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スナックバス江のアニメの感想 作品の批判は手段ではなく目的であるべき

スナックバス江のアニメ、本放送最終回12話まで視聴しました。

 

まず内容の感想を一言で言うなら「お酒を飲みながら視聴すると楽しい」です。何度か本当に飲みながら視聴して、実際それなりに楽しみました。

 

ただこれは逆に言えば「シラフだとつまらない」ということでもあります。このアニメは内容にも内容外の部分にも思うところがあります。でもだからと言ってそれでこのアニメを否定してしまいたくはない、というのもまたありのままの本心です。

 

そういやニコニコでは割と高評価でした。毎週木曜の0時になったら配信されてて、そのあと22時にダンジョン飯が配信されるまでの間だけランキング1位をとれたりしてました。実際2024年冬アニメランキングでは総合で67作品中6位でした。

 

Dアニメとかでも今ちょっと見てみたら総合はともかくコメディ部門で4位だったので「まったく駄目だった」ってことは決してありません。これらの評価が全てではありませんが、世の中には限られた場所での評価すらも得られない凡作が溢れてるので、相対的にはかなりましだったと言えます。

 

 

 

しかし「絶賛できる内容だった」とも言いません。

 

私自身がスナックバス江が特別に好きな漫画だったから視聴したのであって、そうでなかったらみるのやめてたような気もします。でもただ単につまんないだけならさっさと切って、そしてこんな感想ブログもいちいち書く気も起こりませんから。

 

せっかく大好きなスナックバス江がアニメ化されたんだから、良いところも悪いところも曇り無き眼で見極めたいってもんです。

 

 

 

で、まずは気に入らなかったところ。

 

やっぱり改変。ほとんどの改変が余計だったと感じました。

 

原作の面白い部分が削られてつまらないアニオリ要素が追加されるという「原作改変問題」はこの作品に限ったことではなく定番化した概念ですが、この作品はまさにその典型でした。

 

ただ視聴していくうちに慣れて気にならなくなれた部分も多いです。会話が妙に間延びしてるところとか完全に慣れていったし、エンディングのおっさん声優のカラオケもしまいにはちょっと楽しめるようにすらなったし。

 

だからといって「良かった」とまで反転はしませんけどね。カラオケ映像なんかに力入れてどうすんのって思いは消えませんでした。

 

ただし改変の全てが駄目とも言いません。例えばTMNTのトミノ、ハヤオ、アンノ、シンカイの名前が変更になったこととかには私は「しょうがない」と容認的です。まー同時にオリジナルのまま放送できないなら最初からしなきゃいいじゃんとも思うんですけども。

 

あとは明美の巨乳化キャラデザも好みではありませんでした。ただこれは、この作品のスナック店内のセットは完全にCGであり、それだと人物のデザインがデフォルメ体型では背景と調和しなくなるので、リアル等身になったのには納得がいきます。巨乳化はむしろその措置のついでのようなものって感じでした。

 

 

 

そして。内容外の部分にも触れないわけにはいきません。

 

放送開始の頃の芦名みのる監督のXでの舌禍がこの作品にケチをつけたのはどうしても否定できません。原作改変批判する名無し集団に応戦してしまいました。

 

監督の発言のいくつかは「なんでわざわざそんなこと言っちゃうのよ?」ってなもんで、改変のマイナス印象が増幅されてしまう悪手でした。

 

 

ただねえ。

 

ここで私は、見てて、監督を叩く人々のあまりの悪意のほうに、監督や原作改変へのマイナス印象なんかよりも、ずっとひどい悪印象を持ちました。

 

これまた定番化の概念たるネットの「匿名の誹謗中傷」の典型でした。

 

このことが逆に結果的に私自身へのあまりに批判的視点に偏って立脚することの戒めになった面があります。皮肉にも。

 

監督の言動は確かに悪かった。でもそれに執拗に悪意を向ける奴らとは同じになりたくない、と。

 

 

 

じゃあ次は良かったところってどこかというと。

 

そもそも「アニメ化を実現させたこと」自体が非常な成果で、監督の功績に他なりません。そもそもの発案から製作までかなりの部分を彼が手掛けたようです。

 

また豪華な声優をよく招いてたのも監督の手腕じゃないでしょうかね。アニメ監督として役者と良い関係を築けてるっぽい様子も伺えました。

 

水曜どうでしょうやリゼロとのコラボも、それそのものには私はどちらも興味なかったけど、ポジティブな意欲は結構伝わりました。

 

あとついでに高橋李依とヤンジャン作品という点から【推しの子】のネタを一瞬出したり、森田と禪院直哉のネットミームが有名という点から「人の心とかないんか」ネタを出したりしたのも、まー、私個人としては、まー、いいかな。もしこの作品がバズってたのなら良いブースターになってたんだろうなあー。「まっかっかワンちゃん」もね。「なつみSTEP」もね。

 

監督は「シリーズ構成での原作要素取捨選択センス」と「SNSの使い方」以外に関しては多彩な能力がある人なんだと思います。

 

 

今の世の中、一度SNSとかで愛された作品は何やっても肯定的に持ち上げてくれる人が集まり、一度ケチがつけば何やっても徹底的に批判して燃やそうとする人が集まるのは、もう宿命です。

 

この作品はそういう意味では可哀想な面はありました。

 

しかし私自身にとってはそういうのに乗っからずにフラットに視聴できたことは良かったことですし、一部界隈では高評価だったことも「見てる人は見てる」ということを再確認できてそこもちょっと良かったところでした。

 

結局、アルコールの力や様々な雑念が入りつつも「まーまーだった」と思えるアニメでした。

 

 

アニメに限らず何かの作品を鑑賞して「つまらん」「ここは駄目だ」と思ったのなら、それをネットで発言すること自体は大いに結構なことです。

 

しかしそういうこきにこそ、目的と手段を混同せず、誰かを誹謗中傷せず、自分の考えで自分の感想を語ることが大事だと思います。

 

どんな物事もポジティブに見ようとすれば最低限は楽しめるし、叩こうと思って見ればいくらでも粗探しできるんです。

 

 

 

 

 

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