ハヤカワ文庫「火星の人」アンディ・ウィアー著 って本読みました。
ハヤカワです!外国のSF小説です!
面白かったし、「SF読んだぜ!」って気分になれたし、あとこれを原作とした映画も続けて鑑賞したので、「原作読んでから映画を見る」って楽しみ方ができて満足でした。
この本読んでみようと思ったのはずばり表紙です。
マット・デイモンです。
好きな俳優です。
顔はかっこいいとは全然思わないのですが、彼主演の「ジェイソンボーン三部作」が本当に超好きな映画なので。
で、この表紙を初めて見かけたときに、「なるほど、この本は映画化されてて主演がデイモンなわけね」と察して、「じゃーちょっと読んでみて、面白かったら映画も見ようかな」という気になって、読んだら面白かったので、そして映画を見たという次第です。
映画も面白かったです。
そして、こうやって「ハヤカワSFを読んでから映画を見る」こと自体がなかなか楽しいってことを今回改めて認識しました。気分はSFマニア。
さて。この「火星の人(映画のタイトルはオデッセイ))」がどんな物語かと言うと。
NASAが火星への有人飛行を始めたころの未来。
火星の地表で調査活動してた6人の宇宙飛行士は、突然の巨大砂嵐に襲われて、ミッションを緊急中止して宇宙船に逃げ込んで火星を脱出します。
しかし一人だけ事故で乗り遅れて火星に取り残されます。
という話。
つまり火星で漂流する話。
そんなんもう酸素がすぐ切れて死にますやん。
いえ、すぐには死にません。
主人公マークは、吹っ飛ばされ軽傷を負い気絶し通信装置が壊れて仲間から死んだと思われましたが、砂嵐がやむと意識を取り戻し、基地に歩いて戻ります。
火星の地表には基地がもうあって、その中に結構な資材が残されてます。
具体的には、ソーラーパネル電池と酸素供給機とビタミン剤が数年分。などなど。
食料と水は1年分。
マークはその基地で2年間生きて、救助されます。
どうやって生き延びたのか、どうやって地球と通信したのか、どうやって救助されたのか、の、物語でした。
物語の設定も、火星サバイバル生活の様子も、彼の生存を知り救出するために様々な計画を立てるNASAや5人の宇宙飛行士の奮闘も、どれも面白かったです!
マークが日々どんな作業をしてるのか結構綿密に書かれてて、それはきっとたぶん科学的にリアリティがあるんだろうけど、私としてはそのへんは軽く斜め読みして「あー、このへんはとにかく車を改造してるってことね」程度の理解ができればいいので、かなり読みやすいのがありがたかったです。
物語上、当然ながらマークはぎりぎりで生き残れて脱出できるように設定されてるわけですが、それでも、絶望的な状況でも決して諦めず、自暴自棄にならず、次々と発生する困難に立ち向かっていく様子はかなり感心します。いい主人公です。
彼は日記をつけてて、「ソル444」は火星で444日経過って意味です。
その日記がこの小説のメインで、読んでて純粋に面白いです。
で、続けて映画も見てみました。
GooglePlayにありました。
Amazonにもあったけど、使い道のないGPの残高余ってるのでこっちで購入!300円!
でもこういうのって字幕版と吹替版のどっちかしか買えないの?そこは不便だなあー。
吹替版にしました。
さっそく視聴。
文章だけの小説を読んだ直後に同じ場面を映像で見るとすっごい説得力感じます。それだけでも見てて楽しいです。
でも原作は上下編で合計600ページはある物語なので、かなり省略されてました。
マークの火星生活はマジで一難去ってまた一難で7,8回くらいピンチになるのですが、3回くらいに減ってる感じ。
このピンチが、この物語の面白いところでもありつらいところでもあります。
読んでると、例えばマークは物語の割と最初のほうで通信機を修理して火星から地球NASAへ通信することに成功して、そしたらあとはもう楽じゃんって思うわけですが、通信機がすぐダメになります。
次々とピンチになって、読んでると「うあー」ってなります。
そういうのが繰り返されます。
基地のエアロックが破裂したり、車が横転したり。
読んでて「またかよ!」ってなります。
映画版ではそれが減ってるので、快適にはなってるのですが、逆に物足りなく感じてしまい、この「またかよ!」が結構重要なんだなあーって思いました。
でもそうやって思うこと自体が、「原作を読んでから映画を見た人」の特権だと思います。
私はそういうことほとんど無いので、新鮮で楽しかったです。
そういうのが日常茶飯事なSF小説マニアだったら、この映画は物足りなくて不満だったりするのかもしれませんけどね。
私は楽しめました。
面白かったです!
たまにはガチの海外SF小説も楽しいもんです。
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