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「ロスト・シンボル」は悪いポカーン、「インフェルノ」は良いポカーン

「ロスト・シンボル上下」「インフェルノ上下」角川書店 ダン・ブラウン著 越前敏弥訳 って本を計4冊立て続けに読みました。

 

どっちも展開や結末に唖然としました。でもロストシンボルのほうはしかめっ面になるタイプの唖然で、インフェルノは「それはそれで面白いやんけ」と笑顔になるタイプの唖然って感じでした。

 

これでラングドンシリーズを4作読んだことになりますがインフェルノが一番大絶賛です。ロストシンボルは一番低評価でした。私には。


この夏はダンブラウンの紙の本を読んで猛暑をやり過ごすと決めて、ダヴィンチコード→天使と悪魔→ロストシンボル→インフェルノと読みました。

 

そしてダヴィと天使とインフェは読み終わったあとネトフリで映画版も視聴するというラングドン贅沢フルコースを堪能しました。

 

最後の5作目オリジンはこれから読むので正確には「しました」の過去形ではありませんけど。でもオリジンは映画は無いのね。

 

 

 

まずはロストシンボルの小説を読んだ感想。

 

 

 

いろいろと無茶だと思いました。右手を切り落とされるという結構な暴行を受けた男が翌日に元気に歩いて喋ってるのとか、仕事仲間を殺されて仕事場を爆破された女が翌日に笑って喜んでたりとか、あと真犯人の人生の経緯にも、バカなドラ息子が急に天才的頭脳になって素っ頓狂な復讐に執着するところとか、ついていけませんでした。

 

正直ダンブラウンの小説は私が読んだ限りはどれもそういうノリは少なからずあるものなんですが、なんかロストのそれは私には合わなかったです。他のだとその無茶っぷりを眺めて楽しむくらいの気分になれるんですが、なんでか。

 

これはもう「なんとなく合わなかった」としか言いようがないですね。どんな作品でもそういうのに当たることは往々にしてあります。

 

ただ決して「つまんなかった」ということはなく、他のラングドンシリーズが良かったので相対的に低いってだけで、これはこれで読んだことは有意義でした。制覇もしたいし。

 

 

ま、ロストの感想はこんなもんです。それよりインフェルノが素晴らしかったのでそっちがメインです。今日のブログは。

 

マジで良かったです。ポジティブに無茶、いい意味で荒唐無稽、そんな感じのやつです。

 

 

初読では終盤で「はあ!?!?」となり、結末にポカーンとし、直後に読み返して(私は普段読み返すってことはあんまりしません)そしてネトフリで映画版をみて、実に満喫したと言えます。

 

 

まず敵キャラ、つまり歴代でハサシンやシラスやマラークに当たるキャラが、今作では最初はヴァエンサ(スパイクヘアの女)になるのかなと思いきや彼女は中盤であっさり死んじゃって、終盤で事件の真相が明かされたときにシエナがそのポジションであることを知って、読者の私は主人公ラングドンと一緒になって驚いたわけです。マジかよと。

 

そのことが小説としてかなり面白かったことでした。

 

 

そして結末にも驚愕。

 

黒幕ゾブリストが生み出した「人類減らすぞ超強力空気感染ウイルス」は実は感染した人類を直接殺すのではなく一定確率で不妊の体に遺伝子改造するウイルスで、主人公ラングドン達はそれが世にばら撒かれるのを阻止すべく奮闘するのですが、最後の最後、結局ばら撒かれてしまったというオチには本当に開いた口がふさがりませんでした。

 

え、え、じゃあ今後のラングドンシリーズはもうそういう世界観になったわけ?

 

次作のオリジンは「そういう設定だ」と認識して読んだほうがいいのか、それとも次は次でリセットされて気にしなくていいのか、マジで混乱しました。そういう意味でも次作を読むのが今楽しみになってます。

 

 

ところで私自身はゾブリストのやったことに実は支持よりです。人口の増え過ぎが地球の最大の問題であることはその通りだし、それを強制的に阻止する方法があるのなら仮に決行する人がいたとして私はその人を完全に否定することは心情的にできません。

 

もちろん、金と技術さえあればそんな大それた遺伝子操作が誰でもできてしまうこと自体がその後の社会にどれほどの害を及ぼすかは計り知れませんが、でも人口爆発の害の比ではないですし。

 

ねえ~。

 

でもま、これに関しては現実のCOVID-19のことも含めて、深く考え過ぎないようにします。

 

 

そして読み終えたあと視聴した映画版は、これまた原作をかなり改変してありました。過去作の映画版と同じように。

 

 

シエナはバリバリの人類減らし賛成派に改変されてるし、大機構もラングドンをあっさり殺す方針に転換するようなステレオタイプな「悪い組織」っぽい存在に改変されてるし、なんつうか物語をかなり単純化させてるのが、ダヴィや天使にも増して顕著に感じました。

 

あとシンスキーがちょっと若くなっててなぜかラングドンの元カノって設定になってたのに「な、なんで?」って思ったりとかも。

 

でもま~しゃ~ないかなあ~。

 

で、映画版の長所は、過去作と同じく、有名な歴史上建造物で繰り広げられるサンスペンスのシーンのビジュアルの説得力です。文字だけの情報とは伝わるものが本当に桁が違います。

 

なので今回も「原作小説と映画の両方鑑賞しよう」という主旨は大満足でした。

 

 

さて、ではこれからラングドンシリーズ現行最新作のオリジンを読むとします。

 

 

 

 

 

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