ラーメン四天王編がこたび完結とあいなったので記念に、四天王を勝手に格付けしてみようと思います。
神保町のマシマシママ>渋谷のサンちゃん>巣鴨の仙人>高円寺のJ鈴木。
一番格があるのはママ、逆にJ鈴木は最下位だと思います。彼は花火編とかで活躍した功績もあるんですが。
週刊ヤングジャンプ35号 赤坂アカ かぐや様は告らせたい261話 「藤原千花は超超超超食べたい」
そもそもラーメン四天王とは何か。どうやら都内のおいしいラーメン店を発掘し、ラーメンのおいしい食べ方を探求し、時にSNS、時に昭和のバラエティ、時に大食い大会などなどエンタメとも絡め、ラーメンの素晴らしさを啓蒙しようとする人々「ラーメン通」界隈全体の、頂点に評価されてる4人、と言ったところのようです。
彼らはラーメンを作るとか店を経営するとか「喰わせる側」とはならず、ただ情報に踊らされるだけの「喰われる側」にもならず、常に「喰う側」の人間。と。
そんな4人の中で、人格、愛、ラーメンへの姿勢、読んでて素晴らしいと思えたのはマシマシママでした。
女性客を虐めて太らせようとするJ系店主を諫め、誰もがおいしくラーメンをいただけることの喜びを蘇らせていました。
「大食い」というエンタメには食べ物へのリスペクトが無いという批判がつきまといますが、それすらも彼女にとっては「私は私の生きたいように生きる」という信念への原動力だったのかもしれません。
そんな彼女と実は昔は恋仲だったというのが、渋谷のサンちゃん。
二人はラーメンへのこだわりが全く方向性が違うので、別れざるをえなかったという。
それは量と質だけでなく、優しさと厳しさという面でもそうだったんじゃないかと思います。
サンちゃんは初めて藤原と遭遇した時には、彼女のラーメンの食べ方を随分と嘲笑っていましたし、またラーメンではありませんでしたが文化祭でかぐやのコーヒーの淹れ方に辛辣な駄目出ししたこともありました。厳しい人です。
しかし彼は藤原の食べ方に決して何か物言いするようなことはせず黙って見守り、逆にかぐやが特級品のコーヒー豆を雑に扱ったことに対しては直接指摘してて、私には彼は他人に干渉すべき時とすべきでない時の見極めがしっかりできる人という印象もあります。
巣鴨の仙人はもう引退した過去の人だそうで。
過去にどんな栄光があったかは具体的には不明。
ただそれでも現役で四天王に在位してるってことは、過去の栄光のみならず、現在での活動も評価されてるのでしょう。
しかし藤原と一緒に激辛ラーメンを食べたときには、どんな栄光があろうと何も関係ありませんでした。
そのとき藤原はアイスの油脂でカプサイシンを中和するという邪道で完食しましたが、仙人は意地だけで完食したのが見事でした。あと死ななかったのも。
最後に今週のJ鈴木。なんか、いいところが特に無かったように見えます。
今週、藤原とラーメン屋で偶然同席したのはサンちゃんと同じ状況でしたが、一方的に絡んできて他人の食べ方を言葉に出して批判したりして、サンちゃんとは大違いです。
彼はつけ麺のおいしい食べ方の創意工夫などなどを披露するのですが、それ以前のレベルでラーメンを愛する人としての格が、サンちゃんよりもずっと落ちると思いました。
他人の食事にとやかくケチをつける奴はカスです。
はっきり言って藤原のほうがまだ上です。
彼女はラーメン四天王回で様々な艱難辛苦に見舞われましたが、「おいしく食べる」ということだけは完璧に貫き通しました。
これだけは本当に、藤原は素晴らしかったと、掛け値なしに賞賛できることでした。(彼女の普段の行いは別として)
J鈴木は「ラーメンとは自由」と言うのとは裏腹に、自分の思う自由に他人を当てはめて貶める型にはまった矛盾に陥ってる哀れな男だった、という印象です。
しかし藤原も藤原で、界隈での有名人になって妙に騒がれてもお構い無しで、結局ラーメンに対して特に思い入れは無いという切ない完結となりました。ラーメン四天王編。
なあ大将、今日のラーメンは妙に塩辛いな。
お客さん、それはあんたの涙ですよ。
ま。この漫画においてラーメン四天王は本当におふざけです。
私は今のこの漫画に少なからぬ落胆があり、こういうおふざけを純粋に楽しめる心境というわけではないですが、こうやって完結したことはいいことじゃないかって気がします。
最終回カウントダウンが始まって、「ラーメン回あるのかな」ときっと多くの読者が思い、その期待に応えてくれた満足感もあるのでは。
ですがそれと同時に、限られた話数内で「もっと他に描いて欲しいと思うもの」もあり、これまで作中で明かされてないあれやこれは完結までにどうなるのかも、やっぱり気になってもいます。
完結まであと何話でしたっけ。