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HUNTER×HUNTER397話感想 幻影旅団ってなんで世界トップクラスに強いんだろね?

幻影旅団の結成秘話もこの3話目でようやくの完結。

 

単なる貧民街のやんちゃキッズに過ぎなかった彼らがなぜ反社集団(盗賊団とは言わないでおきます)になったのかがこれで描かれたのですが、それにしたって強くなりすぎじゃね?ってのは不可解に感じた回ではありました。

 

週刊少年ジャンプ 冨樫義博 ハンターハンター No.397 「結成③」

 

サラサは案の定行方不明になり、カタヅケンジャーのショーも中止になり、本当に絵に描いたようなありふれた悲劇が発生してしまいます。

 

流星街で子どもを狩ってた人身売買組織がもう潮時だと最後の狩りの標的にしたのがよりによってサラサだったという。

 

本当にこれは本来防げた悲劇です。今流星街はとても治安が悪いから一人で出歩くのは固く禁じられている筈なのにそれを破ったのは彼女自身です。

 

「自己責任論」問題のまさに典型であり、この件も結局「サラサの自業自得だ」とも「サラサには何一つ落ち度は無い」ともどっちとも言えるわけがなく、読んでるこちらはモヤモヤするばかりです。

 

ただ敢えて言えばこの件は神父や乳母衆の大人達が彼女に「決して一人で出歩くな」と強く強く指導してなかったのが原因だと言えます。治安の悪い国では自分の身は自分で守らないといけませんもん。

 

作中ではクロロが「対策を怠った僕の責任です」と言ってるのが痛々しくて見てられません。もしクロロが冴えてて事前対策できてたら防げたのはその通りですが、責任は彼にはありません。

 

本当にマジで自己責任論においては私はいろいろと思うところがあるのですが、でもここで語るときりがないのでこのへんにしときます。とにかく、サラサに罪は何一つないということだけを念頭に入れておけばいいことだと思います。もちろん誘拐犯が掛け値なしに邪悪であるということも。

 

 

 

で、はたしてサラサは死んでました。

 

ゴミ山そばの森で誘拐犯に捕まり、凄まじい虐殺を受け、その遺体はズタ袋に詰められて、ご丁寧に外国語の犯行声明文を添えられて。

 

冨樫漫画ではこういう残虐描写はもう恒例行事です。ツェリードニヒの趣味がまさにそれだし、幽白でもレベルEでもありましたし。

 

現在の週刊少年ジャンプでは掲載不可能なレベルの残虐度な筈ですが、冨樫だから特例で掲載が認められたんだろうな、とかもちょっと思ったりしました。

 

 

劇団の子ども達は徹底的に打ちのめされます。外国語の犯行声明が読めるクロロは一際。

 

 

なんて書いてあるかは大体想像できますね。「この◆◆◆で楽しませてもらったぜ」「こいつの◆◆◆はなかなかだったぜ」「でもいい悲鳴を上げなくてノリが悪かったからそこは低評価だな」とかなんとかでしょうね。

 

 

犯人は本来残す意味のない声明文をなんでわざわざ書いたかというと「サラサを大事に思ってる者たちが読んで苦しむことを想像して自分達が悦に入りたいから」で、それ自体も快楽行為の一つなわけで。読めばより苦しむように工夫を凝らした文面なんでしょう。

 

もっとも苦しめる方法は虐殺の映像そのものを見せることですが、犯人たちは自分が撮影したビデオテープの複製をその場で製造する設備や時間はなかった模様。

 

(関係無いけどキーアイテムがVHSビデオテープなだけに、これってマジで幽白の黒の章を連想させます)

 

ちなみに娯楽を目的とした本物の殺人を収録した映像のことをスナッフビデオと言います。現実に実在します。

 

ただ、どこかのテロ組織や独裁国が敵を虐殺する映像をネットに公開するのはスナッフビデオとは言わないそうです。政治や宗教的な主張とか見せしめが目的であって、娯楽じゃないからだそうで。

 

 

 

話を戻して、サラサの遺体はエンバーマーのレンコなる女性の手で綺麗に修復されて、しめやかに葬送されて、そしてマチ達はレンコから初めて念能力の存在を知ります。

 

ところで葬儀には劇団の子どもしかいないのがなんか気になりました。他に参列者いません。乳母衆すらも。

 

カタヅケンジャーは永遠に中止され、それまで流星街でポジティブに名声を得てたクロロですが、この事件で一気に彼が「近寄りにくい存在」になったのかなとか思いました。

 

 

そして葬儀からの帰り、劇団は犯人を探して報復することを誓い合います。犯人は吸い殻などなどの遺留品を残し、またスナッフビデオを発表できる場があれば絶対にしたがるという推理から、そういう発表できるアングラサイトを先に自分らで作る、と、それができるくらいの反社組織になる、と。劇団から旅団になる、と。

 

でも実はこのクロロの推理は時代的に少し無理があります。VHS全盛期と光ネット時代は3年と言うにはちょっと隔たりが大きいです。

 

これはハンターが休載があまりにも多くてもう30年弱もの連載になってるから生じてるラグですね。作中では数年も経ってない設定でも小道具がガラケーからスマホに替わったりしてますしね。これはしょうがないです。

 

 

 

で。さらにクロロは自分自身が悪党となる誓いと覚悟を見せます。

 

それは「流星街でサラサ達のような犠牲者を出さない様にするため」だそうで。

 

 

このへん私には正直ちょっと不可解でした。

 

彼らはこの後それぞれ念能力を習得し、特質系天才少年クロロが「盗賊の極意(スキルハンター)」を身に付けるのは理解できます。

 

サラサを殺した犯人を見つけて報復したいのなら、それに特化した「対象の唾液や精液を材料に追跡する能力」でも身に付けたら一番手っ取り早いけど、それでは根本的解決にならないから、追跡に限らない「あらゆる能力を使える能力」を選んだのでしょうね。

 

そう思うともしかしたら現在の幻影旅団はサラサ殺害犯への報復はもうとっくに終わってるのかもしれません。

 

終わってないなら旅団の最優先目標がそれな筈なのに世界中のお宝を奪う盗賊団なんかやってませんよね。

 

なんにしろ、現在の旅団の行動と結成時の理念は、私にはめちゃくちゃかけ離れてるように見えます。

 

ぶっちゃけ今の旅団は悪党がサラサにやったようなことを自分自身が弱者にやりまくってませんか?

 

フェイタンはよく拷問する人らしいですが、私にはそういうのがサラサ殺害犯の非道とほとんど同じに見えます。やっぱりどうしても。

 

違うん?

 

旅団が殺すのは世の悪人だけで罪の無い人を傷つけるようなことはしてないんでしょうか?

 

いや、でも、それにしたって裏社会に浅い関わりの非戦闘員やチンピラを気軽に殺しまくってるようにしか見えません。

 

うーん、分からん!

 

そういやシーラはこのときに旅団に入らず違う人生を歩んだようですが、彼女が深く関わってるらしいクルタ族虐殺の真相も謎のままですし。緋の目とツェリードニヒとの繋がりも。

 

 

分からんことだらけです。

 

 

あと現在の旅団が世界ランクで桁違いに強い念能力者集団になってるのもなんか不思議です。

 

どういうモチベーションでそこまで、陰獣やキメラアント幹部やエイ=イ組即席能力者を圧倒できるくらいにまで、強くなれたんでしょうね???

 

ちょっと規格外すぎる強さですよね。旅団って。

 

今回明かされた結成の初期動機ともあんまり釣り合ってないようにも感じました。

 

今回の旅団結成のエピソードは、彼らの理解が深まったというよりは、謎が深まったって感じ。

 

彼らを理解する物語のピースはまだ圧倒的に足りてなくて、「もっと読みてえよ!」ってのが率直たる感想です!!!

 

 

ところでこの397話がジャンプに載ったのは2022年12月なんですがこのブログは2024年5月に書いてます。単に書きそびれてただけです。

 

 

 

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