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HUNTER×HUNTER396話感想 巨悪と虚悪

今更改めて言うのも無粋なことですが正義のヤンキーとかヤクザってのはフィクションにしか存在せず、現実では不良と犯罪者と反社は基本同一線上の社会構造に存在してます。

 

ハンターハンターの世界観、この幻影旅団の回想でもどうもやっぱり、根は優しいやんちゃな不良少年たちが腐敗したマフィアの犯罪ビジネス社会構造に打ちのめされ、自らが義賊になる物語みたいな感じになってるのですが、旅団が義賊なのかというと、どうしても疑問に思ってしまいます。

 

週刊少年ジャンプ 冨樫義博 ハンターハンター No.396 「結成②」

 

(私は現在ジャンプ本誌連載より3話遅れで、398話まで読んだ上で396話の感想書いてます)

 

私は「正義のヤンキーが悪のヤンキーと戦う」とか「腐敗したヤクザと腐敗してないヤクザ」とかいう構造のフィクション作品には欺瞞を感じるタイプです。

 

墨入れた珍走少年がバイクで騒音鳴らして神社で集会して工事現場で乱闘してそれがイケメン快男児みたいな扱いにできるのはフィクションの世界だけです。私も子どものころにはそういうのも楽しんでましたけどねえ、大人になって社会を知ってから見るとやっぱりただの欺瞞で幻想です。

 

もちろんそういう作品が好きなタイプの人は欺瞞で幻想だと理解した上で楽しむのなら大いに結構で何の文句も無いことです。

 

ただ、今回の幻影旅団に関してはこれ、読んでて、義賊だとかダークヒーローだとか悪を以って悪を征すだとかいう存在なのか、ちょっと受け止め兼ねてて混乱してる部分があります。

 

うーむ。それはそれでいのかな?作者冨樫も「旅団は義賊です」とは毛頭から言ってない感じはするし、むしろ「どうぞ混乱してください。旅団は見ての通り理解不能なモンスターの集団なんです」って語ってる気がしないでもないです。

 

 

 

さて本編の冒頭は、教会が流星街の子ども達に施す慈善事業でカタヅケンジャーの上映会を開催するクロロ

 

 

ウボォーギンフィンクスが非力な年下相手に暴力をちらつかせて恫喝してるけど、それでもサラサが言うには彼らは根が優しいんだそうです。「根は優しい」って便利な言葉です。でもまーフィクションの不良少年に現実との乖離を指摘しても詮無いってことは前述した通りなのでここはこれでいいです。

 

フェイタンは根は優しくなく慈善事業に協力しないのが印象的。ちなみにのちの398話で彼は食べ物に潔癖症であることが明かされてて、こういう施しのチープな手作りお菓子すらも嫌いなのでしょうね。でもスラム生まれでそういうのしか食べるものが無いので食事はさぞ苦痛だったことでしょう。極端に背が低いのはそのせいかもね。髪質とかもね。今はトリートメントはしているか?

 

 

 

そして上映会では、カタヅレンジャーの女3人をパクノダとサラサとシーラが演じて、それ以外の全員をクロロが兼役するという、11歳の男児が大人の男声の演技をするだけでもかなり難しそうなのですが、でも完璧にこなし、さらには機械トラブルに見舞われて4人はその場で生アテレコという機転を利かせて、そこでもクロロは憑依系の熱演を見せて、それはウボォー達を震わせるほどだったと。

 

 

クロロは腕っぷしこそ弱いけど何やらせても万能な天才少年で、中でも演技や役者の才能が突出してるという意味深な印象を読者に焼き付けてくれます。

 

パク演じるピンクは天才博士を巡ってパープルと三角関係になっててイケメン好きで罠にかかって敵に洗脳されるけどレッドのイケメンパワーで正気に戻るらしいです。パクもクロロのイケ演技にときめいてる様子もあり、本当に、この二人はまっとうに育ってたらいい感じになれてただろうって空気が物凄くです。しかし未来はそうならなかった上に大人のパクはヨークシンで団長のために死んだわけで。うーむ。

 

 

あと関係ないけどカタヅケンジャーってアニメか特撮か知らないけど戦隊ものお約束のフルフェイスじゃないのね。あとイエローが道化のデブってのはかなりステレオタイプだなあ。

 

 

 

上映会は大成功。クロロの名声は流星街に一気に広まったっぽく、そしてクロロ派閥と不良派閥はサラサがめっちゃ天真爛漫にうまく取り持ってくれて見事に和解。

 

 

11人の少年少女は「劇団」活動にはまっていき、自らを冗談半分で「ナントカ旅団」と名乗りだし、中でもウボォーは本当に乗り気で、まさに、くすぶってた不良少年が夢中になれるものを見つけて更生したって感じです。

 

あ、そういやスラムダンクの新作アニメが映画公開中ですね。花道は夢中になれるものを見つけてもヤンキーノリは消えませんでしたね。リーゼントやめて坊主になったのはなんでだっけ。

 

 

それはいいや。話を戻して、絶好調で劇団活動をする11人ですが、サラサが独断で一人で森に行き、ちょうどそこに人身売買組織も、流星街で子供を攫ってたけどもう潮時だから「最後に一匹見つけたらたっぷり遊んでくかくくく」と森に行き、続く。

 

 

この男は鼻にイボ、顎にホクロとかなり特徴的な容姿です。これまでのハンターにそういう特徴の男は登場してますっけ。

 

 

 

とま、実に鮮烈に、健康優良なやんちゃ不良少年とあまりに邪悪な犯罪組織の対比が描かれた396話でした。

 

絵に描いたような童心的な様子がむしろすごく現実離れして見えて、それはやっぱり今の幻影旅団が快楽殺人者や人身売買組織と同じくらいの非道を平気で行う犯罪組織になってるからでもあります。不良少年は更生できずに反社になった、というそこだけが妙な現実感があり、その対比もすごい回でした。

 

幻影旅団の悪についてはまだ語り尽くせません。次回の397話の感想もそれになりそう。クルタ族虐殺事件は冤罪なのか???

 

 

 

 

 

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