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ゾンビランドサガ外伝ザ・ファースト・ゾンビィ2巻3巻最終回感想 山田たえは死に、そして生き返らない。

先日ようやくゾンサガ3巻買いました。前に1巻の感想を書いたきりでしたので、2巻と3巻、最終回までの感想をまとめて書き残します。

 

良かったと思います。しかしやっぱりとても大きな不満点が一つあるのは確かなので、そこを避けたくはありません。

 

 

深川可純ウルトラジャンプで連載してた「ゾンビランドサガ外伝ザ・ファースト・ゾンビィ」の漫画、アニメのゾンサガのキャラクターデザイナー本人が手掛けたという驚きの外伝でした。

 

本人はアニメーターが本職なので漫画には不慣れだと言ってますが、ビジュアルに関しては文句無しのさすがのクオリティでした。あとたえのセリフが自然と三石琴乃の声で脳内再生されたりそういう没頭度も高かったです。

 

 

私ゾンサガ好きです。アニメは大絶賛でした。が、それでも不可解な点、不満な点もあり(当時感想ブログたくさん書きました)、今振り返れば「だからこそ心に残った」って一面もあったと思います。

 

 

漫画のほうも同じように「概ね良かったけど不満点もある」って感想となりました。

 

 

それはやっぱり、この漫画の最終回がアニメ1期の第1話と繋がってる印象が全然湧かなかったことです。サガコなる佐賀の呪いが、何がどうなって次はゾンビランドサガプロジェクトを阻む呪いになったわけ???繋がりが全然無いように見えます。

 

 

いや決して全く無かったわけでは無いんですけどね。舞台はアニメでさくらが記憶を失ったままゾンビとして蘇る2019年から遡ること30年、1989年の佐賀、当時存命だったサキらしき少女や、リリィの両親となる豪剛雄サチカが登場したり、紺野純子の名前が出てきたりもします。が、彼女らの存在の重要度は低いです。

 

 

 

 

(あと警察官Aの親父か何かっぽい警官もいました。でもあいつって佐賀弁じゃないから地元民だとは思ってませんでした。)

 

もうちょっと、この漫画にはもうちょっと、それこそ、少年が巽幸太郎となりさくらをゾンビにする顛末までをもガッツリと見せてほしかった、くらいの物足りなさを大いに感じます。単行本あと1冊分くらいかけてそのへんも見たかったです。そこが私が感じた期待外れだった点です。欲を言い過ぎでしょうかねえ~?

 

 

 

とは言え、この作品には大きな満足点もあります。山田たえの死の顛末はしっかりと描かれたことです。

 

 

 

それはアニメゾンサガ内のいくつかの「残された謎」の大きな一つであり、その物語がきっちり完遂されたことは「なるほどね」「読んで良かった」と思えることでした。

 

 

まー?まー?ここも完全大満足ってわけでもありません。たえと相思相愛っぽかったオリキャラ主人公の兵頭英吉、そして葉加瀬華子朱里アンナ達は2019年にはどこでどうしてるのよ?ってのは疑問です。

 

2019年には英吉は45歳(デスおじABと同世代らしい)くらいで、もし彼が存命で佐賀在住だとしたら、もし彼がフランシュシュ0号を見たら。そこには豪剛雄や天吹麗子にも劣らないドラマがある筈ですが。

 

私としては、それだったらいっそのこと、超バッドエンドになりますが、彼らも全員たえと一緒に死んだという結末だったほうが、世界観的にはスッキリしてた気がします。うーむ。

 

 

そういや裕子は最終回には誰か男と結婚して一児をもうけたとのことですが、「この子が実はさくらか幸太郎なのでは」ってのは、時代的には合ってそうな気がします。だとしたらかなりドラマで「未来に続いてる」感もあるのですが、でもそれならそうだとはっきり描けばいいので、そうでないってことは結局違うってことかなあー???

 

まーそこは考えても仕方ないです。それよりも今作のメインディッシュであるたえについて。

 

 

たえの正体は本当にはっきりと明かされました。

 

ごくごく一般家庭の一人娘でしたが、民俗学者の両親が、謎の生物、つまり佐賀の呪いサガコを拾いそれと知らず勝手に育ててしまい、ある日サガコが暴れ出し両親は物理的に殺されてしまいました。

 

孤児となった彼女は徐福に拾われ、彼女自身も佐賀の呪いと戦う道を選んだ、と。

 

 

なるほどねえー。

 

原作では生前の趣味は「旅行代理店巡り」とあり、昭和のバブリーなOLなのではとも思われましたが、それよりもずっと壮絶な人生を送ってました。

 

ただ彼女は復讐や贖罪に囚われつつも普通の女性らしい人間性も垣間見えてたので、旅行代理店が好きだというのも、本当はあちこち旅行に行きたいけど佐賀から離れるわけにはいかないので旅行代理店を見るだけで心を慰めてたのかな、なんて想像も湧いて、納得がいくし、そして切ないです。

 

そんな彼女は最後にサガコの本体「マガツヒ」と対峙し、両親を殺された憎しみとか、マガツヒの心とか、栄吉達仲間への愛とか、様々な恩讐に触れ、そして許し合うことで自分もろともサガコを浄化し、そして死にました。

 

 

彼女は呪いと戦うために生き、呪いと相討ちで死んだのでした。

 

 

他のフランシュシュメンバーとは少し違う死に方でしたね。メンバーは佐賀に繁栄をもたらす女という運命を持っていたゆえに呪いから狙われて犠牲になったのですが、たえは自らそれと戦ってた女でした。

 

今作で佐賀の呪いが形を持って本当に存在してたことが判明したわけです。幸太郎が「佐賀を救う」、徐福が「佐賀の呪いと戦ってきた」というのは、本当にそうだったわけです。

 

 

となるとやっぱりこのゾンサガ世界観の全貌が見えないことはやっぱりやっぱり消化不良ではあります。

 

呪いって、今回たえがマガツヒを鎮めたけど、それでもこの土地から消すことはできなかったわけでしょ?

 

佐賀って永遠に呪われ続けるの?なんで?

 

生前のフランシュシュを襲った呪いや、2期最終回で幸太郎の体を蝕んでるっぽい呪いは、サガコともマガイヒとも全く別の形の呪いなわけ?どんな?

 

いや……まーいいか、このへんの疑問点も今は置いておきます。

 

 

 

再びたえに話を戻して。彼女ははたして死にました。そして30年後ゾンビとなるわけです。

 

フランシュシュはゾンビ化しても全員自我や知性や生前の記憶があり、さくらも記憶を取り戻しました。でもたえだけはずっと忘我状態のまま。

 

こう、たえの生前の足跡を知った今となっては、そこも切ないところです。

 

もし彼女が記憶も知性も取り戻せたらどうなるんだろう、徐福はたえの顔をした忘我のゾンビを見て何を思うんだろう、と想像せずにはいられません。

 

その切なさが、この漫画を読んで得た最大の収穫じゃないかと思います。

 

この漫画読んで良かった点の一つじゃないかと。

 

 

 

他の長所と言えば、繰り返しますがやっぱり絵ですね。

 

 

一度だけモブキャラの女の子がサービスしてくれたこともありました!

 

 

たえと裕子も時折素敵な絵を見せてくれて、もし裕子が本当にさくらの母親だったとしたら、とか、やっぱり想像してしまいます。

 

 

あとは本編にはついに一度も登場しなかったさくらが、後書きにいたこともちょっと嬉しかったことでした。

 

(この絵は単行本を買った者だけが享受できる特典なので、スクショもちっちゃくしときます。ちなみにこのブログにスクショを貼ってること自体は著作権法上認められる引用の範囲内に基づいてやってますのであしからず。)

 

あ。となるとだけが、本人かあるいは縁のある者が本編でも回想でも枠外でも全く登場しなかったことになりますね。そこも不満点になっちゃうかも。(喜一は出た)

 

とまー以上頭に浮かんだことをただ書き並べた雑然とした感想ですが、読んで良かったと思う作品でした。不満点があること自体それもまた一考の余地です。ゾンサガファンならマストだと思います。ありがとうございました!

 

 

さて。アニメのほうは映画はどんな感じでしょうか。あと3期も。ゾンサガの今後にこれからも期待してます。シーユーアゲインSAGA。

 

 

 

 

 

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