やっぱり石上のホームステイはおかしい。私は物語として全く理解してないです。
週刊ヤングジャンプ34号 赤坂アカ かぐや様は告らせたい260話 「日常(3)」
前々回の258話で石上は急に、本当に何の脈絡も無く唐突に、夏休みスイスにホームステイに行くことを打ち明けました。
それを読んだときには、もしかしたら彼の嘘かもしれないと思ったのですが、今週号を見る限り本当に行ってるようです。
私は彼が急にHSを志した気持ちが全くさっぱり理解できません。
それを伊井野に事前に伝えなかった心情も。
馴染みの無い国へ夏休みにHSに行くってのはかなりの一大決心が必要なことですが、これまでの石上にそういう決意を固めた様子が一つも無かったところも非常に得心を妨げてます。
HSなんてかなり前から計画しないと無理でしょうし、「急に思い立って異常な行動力で特急で強行した」って線は石上の人物像からは程遠いですし。
なのに石上はその筈の時期に何をしてたかというと、生徒会室で一人で子安と伊井野のことを考えて悶々としたり、伊井野ストーカー疑惑で彼女と急接近して「ワンチャン」に心をかき乱されたりしてただけ。
その直後にかぐやの四宮家騒動が起こり、それが解決したら急に言い出したってだけ。
私は本当に本当に「なぜ急にHSしたいと思ったのか」「なぜスイスなのか」「なぜ事前に伊井野達に報連相しなかったのか」「女が欲しくて悶々としてるくせに、なぜ貴重な夏休みをHSに使おうとするのか」「なぜHS先でもゲームしたがるのか」何一つ咀嚼できずにいます。
いくらなんでも説明しなさ過ぎです。
漫画で何もかもを説明しろだなんて思ってません。後付け設定も何も悪くありません。
例えば今週の話で言えば、伊井野はギガ子や不知火と既にゲーム友達になってましたが、その過程は本編で描かれてません。
これはじゅうぶんに過程の想像ができます。伊井野がエペの特訓して石上と不知火のゲーム談義に参加できるようになった描写があったので、そこから繋がって連想できます。
でも石上のHSは、どこからもどこへも繋がってません!!!
同じ唐突案件たる「かぐやの写真家の夢」のほうがまだ、ガラケーとスマホの写真の思い出があっただけ、これに比べたら繋がってると言えるほどです。
なんとか無理に脳内補完をひねり出そうとするならば、「石上は白銀が留学するのを見て触発された」って解釈が頭に浮かびはするのですが、それだって、石上がそう思ってそうなコマ一つくらいは事前に無いとやっぱり無理です。
漫画のキャラの言動や気持ちは全部必ず分からなくちゃいけない、なんてことは決してありませんが、今回の石上が伊井野をほっぽってHSに行った気持ちが全然分からないことは、私はめちゃくちゃ不満です。
私は前話の感想ブログでも「土台が無い」とか同じようなこと書いたのですが今週はそれ以上でした。
石上のHSの夢もまたかぐやの写真と同じように「語りたい」のほうで後から補完されるんでしょうかねえええ。
今週の話自体は、伊井野が勇気を出して石上とまた一歩近づけた、という、本来ならばいい感じの話なのですが、私には土台が著しく狂ってるとしか見えなくて、ラストページのせっかくの伊井野の素敵な笑顔も素直に堪能できませんでした。血涙ものです。
素直に楽しめない私の心がひねくれてるのかどうかは、例によって自分自身では分かりませんし知りません。
他に今週の話でちょっと気になったところは、ギガ子なのかテラ子なのかよく分からないところと、伊井野が不知火を衣ちゃんと呼んでて「不知火の名前は漢字の衣でいいの?」ってところと、彼女が石上を石上と呼んでて「ゆーちんじゃなくなったの?」ってところ。槇原のEQは……まーいいや。
強いて良かったところを挙げると、マイクラ(WINECRAFT)の伊井野のキャラのスキンがなぜか彼女の心と連動して表情を変えてたところ。彼女の悲しい気持ちがより悲しそうに見える演出でした。
最後にゲームというものについて。今週ギガ子が語った持論「ゲームは人と繋がれる最高のツール」は確かにその通りではあるのですが、でもこれは結局「刃物は正しく使えば便利」みたいなのと同じで、良くない使い方をすると不幸が生まれ、時代が進化するにつれ不幸も深刻化してることは忘れてはいけないと思います。現に彼女も留年したわけですし。
学業や本業がおろそかになったり、依存症になったり、漫画アニメゲーム以外の世界に全く無知な人間になったりとか、非常にやばいです。
これは自戒の念を込めて言いますが、そういうの楽しむのはほどほどにして、他の世界にも目を向けることが大切です。
学生なら例えば……今はコロナで難しいですが、ホームステイに挑戦してみるとかね。