まー結局のところ、私が感じてた雁庵への嫌悪感は今週の話を読んでも消えはしませんでした。
今更「実はいい人かも」みたいなの見せられたって、彼がこれまでの人生で散々やってきた悪事が帳消しになるわけでも無し。
なんの解決にもならないし……いや、解決にはなるかもしれません。
週刊ヤングジャンプ11号 赤坂アカ かぐや様は告らせたい243話 「白銀御行は申し込みたい」
さて今週は要するに、白銀は「雁庵はかぐやに対して父親としての後悔を抱えている」ことを見抜いてそこをついた作戦を実行したわけですが、私としてはやっぱり雁庵がそんな人間だったことに「けっ」と舌打ちしたい気持ちでした。
こういうキャラほんまむかつきます。
それはさておき順を追って感想書いてきます。
雁庵の病室に通された白銀は、まずは彼の病状を聞きます。
脳梗塞による認知症を自覚していると。
彼のその苦しみに関してだけは斟酌に堪えません。
自分の知能や記憶が失われていき、さらにはそれを自覚してるってのは、どれほど怖くて寂しいことか。
昭和の時代には辣腕を振るった怪物も、今はもうただの無力な老人。そこはちょっと切ないです。
で。彼はたまたま今日は調子が良くて頭がはっきりしてて目の前の人物が誰か分かってて事情も把握してるようでラッキーです。
でももう彼は遺書を書き終えてて本当にもう何もできない無力な状態でした。
それはちょうど白銀がこうも簡単に面会ができた説明にもなってますね。
黄光にとってはこの老人はもう厳重に警備する価値も無いってことでした。
しかし白銀は「まだあなたにもできることがある」と言います。
それは婚姻届に判を押すこと。マジかよ。
突然の暴挙に雁庵もつっこむ言葉遣いが妙に若々しくなるのが微妙。
そこに雲鷹登場。いつものまだら模様のスーツで。
そういや彼の髪型ってオールバックなの?
雲鷹はこの婚姻届もかぐやの政略結婚を阻止する現実的な作戦の一つだと看過します。
そういや雲鷹の立場では白銀に味方するのが自分にとって得なんでしょうかね?
なんにせよ、遺書を書き直してもらう作戦も、婚姻届に署名してもらう作戦も、手応えはいまいち。
なぜなら雁庵はそもそもかぐやに政略結婚させることに賛成よりの意見だから。
政略結婚は上級国民の義務。
それはその通りだし、かぐやも前に黄光にそれを指摘されて反論できませんでしたし。
しかしここからが白銀の作戦の本番だったようです。
白銀は雁庵に「かぐやが同意したのは、あんたのためだ」と説きます。
なるほどね。これは見事な作戦だと思いました。
雁庵の良心の呵責をつく見事な作戦。
彼はかぐやに父親らしいことを何もしなかったことに負い目を感じていて、なのにかぐやがお家の意向に従うのは、彼女にとっては「雁庵の娘」としての責務を果たすことが父親との絆だからだ、と。
どうです、あなたの娘はこんなにも健気に、父親失格のあなたのためにも娘の責務を果たそうとしてるんですよ、と。
これは効いたようです。
彼は謎の8桁の数字を唱えます。01300101。それは京都本宅にある金庫の番号。
もしそこから遺書が消えでもしたら、遺産相続は白紙になって、かぐやは自分を守る術を得るかも、と。
これは急展開!
ちょっと熱い展開です。
なので、日本最高セキュリティの金庫の鍵が数字8桁だけなの?とか金庫の番号を知ってるのが認知症の老人一人ってことは無いんじゃない?とかいうのは気にしないことにします。
物語が派手に動くのはいいことだと思います。
そして、その番号は名夜竹の命日とかぐやの誕生日だといいます。
彼はつまるところやっぱり名夜竹とかぐやに(不器用な)愛情を持っていた、というオチでした。
本当に気持ち悪い悪党で不快なキャラです。私こういう奴本当嫌い。
同情誘いたいの?
万の悪事を働いた悪党が最後に一の善行を見せました……みたいなので同情する気は私は全く起きないんですけど、でも世間的にはこういうパターンに同情する人多いんでしょうかね?
私は黄光や雲鷹にはちょっと同情する気持ちがあります。それは彼ら自身も傷つけられた被害者でもあるからで、そして傷つけたのが外ならぬ雁庵で、彼はこの物語では本当に100%の加害者です。
私としては雁庵は安らかに死んだあとは地獄に落ちるのが良いと思います。
ま。このへんは私の個人の趣味嗜好です。今後はこのへんの感想書くの控えようっと。
このへんはしょうがないです。
物語を動かすために雁庵をこういうキャラにせざるを得ないことは理解できます。
さらに言うとこの漫画は初期と現在とでいろいろと苦しい後付け設定が多くなってるので、それでもなんとか強引にでも物語をまとめるのにこういう措置が必要なのも詮無き事です。
私は物語に多少の無理があっても最後が「めでたしめでたし」の形になってくれるのなら、そこはそれでいいと思います。
なのでこの展開の多少の強引さも、雁庵のキャラについても「これはもうしょうがない!」と受け流す所存です。
来週は休載~。