こないだグランドジャンプに「ここは今から倫理です。」の出張読み切りが載ってました。
実写ドラマ化の告知と一緒に。
前にこの漫画ちょっといいと思って一度感想ブログ書いたときに「実写ドラマ化ありそう」って書いたのが的中しました。イエイ。
作者の雨瀬シオリはドラマ化とか狙ってたでしょうかね?
アニメ化よりドラマ化に向いてそうな作品って感じします。
しかし世の中には漫画の実写化って基本的に歓迎されないというか風当たりがきつい傾向があります。
そういう気持ちは私にも多少はありますが、この傾向が強い人ほど価値観が私とは違うなあーって思うことが多くもなるので微妙なところです。
ただ漫画の実写映画化の場合は、コケて爆死したときに非常にみっともなく見えるからこの傾向に拍車をかけてそうな感じもしてます。
ちなみにあなたは「ひみつのアッコちゃん」と「ガッチャマン」が実写映画化されたことをご存じでしょうか。主演綾瀬はるか、松坂桃李の。
爆死したことが話題にもならずそもそも映画化されたことすら忘れられる真の爆死というものがこの世にはあります。
自分の好きな漫画がもしそんな事例に並べられたらたまったもんじゃありません。
敬遠してしまうのも無理からぬ心理ってもんです。
ただ実写化は実は「爆死率」「クソ化率」はそんなに高くありません。
大ヒットしたもの、及第点なもの、赤字にならずに済んだもの、のほうが大部分を占めてると思います。
爆死した場合の悲惨さが目立つからそう印象付けやれやすいんでしょうね。
「るろうに剣心」「銀魂」は言わずもがな「今日から俺は!」や「かぐや様は告らせたい」とか好調だったらしいです。
また実写化を極端に嫌う人にクレーマー気質や原作原理主義者が少なからずいることも、「「実写化はクソ!」は偏見である」ことを自ら露呈してる感じもありますし。
さて翻って「ここ倫」のドラマ化についてですが、実は私はドラマについては全くの無知で、何がどうなればヒット/爆死なのか基準が全然分かりません。
そういえば同じグランドジャンプ作品で「ラジエーションハウス」がドラマ化されましたが、あれもヒットしたのかコケたのかも知りません。どうだったんだろ?
今ぐぐってみたら視聴率的には良かった???
実写ドラマ化もそう悲観的になるもんじゃないのかもしれません。
ましてやNHKの「よるドラ」枠ですし。
全8回だそうで。
公式サイトのキャスト欄みたら、「逢沢いち子」いますね。第1話のバカのヤリマン生徒。
第1話とかどうなるんでしょうね。セックスシーンをまさかそのまま放送するわけはないとしても。戦々恐々。
さて。実写化の脱線話はこのへんにして、漫画の本編についての感想です。
以前感想ブログを書いてからも話は進んで、初期のクラスは卒業しちゃって新しい生徒に代替わりしちゃいましたが、これはむしろ「続編」って感じがして、この漫画が順調な指標かと思いました。何よりです。
そういえば上でちょっと書いた逢沢は卒業の時までも本当に頭が悪いままでした。
高柳が教えたかったことの本質を逢沢は結局何も学んでなかったって感じがして、虚無感半端ない第一期の終わりでした……。
で、第二期の新しいクラス。
またまた変な生徒が目白押しです。
これはどうやら、この舞台が極端に頭の悪い高校というわけでもないようで、この学校では選択授業で倫理を選ぶとかなり楽らしくて、それ目当てに選んでくる生徒には自然とバカなのや変なのが集まりやすいようです。あと生きるのが苦しそうなの。
むしろそこが、この漫画的に「だからこそ、そういうバカで変で苦しそうな若者を描くんだ」って気概を感じます。
高柳のほうにも、そういう生徒こそに、授業の内外問わず倫理を教えることを、なんか、自分の生きる原動力にしてそうな感じもします。
このへんのドラマが各編いつもなかなか読み応えがある漫画です。
で、今回グランドジャンプに載ってた特別編「きれいな人」。
この話は高柳を入れて主に4人の登場人物で描かれていましたが、私は今回は読んでて4人の誰にも共感が湧きませんでした。
ジェンダーとルッキズムについての話で、ルッキズムについては良かったのですが。
私は日本でジェンダーなんたらを強く主張する人には不信感を持ってます。
ちゃんとしてる人もいるのでしょうが、男女を平等にすることとただ男叩きすることを混同してて、やたら感情的で攻撃的で、やることが「宇崎ちゃん」や「お母さん食堂」とかにクレームつけるだけの人がどうしても悪目立ちします。
今回の高柳の見解はそういう人が唱える上辺だけ立派な題目をただなぞってるだけに見えました。
六本が、女子にズボンの制服を許可するよう署名を集めることも、中途半端だなあーと思いました。
制服自体を廃止すればいいのに。
スカートだろうがネクタイだろうが、制服そのものの義務を廃止すれば六本も沖津も救われるし、義務を廃止した上でも制服で通いたい生徒は自分の好きな制服を選んで毎日着てくればいいんです。
まーガチガチの制服制度を変えるには段階的に進めたほうがやりやすいって面はあるでしょうから、おかしくはないのかも。
それと六本の「お前みたいな男がいるから!女が行き辛くなるんだろうがよお!」にも、「男こそ加害者、女こそ被害者」ってレッテルの意識を感じました。
(まさに絵に描いたような女性差別者・鳥岡)
でも、これは、今後作者雨瀬は「女の加害者」「お前みたいな女がいるから!」の話も執筆するかもしれないので、一方的だとか思うのはまだ保留です。
それに何やら、六本には「自分は処女ではない=男にろくでもないことされた経験がある」っぽそうな描写もあって、複雑そうではあります。
とまー、今回の特別編には私は登場人物の言動に共感しなかったのですが、でも私はこの漫画はそれでいいと思ってます。
過去の話にも高柳達の見解に賛同できなかったことはありましたし。
でもそれでいて私は高柳の教師としての人としての生きる姿勢は素晴らしいと思ってます。
もし私が高柳の生徒で、面と向かって異論を吹っ掛けたとしたら、彼は喜んで私ととことん話してくれそうな気がします。
もしそうなったら私のほうがハッと思わされたりもするかもね。
そんな風に思わせてくれる、「自分が高校生のときにこんな教師がいてくれたらな」と思わせてくれる、いい漫画だと思ってます。
あと余談。
この漫画今なんの雑誌に連載されてるんでしたっけ?
「グランドジャンプむちゃ」?「グランドジャンプめちゃ」?
どっちも増刊号の名前ですが、このネーミングはどうかと思います。何より分かりにくい。
さらに余談。
以前雨瀬がヤングジャンプに描いた読み切り「神のカベイラ」も良かったことを、ここについでに書いておきます。
シンドーとトビアスの絆が熱いです。この漫画は私は二人ともに共感が湧きました。
読み切りどんどん描いて欲しいなあー。