約束のネバーランド、様々なことに決着がついてきて、クライマックスが近いことを感じさせます。
先日「決着をつけないといけないこと」の一つ、ママことイザベラがついに再登場し、予想通り「グランマ」になってました。
彼女がグランマになった経緯も明かされて、私はそれには「なーんだ」と落胆したのですが、でもそこから「だからこそ」の面白さもあると同時に感じました。
白井カイウ 出水ぽすか 約束のネバーランド
えーまず何に落胆したかというと、私がイザベラに期待してたのは「自力でグランマになっててほしかった」ってことでした。
かつて、GF農場で特上の食用児を逃がしてしまい、とんでもない大損害を出してしまったイザベラ。
普通に考えて処刑ものの大失態。
イザベラには、その絶体絶命の大ピンチから、自分自身の知恵や策略や生きようとする意志で以って、処刑を覆させ、ママに返り咲いて、さらにグランマにのし上がる……っていうのをやってほしかったです。
ノーマンがそうしたように。
ノーマンはラムダに出荷されても、そこで反旗を翻し反乱軍のボスにのし上がったので、イザベラにもそういうの期待してました。
しかし実際のところ、彼女は農園からエマを逃した後はただ死のうとしてただけでした。
そして生き延びたのは彼女の意志でなく上が勝手に当時のグランマよりもイザベラのほうが利用価値があると思ったからってだけ。
そして「上」であるピーター・ラートリーの口先だけの甘い言葉に(それに気づいてても)乗せられて、グランマを受け入れてしまいました。
なーんだ。
結局のところイザベラは負け犬だと思います。
お前はもうちょっと強い女だと思ってたよ!
もしかしたらひょっとしたら、今の彼女はピーターの手下になりつつも、心中では何らかの強い意志を秘めている……とかの可能性も無いとは言えませんが、彼女がグランマになった経緯がなんかしょぼいことには変わりないです。
もしかして作者側の都合で彼女の物語は省略されてこういう形になったのかなあー?
エマ達を逃がした後のイザベラの物語を描くことにじっくりとページと月日を費やすことができないからこういう形になったとか?
なんか私は日頃から、この作品は、無駄が無さ過ぎというか駆け足というか「このへんはもうちょっと引き延ばしてじっくり描けばいいのに」って感じるところにページを割くことをしないなあーってよく感じます。
本当に引き延ばしが無い作品だなあーと。
いや実は猟場編にはちょっと感じたんですが、あのあたりはレウウィス大公とかがすごくいい敵キャラだったので、キャラの良さで作品の質が保たれてたと思います。
そういえばレグラヴァリマ女王やギーラン卿もいいキャラでした……。
この作品の鬼達って初期の頃は絵にも話にも特に何も感じなかったのに、今は鬼のキャラにもめっちゃ個性とか魅力とか感じます。
話を戻してグランマイザベラです。
私から見たら、何かに屈して自分の意志で生きることも死ぬこともできなくなった、ピーターの手下の負け犬って感じなのですが、でも私はそんなイザベラにもまたなんか別の面白さというか魅力もあると思うようになってます。今。
いや本当マジで、エマ達が脱走した後いろんな人と出会って戦ってた間に、イザベラは農園で子どもたちを育てて殺す仕事をまた延々と続けてたってわけで、一体そんな心境でそんな仕事してたのかもう想像もつきません。
しかもかつて逃して捕まった農園のナットやアンナたちと今再会し、薄ら笑いで「あなた達の処理を開始します」とか言ってて。
かつて自分が運命に逆らえなかったのに反してエマ達が見事に運命に反逆してそして見事に脱走に成功したのを目の当たりにしても、結局彼女の心は何も変わらなかったのか???
そこが恐ろしくて面白いです。一体どういう心境でこんなことやってるのか。
このへんのイザベラのとてつもない心の闇を今後見せてくれるのをすごい期待しています。
ページを割いてじっくりやってほしい!
そして私はイザベラは、どんな結末になるにせよ最後は死ぬだろうと予想してるんですが、どんな死に方をするのかも興味津々です。
まさかレイが射殺するとか、あったりするかな。
さすがに少年ジャンプで息子が実の母親を殺すなんて超ハード展開は無いか。いやあるか。いや無いか。
あ、そもそもイザベラも死なずに生き延びて完結するのかな。
どんな決着がつくのか楽しみです。いろんな意味で!