いよいよ佳境!でしょうか?
でも問題はまだまだ山積してて、私は今後は、食用児と鬼の世界の問題はエマの望むようになりそうだとは思ってるけど、エマ、レイ、ノーマンの三人はどうにかなってしまうな予感で心配です。
白井カイウ 出水ぽすか 約束のネバーランド
まずノーマン。もうマジで死にそうです。
漫画のセオリー的にも「これから死ぬキャラ」フラグを感じまくりです。
主人公エマの極力平和的に解決したい博愛主義に対して「敵を皆殺しにする」「自分の手を汚す」という主義のキャラです。
それはつまり普通なら、最後の最後には自分は間違っていたと思い直し「エマの正しさを浮き彫りにする役」なのですが、ノーマンの信念は筋金入りでちょっとやそっとのことでは覆らなさそうで、じゃあちょっとやそっとでないことと言えば何かっつうとやっぱり死が思い浮かぶわけです。
それどころかノーマンは死んでも、死ぬ間際にも自分の信念を決して曲げなさそうにも見えます。
さらに現実的にも、彼にもラムダの発作が起きてて命がもう長くないことが判明してしまいました。
ノーマンがエマ達と生きてハッピーエンドになるためには、王都での敵皆殺し作戦を阻止し彼を考え直させて、命も何らかの方法で救わなきゃいけないという超高難度条件が必要です。
達成できんの……?
私この漫画ではノーマンに一番感情移入してて、なんか、彼には生きてほしいというより、信念を貫き通してほしいって気持ちのほうが強いです。
そしてエマ。そういえば私自身は彼女の主義って同意できません。
ひねくれた見方をすればただ自分の手を汚したくないだけです。
いまだに私はユウゴとルーカスがアンドリュー隊と相打ちになって死んだのはエマたちの理想のせいだと思ってたりしてます。
あのときエマは「戦おう=敵を殺そう=自分の手を汚そう」と決意していればオジサンたちは死なずに済んでたのに。
レウウィス大公は射殺したのにアンドリューはしなかったのは、結局エマの(この世界の)中で人と鬼は別ものだからです。
それに今だって「戦争を(ノーマンを)止めよう」と頑張ってますが、すでに王都の鬼の一般人に犠牲者は出てるし、彼女の理想はいつも本当の意味では達成できてません。
その反面エマは自分自身がリスクやダメージを背負うことは全く躊躇しません。
片耳切り落としたり、七つの壁に突入したり、そして鬼の神「■■■」との約束のために、なんらかの代償を払うことになったり。
この作品ではラートリーの「大勢の人間のために少数の人間を犠牲にして安寧を保つ」思想やノーマンの「鬼を皆殺しにする」思想を「自分達のために他の何かを切り捨てる」ことだと否定的なニュアンスで描かれますが、エマの思想も「自分を切り捨てる」わけで、結局みんな何かを切り捨ててるんじゃんって思ってます。
非現実的な理想主義者だなあと。まるでジャンプ漫画の主人公です。
ただ、人間と鬼は恨みとか怒りとかを抜きにすればただの捕食被食関係なので、それさえ解決できればそれに越したことはないというのは理解できます。
そんなエマは最後どうなってしまうのか、もう想像もつきません。
最後にレイ、彼は、物語がノーマンとエマの二人に焦点が突出してしまって今はエマの補佐ってだけになっちゃっててちょっと陰が薄くなってる感はあります。
ただ、レイって、ママ……イザベラとの因縁が私の中でいまだに強烈なインパクトで残ってて、そこはいつも頭の片隅にあって、その決着がまだ全然ついてないことが非常に気になってます。
イザベラって今生きてるんでしょうか?
それにイザベラが所属するママの組織のボスのグランマだって作中まだまともな登場シーンがなくて、彼女の素顔とか思いとかもはっきりしてません。
今は鬼側の王家とのバトルに物語が集中していますが、こっちも絶対に対峙しなきゃいけない問題ですよね。
レイはこの問題に対しどうするのか、不安でもあり、でもここはすごく楽しみでもあります。
三人にはそれぞれまだ厳しい試練が待ち受けてます!
でも、この作品にはものすごいバランスブレイカーでジョーカーでなんか鬼の神「■■■」よりもすごい力があるんじゃないかってキャラがいます。
ムジカ。
邪血の少女と言う彼女の設定はあまりに便利過ぎて、ノーマン達のラムダの発作すら治せてしまうんじゃないかって気もします。
ムジカならなんとかしてくれる!のか?
つうかムジカはとっても優しくて協力的なんですけど、それが真意かどうか怪しいと思う……のは私の見方がひねくれすぎでしょうか?
はたして戦争は止められるのか?
つうかそもそも止めるべきなのか。私だけじゃなく読者の多くはヴィンセント達幹部やギーラン卿にもなんか同情的だったりしませんかね?
シスロやバーバラの「ノーマンや子どもたちの役に立って死にたい」って決意は悲壮で泣かせます。
ギーランも実は最初は清廉であったことが判明して、彼らの怨念や狂奔にもつい斟酌の気持ちが湧きます。
そして、鬼の王家がかなり薄汚かったことが最近判明しました。
なんか榊原良子が声優やりそうなキャラ、女王レグラヴァリマ。かなり悪どくて、そして強い。
レウウィスの姉だそうで、戦闘力は彼以上なのでしょう。
バトル(戦争)はここからが本番。ギーランが多少消耗させた(面も割った!)女王にザジが挑みます。
うーん、血で血を洗ってます!
エマとレイはここに割って入って何ができるのか。
完結は近いようでまだ遠く感じますが、どうなんでしょうね。
ずっと読んでいたいけど、決着をきっちりつけたところを早く見たくもあります。