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「科学でかなえる世界征服」感想 清々しいまでの屁理屈と羊頭狗肉を笑って許そう!

早川書房「科学でかなえる世界征服」 ライアン・ノース著 吉田三知世訳 って本読みました。

 

面白かったです。内容はひたすらふざけたサイエンスノンフィクションって感じ。私はなんだかんだとそういう本をこれまで何冊か読んだので結局好きなんだと思います。

 

作者ノースの前著「ゼロから作る科学文明」がすごく面白かったので期待を込めて読みました。その期待は裏切られずに楽しめました。

 

ただ決して万人には薦めません。やっぱり内容は本当にふざけてますから。

 

 

この本は題名の通り世界征服をする方法を指南する本です。もちろん冗談で言ってます。

 

スーパーヴィランになりたいあなたのためにその方法をお教えします。実は不可能ではないんですよ!という。

 

スーパーヴィランってのはアメコミとかのスーパーヒーローの反対語で、直訳すれば超悪役。あなたも超悪役になって地球を征服しよう!

 

 

 

とはいえその内容はふざけてるし脱線しまくるし本当に羊頭狗肉です。まーそういうジョークを楽しむ本なのでそれで全く問題ないんですが。

 

例えば、「この世からインターネットをなくそう!」という悪事を働くとして、その方法を紹介するわけなんですが、結局インターネットを崩壊させるのは不可能であることを長々と解説して、そのあとに「インターネットをなくすより、インターネットを利用してもっと他のいい悪事ができるよ!」と、思いっ切り脱線して「選挙でオンライン投票を導入してる国のコンピューターをハッキングして不正する方法」を紹介してきます。

 

で、その方法は説得力があって理論上は本当に不正ができそうで(普通のコンパイラやアプリケーションに何度もバックドアを付け足せばいじくり放題で痕跡も消えるらしい)、それは裏を返せば、つまりこの本では悪事指南の形を取って、この世の全てのインターネットは完全には信頼できないってことを訴えてるわけで、その意味ではすごくまっとうな本なのですが、「インターネットをなくすことはできないんじゃん」と思ってしまいます。

 

 

この本はそういうのばっかです。「恐竜を蘇らせよう!」とか「地球の中心まで穴を掘ろう!」とか。

 

やっぱつまりそういうのを笑って楽しむことが重要です。この本では。あとは豆知識やコラムが豊富なところもいいところでした。

 

結構分厚い本だし、アメリカンジョークやサイエンスジョークの和訳が分かりにくい部分も多いし、読むのはちょっと大変なのですが、夜中に寝っ転がって読んでちょっと笑って眠くなったらすぐ寝る、みたいなのには最適な本でした。

 

 

 

私はやっぱりこういう本が好きなんです。似た感じの本「いつになったら宇宙エレベーターで月に行けて、 3Dプリンターで臓器が作れるんだい!?」とか「ホワット・イフ」とかも楽しんで読みました。

 

で、後書きを読んだらこの作者ノースはこれらの本の作者ケリー・ウィーナースミス&ザック・ウィーナースミスやランドール・マンローとは交流があるようで、「ああ、やっぱあいつらの芸風ってなにかしら一貫してるんだなあー」と妙に納得がいきました。

 

 

あと全く関係無い余談なのですが、この本の表紙は妙に蛍光色が強くて、ブラックライトを当てたらめっちゃ反射しました。

 

 

わあー綺麗。

 

 

 

 

 

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