄介だったりトリックが凝ってたり、そっちのほうが飽きさせない感じでした。

 

特に鏑木のキャラは素晴らしかったです。「岸辺露伴は動かないに出てくる変な奴」として満足度高いです。不見神事の真相はもう本格ミステリーでしたし。

 

 

 

買ってよかったです。この本はジョジョランズ5巻とジョジョマガジン2024冬と三冊同時発売で、まとめて買うと安くはなかったんですが、でも「露伴の小説が読める」っていうのはなんだかんだ言ってうれしいことです。

 

私は昔はジョジョの小説は全部買うようにしてたのですが、今はそれはやめてて「欲しいと思ったのだけ買う」スタイルにしてて、もう義務感のような感情でジョジョ小説を買うことはしてないのですが、この露伴の短編集は毎回買いたくなります。

 

これからもたまに出てほしいです。

 

 

ところで、柴田の露伴はヘブンズドアーを自分にかけることができるタイプです。これも荒木の本家岸辺露伴は動かないでは作品によって結構変わります。オリジナルのジョジョ4部では自分にかけるのは不可能でしたが、動かないでは自分にも植物や物体にもかけたりしてます。この辺の解釈ももうなんでもありにしちゃったほうがきっと面白いと思います。

 

 

 

 

 

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