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第九の波濤 感想 5分前集合と連帯責任にまつわる言い分にモヤモヤ

草葉道照週刊少年サンデーで連載している「第九の波濤」という作品の先週号と今週号の話がどうもスッキリしませんでした。

 

まずはこの漫画の経緯をざっと軽く説明します。

 

 主人公海老原はいろいろあって長崎大学の水産学部に入学しましたが、水産には興味のない人間です。

 

とくに入学早々から先輩たちから受けている体育会系のシゴキにあまり納得していません。

 

船乗りとして体力的にきついことは仕方ないとしても、それよりも二つのしきたりが許せません。

 

一つ目が「5分前集合」です。

 

6時30分集合だとしたら6時25分に点呼が行われてそれに遅れたら遅刻扱いにされます。

 

そしてそこで発生するのが二つ目の「連帯責任」です。

 

誰か一人が遅刻などなどのミスをしたら全員が腕立て伏せなどの懲罰行為を受けなければなりません。

 

海老原はこの二つに納得がいかず、ある日意図的に5分前集合を破ります。

 

それで先週の話となります。

 

 

私は一つ目の「5分前集合」は9:1くらいの割合で納得がいくしきたりだと思います。

 

「だったら普通に6時25分集合って言えよ」と思わなくもないですが、真の集合時間は6時25分なのだと自分の頭の中で変換して受け入れます。

 

遅刻厳禁には大いに賛同しますし。

 

ただちょっと話がずれるのですが過去にいた職場で、仕事場所と休憩場所がかなり遠い工場があって、ただでさえ短い休憩時間を移動する時間に割かなくてはいけないしきたりがすごく嫌だった記憶がありまして、そのせいかは分かりませんが納得がいかないという主人公の気持ちもほんの少しだけ共感できたりします。

 

 

「連帯責任」については逆に主人公のほうに7:3くらいで共感できます

 

 一度の失態に罰というのがまず気に入らないし、なんの落ち度もない仲間にも罰を負わすのは連帯感をむしろ損ねる嫌なしきたりだと思います。

 

まー、世の中にはどうしても時間にルーズな人やミスが多い人がいて、そういう人たちを手早く「叩き直す」効果はあるのかもしれません。

 

 

さて先週のやりとりです。

 

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海老原は5分前集合を意図的に破り連帯責任の全員腕立て伏せを命じられますが、圧力に耐えつつ反論を開始します。

 

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この海老原の発言が気に入らないのが潜木という同級生で、彼は協調や規律を重んじるタイプ

 

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海老原と潜木の口論になって、熱くなりそうなところで先輩の平良が止めに入ります。

 

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そして、5分前集合や連帯責任などなどの日頃の訓練になんの意味があるのかをこれから説明してやる!となって、今週号に続くとなりました。

 

 

ここまで読んだ上では海老原の理屈(潜木からは屁理屈と言われますが)はそんなにおかしくないと私は思いました。

 

甘えてるだけの匂いも濃いけど罰を受けるなら自分だけでいいというのには賛同しま

 

 

これ平良が何を語るのか今週号が気になってたんですよねえー。

 

 

 

それで引き続き今週の話を紹介です。

 

 

平良はドバーンと見開き扉絵でかいフォントで語ります!

 

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全て船を基準に考えろ!!」と!

 

俺達がお前ら新入生に施すシゴキは全て船乗りに必須な訓練であるのだと。

 

 

 

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5分前集合については「少し遅れただけで完全に取り返しがつかなくなるケースもあるから」

 

 

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連帯責任については「船では一人のミスが全員の命に関わりかねないから」

 

……とのことでした。

 

 

 

うーん私が期待しすぎていたのか、どちらも普通で無難なだけの回答で膝を打つようなガッテン感は得られませんでした…。

 

いや、それぞれは正しいとは思います

 

ただ、一つ目5分前集合については、時間を守ることの重要性は説いていますが、これでは「5分前」の答えにはなっていません。

 

 

「不測の事態に備えて時間に余裕をもっておけ」を船のなにかに例えて説明すればよかったのに。

 

 

二つ目連帯責任については、これはまさに海老原が指摘した通りで「個人のミスに罪悪感を植えつけることが目的なのだ」と言っているに等しいです。

 

確かに自分や仲間の命の危険が近くに存在する世界では些細なミスも命取りというのはその通りです。

 

でもこれではただ海老原は「厳しすぎない?」と聞いて平良は「いいやこれで妥当だよ」と答えたに過ぎません。

 

ミスや気の緩みが許されないことだと覚えるために必要なことがである説明にはなっていない気がします。

 

かといってじゃあどういうのが適切なの?と問われても私うまく答えられません!

 

モヤモヤします

 

 

海老原は非は自分のほうにあったと考えてごめんなさいしました。

 

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潜木とはまだまだ理解しあえないまま。

 

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うーん、うーん。

 

どうも海老原、潜木、平良の三者それぞれの言い分に「これぞ!」という感触を見出せないまま今エピソードが終わっちゃいました。

 

 

海老原は甘ったれていますが、訴えの中に一部の理があったのにそこを有耶無耶にされた感じ。

 

潜木はまさに組織行動に適した性格ですが自分の意志がなくて上意下達なだけな印象もあります。

 

平良は正しいけど説明が片手落ちだと思いました。

 

あと今回のこの説明は誰かから抗議があってからするんじゃなくて、最初に話しとけよとも思いました。

 

何のための訓練なのかを説明しないまま従わせるってのもちょっと…。

 

 

今回のエピソードにモヤモヤしてる私も海老原と同じで甘ったれかなあー?

 

 

あ、ちなみにこの漫画のタイトル「第九の波濤」はロシアの画家イヴァン・アイヴァゾフスキーの「第九の波濤(第九の怒涛という訳のほうが有名っぽい)」って絵画が元ネタらしいです。

 

 

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