「サピエンス全史 上下 ユヴァル・ノア・ハラリ著 河出書房新社」
上下巻の2冊をちょっとずつ1ヶ月以上かけて読みました。
こういう本を読むとなんか自分が賢くなった気になれます。
有名なベストセラー本です。
そのへんの本屋にもずっと平積みされてます。
市内の図書館に行ったらたまたま上巻が並んでるのを見かけてちょうどなんか読みたかった気分なので軽い気持ちで借りました。
下巻もあったけど、こういう本…外国人の著者で字が多くて難しそうな本って私は読むのすごく時間かかるからその日は上巻だけ借りてきました。
上巻を読み終わったら「これすごいわー」と感嘆して、次に下巻を読むときに上巻もまだ手元に置きながら読みたいと思って図書館で延長申し込んだら、すでに他の人が予約してたので無理でした。
人気あるんでしょうかね、やっぱり。
仕方なく下巻は下巻だけで読みましたが。
上巻の冒頭に大まかな人類の年表が乗っていて、それにそって人類の250万年の歴史を解説する本でした。
読んだ感想は「ホモサピエンスはとんでもない種族」の一言です。
ホモサピは誕生してから10万年間くらいはずーっとせいぜい石器を作るくらいの原始人をやってたのに、認知革命という脳みその進化が起きてからは加速度的に地球を大暴れしました、って物語でした。
ホモ属の原始人は昔はホモサピ以外にもネアンデルタール人やホモエレクトスとかいろいろいたのにホモサピ以外はみーんな絶滅しました。たぶん滅ぼされて。
その後もアメリカ大陸やオーストラリア大陸では大型哺乳類を大量に絶滅させて、中世では宗教戦争でホモサピ同士で殺しあって、産業革命が起きたら黒人とかを奴隷にして、今の資本主義社会では家畜の牛や豚や鶏とかをかなりえぐい感じで飼育しては殺しまくって食べまくって生きています。我々ホモサピは。
ホモサピはろくでもない種族で、滅びたほうが地球の他の動植物のためかもしれません!
めっちゃ罪深く感じてなんか謝りたくなります。誰に向けてかはよくわかりません。
下巻の後半は現代の話になって、ホモサピはいずれエネルギー問題も解決して、医学や遺伝子工学のおかげで非死(不死ではない)(老衰はしなくても事故死とかはする)になってほぼ永遠に長生きになっていくだろうと語ってます。
いや、まー、なんかそんな風になっていくそうな気はしてたけど、マジかーって思いました。
現代では、核戦争や世界大戦レベルの大戦争は、やるメリットがどんどん少なくなって、デメリットばかり増えていくので、そうなる可能性は低いみたいな感じのことも書いてましたが、これはあんまりそんな気はしないです。
ひたすら途方に暮れる本でした。
あと、私この本を寝る前にふとんで横になりながら読んだので、せっかくすごいことがたくさん書いてるのを読んでも、読んだ瞬間は「すごい」と思っても、基本難しいし眠いからほとんど頭を素通りしてると思います。
でも「難しい本を読み終えたぞー」って気分にはなれるので、まーいいかって思います。
作者はもうすごい物知りで、各章ではいろんな豆知識も聞かせてくれます。
人類で記録に残ってる一番古い名前の人は、紀元前3000年ごろのクシムさんっていう人だそうです。
大麦の収穫の記録を残した石版に残ったその名前、クシムさんは行政書士だったとか。
こういうのがいくつもあって「なるほどー」と面白く読めました。
あとは、ホモサピがなぜ甘いものを食べ過ぎてしまうかという話もありました。
昔狩猟採取生活の原始人だったころは、偶然熟れたイチジクの実とかを見つけたときは、「その場で食べられるだけ食べる」が生きるための正解だったからです。
そういう生活を10万年以上やってたので、農業生活になってもたかが1万年くらいなので、まだまだ原始人のころの本能が抜けないからです。
あー、そういえば別の本では、ホモサピが浮気をするのも、狩猟採取生活時代の数十人の共同体で一生を暮らす社会ではいろんな異性とセックスしまくるほうが正解だからそのころの本能だってありました。
我々は今の時代とんでもないテクノロジーで超人類「改造ホモサピ」になろうとしてるのに、根っこのほうではいまだに原始人なのかもしれません。