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進撃の巨人130話感想 ここは、地球なのか???

今月の進撃の巨人は、私が待ちわびていたエレン視点の物語でした。

 

でも彼の真意の全てが明らかになった気はしなくて、まだ謎や疑問はありそうですが、それでも少なくとも、彼が、本気で、全世界を皆殺しにしようとしてることははっきりしました。

 

「主人公が世界を滅ぼす」って作品自体はそう珍しくはありません。

 

セカイ系ってやつです。

 

でもエレンはセカイ系主人公としてはあまりにも異様な点がいくつかあると思います。

 

 

私が思うセカイ系ってのは、主人公が世界を守るか滅ぼすか選択を迫られる物語です。

 

その選択は、迫られるんです。誰かから「させられる」ものです。普通は。普通のセカイ系は。

 

そして主人公が滅ぼす選択をした際には、あとは自動的に世界が滅びます。世界を滅ぼす係は主人公ではない他の誰か何かです。

 

このへんの違いがエレンの前代未聞なところだと思います。

 

彼は、全世界皆殺しを自分で強引に決めて、自分の手で実行します。

 

 

 

世界系のヒロインとかって、巨大化するのもよくありますよね。

 

地球より大きくなります。地球を両手でハグできるくらいになります。

 

でもエレンの巨大化はそれほどでもないです。

 

せいぜい体高数百m~1kmくらいでしょうか。

 

1kmもの巨大物体に「せいぜい」って言うのも変な話ですが。

 

イメージで言うなら「」ってところでしょうかね。

 

標高1000mの山と何百万機ものバケットホイールエクスカベーターが動き出して全世界をくまなく踏みつぶしに歩き回る感じ?

 

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(バケットホイールエクスカベーター)

(超大型巨人よりもでかい)

(Wikipedia より)

 

 

山と戦争しても人類にはちょっと勝ち目は無いかな。

 

核兵器を大量に打ち込めば吹き飛ばせるかもしれませんが、そんなことしたら核の冬で結局人類は滅亡することでしょう。

 

セカイ系の超越的な巨大ヒロインは完全なファンタジーですが、山なら戦闘規模の想像がなんか現実的でそして勝ち目はやっぱり絶望的です。

 

この漫画の世界ならなおさら。

 

この世界での現時点最強の兵器は戦艦で、その戦闘の結果は今月号の通りです。

 

セカイ系と言うにはエレンの行動はあまりにも自主的で積極的で現実的です。

 

 

 

無駄な前置きが長くなり過ぎました。でももうちょっと。

 

アニメの製作会社や監督達が変わる告知が今月号に載ってました。

 

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変わる理由は分かりませんが、荒木哲郎前監督が前向きなコメントを発表していたので、少なくとも問題やゴタゴタが原因でないようで、そこは胸を撫でおろし。

 


不安が無いわけではありませんが、私も前向きに楽しみにしようと思います。

 

あと新キャラ達のキャストも楽しみです。

 

オニャンコポンの声優は誰になるかな?

 

 

 

 

さてようやく本編の感想。

 

冒頭はアニレベリオ収容区の住人はもう助からないことを知らされて取り乱してます。

 

義父との再会を目指してた彼女は戦う理由を失って崩れ落ちます。

 

しかしマガトはそれを知っても自分の命を捨ててもエレン阻止作戦を続行して託したわけで、その遺志を無駄にはできないと、ハンジは説きます。

 

あー、ハンジはこういう行動理念の人でしたね。説得力あります。ガビはそれを聞いて目に力が戻った感じ。

 

でもアニはそういう心境にはとてもなれないようで、力なくつぶやきます。

 

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 「もう戦いたくない」「あんたと殺し合いたくない」

 

本当に心の底からの本心をこぼしたって感じですね。

 

これが彼女の本音と。幼い頃からの義父からの武術訓練、マーレの候補生、壁内に潜入しての訓練兵、人生のほとんどを全部無理して去勢を張って耐えてたんでしょうね。

 

あと水晶の中に4年間。彼女の人生も過酷です。

 

 

聞かされたミカサは、どうやら何も答えられなかった様子。

 

ミカサ達は、仮にエレンに追いついたとしても、具体的に何をどうするつもりなのか?

 

 

 

で、場面が切り替わって、ここからはエレンの回想そして地鳴らし。

 

彼の真の共犯者は、フロックとそしてヒストリアでした。

 

なるほどなるほど。本当に、この2人にだけは心を全て開いて自分の計画や意志を示していたのですね。

 

 

フロックがイェーガー派の実質上のトップとして「漫画の嫌な奴の役」として八面六臂の大活躍をしてたのは、エレンとのこういうやりとりで信念が生まれたからと。

 

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「全世界皆殺しにするぞ」と決断したらたいていのことは躊躇なくできます。

 

 

そしてヒストリアは、エレンとなんていうか心の闇みたいなのを共有しあった間柄なので、エレンは彼女なら全世界皆殺しに賛同してくれると信じられる何かがあるから打ち明けられたんでしょうかね。

 

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ミカサやアルミンには話せなくてもヒストリアになら話せる、とする何か。

 

結果彼女はその通り共犯者になってくれて、計画の為に妊娠までしてくれたと。腹据わってんなあー。

 

(一瞬、お腹の子の父親がエレンなような感じがしたけど、さすがにそれは無いですよね??????)

 

 

あとかつてミカサに「ずっとお前が嫌いだった」と吐き捨てたのも嘘だったと判明。アッカーマンの習性も全部作り話。

 

112話を読んだときは私は本心に見えたのですが、全然違ってました。私もすっかり騙されました。

 

で、それは、彼はミカサをどんな形にせよ愛しているわけで、地鳴らしもやっぱりミカサや仲間や島民を守るために行うのでした。

 

自分が死んだ後も幸せに生きてほしいと。

 

ここ、「幸せ」って、何が幸せなんだよと思わなくも無いです。

 

ミカサ達は仮に全世界皆殺しにした後自分達だけ生き残っても、幸せを感じて生きていけるとは到底思えません。

 

罪悪感とか「エレンが理解できない」みたいな後悔で苦しんで余生を過ごしそう。

 

それはきっとエレンの幸せの定義がそもそも違うからなんでしょうね。

 

ユミルの民は、今後世界の科学軍事技術が発達したらただ処分されるだけだから、幸せとか苦しみとか以前の問題なんでしょうね。

 

アルミンは時間をかければ平和的解決の道もあると語ってましたが、エレンはそれを良しとはせず、自分の世代で全ての決着をつけるぞと。

 

生き延びること自体が幸せ。自分の生殺与奪の権は自分で握りましょう。

 

 

 

とまー、エレン自身の口から彼の真意がようやく語られたわけですが、それでもやっぱりまだまだ不可解な点はあるような気がします。

 

進撃の巨人の未来を見る能力で具体的に何を見たの?とか。

 

123話の涙は何?とか。

 

難民の少年は何の意味があるの?とか。

 

進撃のスクールカーストの世界と繋がってんの?とか。

 

まだまだ予断を許しません。

 

 

 

そんなこんなで地鳴らしの行進はマーレに到着。

 

(華麗に海を泳ぐ超大型巨人の姿にちょっと笑いました)

 

 えーと、島外エルディア人がエレンの脳内通信宣戦布告を聞いてパニックになって、それを見たマーレ人達が慌てて全世界の兵力を結集したわけですね。

 

 

 

ところで、ここで私ものすごく気になったことがあったのですが、この漫画で「地球」って単語が出てきたのって、今回が初めてでしたっけ?

 

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この漫画の舞台が地球だってこれまでに言及されましたっけ?

 

私この漫画しっかり読み込んでるか全然自信ないんですよねー。

 

 

世界地図の一部が公開されることはこれまでにあって、なんか、パラディ島がアフリカのマダガスカル島っぽいみたいな考察はありましたが。

 

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(23巻)

 

はたして「地球」なんでしょうかねえ???

 

あるいは名前が地球なだけで、現実の地球とは全くの無関係ってパターンかもしれません。

 

漫画ではよくあります。

 

例えばドラゴンボールの舞台も地球ですが、現実の地球とは何も共通点が無い創作の惑星でしたし。

 

 

 

で。その地球防衛軍が地鳴らしの超大型巨人の軍団と対峙しますが、まるで効きません。問題外。

 

バケットホイールエクスカベーターなら大砲をうまく打ち込めば動けなくさせることはできるかもしれませんが、超大型巨人は筋肉の塊ですから、構造的にもちょっともう次元が違うレベル。

 

 

そして軍人たちは恐怖の光景を目にします。

 

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「進撃の巨人だ」

 

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1巻でエレンがシガンシナ区の壁から見せられた超大型巨人(ベルトルト)の恐怖を今ここで百万倍返しです。

 

母を失って溜めた怒りをここで点火です。

 

そして例の決め台詞。

 

「一匹残らず駆逐してやる」

 

恐ろしいわあー。セカイ系?んなもん知るかボケ。そんなことより駆逐じゃ!

 

エレンの凄まじい行動理念に恐れおののき、次回へ続く!

 

 

 

ところで今月号では「ふざけた擬音」は一切無しでした。つうか擬音自体が無くて、なんか地鳴らしの戦闘シーンなんかは、擬音や効果音が無くてBGMでワーグナーの「ワルキューレの騎行」とかがかかってそうなイメージでした。

 

 

 

それにしても今月号に無事に進撃の巨人が掲載されてて本当に良かったです。

 

作者諌山創はもう安定した執筆環境を取り戻したでしょうか?

 

でもコロナ関係は最近また感染者数が増えて先行きが怪しい感じです。

 

こっちも全く油断が出来ません。引き続き。

 

進撃の巨人(31) (週刊少年マガジンコミックス)

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