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「彼らはどこにいるのか」感想 宇宙人は……いません!たぶん!

河出書房新社「彼らはどこにいるのか 地球外知的生命をめぐる最新科学」 キース・クーパー著 って本読みました。

 

この大宇宙で地球の他に異星人はいるのか?いないのか?の研究が今どこまで進んでるのかを紹介してくれる本。

 

どうもやっぱり、いないっぽいです。

 

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しかし著者は「いない」と断言は決してせず、「いるかもしれない」「まだ研究は始まったばかり」と強く説いてます。

 

確かにその通りではあります。

 

でも私としては、この本読んだ感想としては、どうも、今の状況を選挙に例えるなら「100万票を集計するとして、開票作業が始まったばかりで、まずざっと1000票数えたら1000票とも【いない】票だった」みたいな感じです。世論調査や出口調査でも全部100%【いない】票で、【いる】票は1票たりとも見つかってない状態……と言ったところ。

 

この広い広い大宇宙を我々地球人はまだ1%も調べてません。開票率0%。

 

それに100万票の中に【いる】票が1票でも入ってたら、結論は「いる!」になるわけですから、「調べても無駄」なんてことは絶対にありません!

 

 

 

さて。「異星人を探す」作業は、「こっちが見つける」と「こっちを見つけてもらう」の2種類があります。

 

前者をSETI、後者をMETIと言うそうです。大まかに。SETIは聞いたことありました。

 

この本ではその両方が2018年現在でどんな状況なのかをいろいろ教えてくれます。

 

面白いです。

 

 

 

ただ、この本の前半は私にとっては退屈でした。

 

本題(私が知りたいこと)と違う話が結構長々と続きます。

 

まず、一つのの星から大宇宙に向かって「異星人の人いませんか~!?」と電波とかを飛ばすのはかなりのエネルギーが必要で、しかも実質的な利益がなくて慈善事業のようなものらしいです。

 

利他行為。

 

で、「そもそも利他行為とは」とか「人類以外のイルカとかではどうか」とか興味をそそられない話が本の前半で長々と多く続きます。いやいや宇宙人の話をしてよってなります。

 

もちろん無意味な話なんてことはないのですが、もっと短くまとめてほしかったです。

 

このへんは軽く斜め読みしました。

 

面白くなってくるのは4章から。

 

そこからは異星人探しに関するいろんな情報や初めて知る用語とかがすごく増えてきて読んでて面白くなりました。

 

 

 

まずは見つける側のSETIについて。

 

えー、もし、例えば遠く1000光年くらい先の星に異星人がいるとして、それは人間型だろうがタコ型だろうが、はたまた地球の生命体の概念とは大きく違う岩石型とかだろうが、異星人が高度な文明を作ってるのだとしたら、彼らは超高性能宇宙船とか巨大基地を建造してて、とてつもない運動や熱のエネルギーを放出していることになります。

 

その巨大基地(のようなもの)はこの本ではダイソン球って言ってます。初めて知りました。

 

そういうのは遠くから見たら赤外放射をしているわけで、もしそれが存在するならもう今の時代なら地球からその赤外線を普通に観測できるわけで、でもそれらしきものは全然ちっともさっぱり観測できてないそうです。

 

 ってことはやっぱりいないんじゃん。少なくとも地球から1000光年の範囲には。

 

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「異星人がもしいるのなら、今の時点で地球に来てなきゃおかしくね?」みたいな理論をフェルミのパラドックスと言うそうです。これも初めて知った言葉。 

 

これは、私含めきっと多くの人がなんとなく漠然と自然と思ってることだと思います。

 

地球の我々ホモサピの文明は長く見積もっても2万年くらい?それでも宇宙旅行はまだまだおぼつかないレベル。

 

もし遠くどこかの異星人が宇宙旅行を自由にできるくらいに文明を発展させてるのだとしたら100万年くらいは文明が続いてないと無理じゃね?

 

じゃあ、そんな「異星人が初めて地球に到達した日」が都合よく今日とか明日とかに来るって思うのはあまりに不自然じゃね?

 

とっくに来てるか、全然来てない(つまり存在しない)かのどっちかしかありえなくね?

 

という理論。

 

この本はそういうところにも突っ込んでるのでなかなか読み応えあります。

 

著者はそれを踏まえても「がっかりするのはまだ早い!」といろいろ熱弁します。はたして真相は。

 

 

 

次に見つけてもらう側のMETI。

 

ボイジャー1号2号とかは有名ですし、アレシボメッセージは見覚えがあります。

 

こういう「宇宙のみなさ~ん!我々は地球人ですよ~!ここいいますよ~!」って信号を送る活動がいくつかされてるってのは。

 

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この本で初めて知ったのは、そういう活動に激おこな人が存在するということでした。

 

その人達の理屈は「もし悪い異星人に見つかって侵略されたらどうする!」というものでした。これは笑いました。いや笑っちゃいかん。理屈は正しい。

 

 

でもなんか、なんていうか、今現在地球人は自分らのことで手一杯じゃないですか。

 

コロナもしかり、地球温暖化しかり、地球人がこの先文明を何万年も、宇宙旅行が自由自在になれるまで、続けられるのかって話。

 

なんか小学生が「大学の勉強ついていけるかな」と心配するようなものです。

 

 

この本はそのへんについても言及してます。

 

他にも隕石の衝突とかで、一つの星が高度な文明を築くまでに絶対滅んでしまうって考えをグレート・フィルターと言うそうです。

 

初めて知る言葉が多くて楽しい本です。

 

グレート・フィルターを避ける方法はただ一つ、他の星々にも移住すること!そしたら地球が滅んでも移住星の元地球人が存続できます!

 

はたしてグレート・フィルターを地球人はすり抜けることができるのか!

 

 

 

この本で特に面白いと思ったのはこのあたりです。

 

他にも終末論法とか、WOW!シグナルとか、面白い話がたくさんありました。

 

これを読み終えた人は、結局異星人はいると思うかいないと思うか、どっちに寄るでしょうね?

 

「いる!」「いない!」と断言は誰にもできないのでしょうけどね。

 

 

 

 

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