今週は柏木の話がなーんか鼻につきました。
彼女はセレブの特権を享受して生きてるくせに、それと表裏一体にあるセレブの義務や重荷には嘆き「私ってかわいそうでしょ?」と言ってるだけのように見えました。
週刊ヤングジャンプ3号 赤坂アカ かぐや様は告らせたい237話 「石上優は言い出せない」
さて。今週が今年最後のかぐや様かと思ってましたが、来週もヤングジャンプ発売されるしかぐや様は巻頭カラーだそうで。楽しみです。
今週はついにかぐやから白銀へ別れが告げられたわけで、次回でいったん別れるのか?ってなるわけですね。それを年末最終号のカラー回にもってくるとは、盛り上げて引っ張るタイミングを外さないのがお見事です。
そして今後は、二人が再会して再び結ばれるのが大団円ということになるんでしょうか?
それも気になりますが、私が一番気になるのはやっぱり伊井野で、彼女の物語がないがしろになるとはさすがに思いませんが、どういう構成で描かれるのかは全く予想もできなくてハラハラします。
というわけで、前回までの石上と伊井野の濃密な時間はかぐやの一方的な電話によって終わりを告げ、今週は久しぶりに生徒会室の白銀からスタート。
生徒会室は藤原は相変わらず全く来ないようですが、今日は白銀は来てて、伊井野もいます。しっかり石上の隣に。
伊井野はまた生徒会室に来てくれるようになったようで、石上はもう孤独を感じずに済むようになって良かったね。
でも今の石ミコは仮に生徒会室で二人っきりになってももうイチャイチャベタベタはさすがにしないでしょうね。217話では一度してたけど。
今は二人の頭は白かぐへの心配でいっぱいですし。
でもそれも、二人で同じ悩みを共有できるってことだけは、いいことです。
で、火急の課題は「かぐやが秀知院をやめることを白銀に伝えるべきか」。二人は言いづらくて苦悩します。
そこから「そもそもなぜこんなことになったのか」に思いを馳せ、「四宮家は二人を別れさせようとしている?」との推測に至り、自分らは(裕福な子ではあるけど)一般人なのでセレブのことは分からないからと、柏木を呼んで相談することに。
えーとそもそもこの漫画の世界観は、現実の世の中とは少し違い、昭和に日本の大財閥が解体されなかったIF歴史なんでしたっけ?
四宮家は戦前の三菱とか住友みたいな感じのおうちなんでしょうかね???
それらの財閥の大半は結局現実の現在でも大きな企業グループとして健在なわけで、四宮家はそれらよりもさらに、やんごとなきセレブ様、と。
ところで白銀がアメリカに留学するのって来週なの?
本当に留学するの?
(ちなみに飛行機の絵が車輪出しっぱなしで飛んでるのはたぶん離陸直後でこれから格納するところなので何もおかしくないですよ?)
まーそこは置いといて話を戻して、柏木は二人に「四宮家はかぐやを白銀と別れさせて政略結婚に使おうとしている」との見解を示します。
伊井野はそれを聞き「そんな前時代的な」と戸惑いますが、これはちょっとおかしいですね。
財閥が存在するこの漫画の世界観でならそれは前時代的じゃなくてまさに現代でも普通の発想な筈です。
しかしこんなのは些細なことです。
ここからの柏木の話に比べたら。
柏木の話は要約すると「旧家の社交界の結婚観は男性主義で封建制で女は利用されてきた」というもの。
うーん。そうかなあああ。
まず私がひっかかったのは今日のブログ冒頭でも書きましたが、柏木はセレブのおうちのお嬢様で、困窮を何一つ知らず裕福に育ってきてることです。
セレブがセレブになったのはまさに家と家の繋がりで強くなっていったからで、その恩恵は甘受するくせに、家を強くするためのその負担作業は批判するってのは、私は卑怯な考えだと思います。
「家父長制な価値観の社会では女は道具にされてきた」ってのはその通りです。
ただほんの少し昔までは人権どころか命を守ることすら大変だったわけで、その制度は女の身の安全を守ることにもなってたから全否定するのは一面的に過ぎるのですが、現代でも続いてるっつうんなら確かにアレです。
しかしこれも、柏木が極めて裕福な子であることがどうも「それをお前が言うなよ」と思ってしまいます。
どうしても、この漫画の世界観では、だったら「裕福でない女」はもっと苦しい思いをしてるんじゃないのかってつい想像してしまいます。
実際かぐやの実母がそうやって死んでいったまさに実例です。
白銀の母が元の家族を捨て出奔したのもそれに近いことなのかもしれません。
さらに柏木は、その制度に自分も従わされていて、翼と交際を始めたのもそれを見越した打算あってのことだと明かしますが、これにも「結局楽しんでるじゃん」「ちゃっかりうまくやってるくせに」ってついつい思ってしまいます。
結局柏木は「旧家に生まれた女の生き方」をしてるとしても、おいしい思いはしても何一つ苦しんでなどいなくて、なのに運命に翻弄される悲劇のヒロインにでもなりきってるかのような、どうも鼻につく印象でした。今週の話は。
なんだろなー。私はもともとマキに結構同情的で、その視点からすれば柏木はサタンなのですが、でも柏木には罪は無いから彼女を恨むのは筋違いだよなあーと自分を納得させてたのが、それがなんか崩れるような気もしました。
いや、これは分かりません。
時間が経てば印象も変わるかもしれませんし、物語に展開があればまた違う視点が生まれるかもしれません。早計は禁物かな。
あと、今から思うと、こんな柏木が部活でボランティアやってるのも絶妙に微妙。
話を変えて、かぐやのほうはどうだったんでしょうね。
この漫画の初期はかぐやは実に能天気に陽気に白銀と恋愛頭脳戦をして「告白されたら付き合ってもいい」と思ってましたよね。ずっと。
でも、いざ交際が実現してめでたく初セックス達成したら途端になんか坂道を転がるかのように「セレブと貧乏人が付き合うのは無理」っていう展開が押し寄せてきてます。
かぐやは連載初期の頃には「もし会長と付き合えるようになってもすぐ別れることになるでしょう」とか想定はしてたんでしょうか?
そんなことも今週号を読んででちょっと思いました。
それに彼女も「四宮家の威光」を結構ノリノリで振りかざすことが多かったですし。
で。柏木は退室し、そこにいたのは帝。
二人はなにか事情を知ってるそぶりで、今の状態は帝の思い通りなんだと語ります。
ふわあ。
つまり、四条家と四宮家は表向きはバチバチしてるけど、水面下ではかぐやと帝を結婚させて解決しようとか工作してるってこと?
雲鷹や早坂はそのことに気づいてなかったりするん?
帝は最初からそのつもりで転入してきて、自分が結婚する予定の女が他の男と初セックスするしないのリアルトークを友達の顔をして聞いてたん?
(単行本22巻)
???
ラストは場面が変わり屋上。
石上達が出した結論は「かぐやに自分で直接言ってもらう」で、かぐやがそうします。
そして別れを切り出して、つづく。
煽り文が「……。」と無言になっちゃってます。
私もそれと結構同感です。