新潮新書 橘玲 「言ってはいけない 残酷すぎる真実」と「もっと言ってはいけない」って本読みました。
有名な本かと思います。
一つ目を読んだのはずいぶん前ですが続編を最近読みました。
この世の綺麗事を「それは違うよ」「違うという科学的根拠があるよ」っていろいろ紹介する本でした。
この本を読んで初めて知ったこととか、日頃漠然と思ってたことを科学的根拠で以って説明してくれることとかがあって感心しました。
つうかこの橘玲って人、最近妙に名前を見聞きします。
なんか「売れっ子作家」って印象です。
私は「言ってはいけない」が新書売り上げランキング1位とかになってるのを見て初めてこの人を知りました。
その後「もっと言ってはいけない」の他にも「朝日ぎらい」って本とか、あとつい最近も「上級国民/下級国民」って本を出してて、ヤフーとかはてブとかによく出てるのを見かけました。
「上級」は、書店で目次と冒頭数ページをパラ見した限りでは、やっぱりあの高齢者ドライバー飯塚の事件をきっかけに書かれてるようで、世の中が上級と下級にはっきり格差が広がった状態になったことを分析してる感じでした。いつか読みたいです。
で、話を戻して「言っては」と「もっと」です。
「言っては」を発売した後に世の中ではやっぱりいろいろと賛否両論の喧々囂々になったみたいで、その反応を踏まえて「もっと」が書かれています。
「言っては」では、見も蓋もない言い方をすれば「バカな親からはバカな子が生まれやすい」などなどのことがいろんな参考資料を元に解説されてるのですが、それが気に入らない人というのも世の中には少なからずいて当然その人らは反発します。
でもその人らの反発の仕方が、まー、なんつうか、つまり、バカなのが多いわけです。
で、それを受けて書かれた「もっと」のプロローグが「日本語の読めない大人たち」なんだから皮肉が効いてるなあーと笑いました。
確かにその人らの反発の仕方は日本語が通じてない感じがものすごい。
「バカな親から利口な子が生まれることだってある」とただ例外を挙げるだけとか。
「この本は自分に都合のいい根拠をピックアップしてるだけだ」という主張を、都合の悪い根拠を示さずに語るとか。
その人達の存在が図らずとも作者橘の説の信憑性を上げてしまっているという。
それがこの二冊に関して一番面白かったことでした。
ただ、博識な人がしっかり筋の通った理屈でこの本を酷評してるレビューもちゃんとありました。
この本を全て鵜呑みにはしないものの、大いに勉強になる本でした。いろんな意味で。