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【推しの子】感想 「アビ子先生は痛い人なのか」問題

ヤングジャンプ 赤坂アカ&横槍メンゴ【推しの子】の39話から49話まで読んだ感想書きます。

 

このへんは何と言ってもアビ子先生問題です。

 

一通りの決着がついてから感想ブログ書こうと思ってずっと待ってました。

 

結論を先に言うと読んでて私は、アビ子は何も悪くなくてむしろ一番の元凶は雷田だと思いました。

 

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髪の毛が白黒な男が雷田です。私は彼にイラっときました。

 

 

 

とその前に、39話が面白かったのでその感想を今更でも書きたいです。

 

B小町の初舞台を見て、他のアイドルが引退を決意してしまうという。

 

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鈴城まなというAKB系だかの一人のアイドルが、B小町のルビーを見て心が折れてしまう話でした。

 

笑ったのは彼女は17歳でデビューし今24歳だというところでした。MEMより年下なんじゃん!

 

彼女は賞味期限という言葉を使い、それで言うならMEMは切れてからのデビューです。

 

はたして賞味期限は単純な年齢なのか、それとも経年で飽きられる相対的なものなのか、どうなんだどうすんだMEM!?

 

 

ところでこの39話を感想書くために今改めて読み返したら、ふと「ルックバック」を連想しました。

 

チェンソーマン」の藤本タツキが無料で公開した超大作読み切りルックバック。才能ある人がより才能ある人に打ちのめされる話。

 

世の中の全ての漫画家にとっては若い天才漫画家から「あんたの漫画はどうなんだ?」と直接問われるような作品だったらしく、マジで多くの漫画家が衝撃を受けてました。

 

この【推しの子】の作者の一人横槍メンゴも普段からチェンソーマンや藤本タツキのファンだと公言してる人で、↑のまとめの中にもツイが一つ収録されててちょっと面白かったです。

 

そういやアビ子のキャラデザがなんか藤本タツキの画風の影響受けてそうな気がしないでもないでした。

 

 

 

 とま39話や脱線話はこのへんにして、40話以降の作中の人気漫画「東京ブレイド」の実写舞台化の脚本に関するエピソードです!

 

いろんな意味で読み応えある話でした。

 

 

まず架空の漫画のタイトルが東京ブレイドってのがいかにも「ありそう~」って思わせてくれます。

 

東京グール東京卍リベンジャーズ東京バビロン東京ゾンビ。みたいな。

 

 

そして「漫画の実写化の原作改変問題」という題材自体が作者の一人赤坂アカの「かぐや様は告らせたい」を連想せずにいられません。

 

平野紫耀主演のかぐや様の実写映画は原作とはかなり別物です。その是非については私は意見を持ちませんが、それを批判材料にして「漫画の実写化はクソ!」と叫ぶ人は確かにいます。まーどの実写化にもいます。

 

なんかその人らを喜ばせそうな話である印象は、やっぱり強いです。

 

「ほら、作者がこんな漫画描いたってことは、作者もかぐや様の実写にキレてるんだよ」とかいう感じで。

 

この漫画は相変わらず変な界隈を刺激しそうな際どいところをついてきます。

 

ちなみに作者はもちろん「そうは思ってない」と明言してます。

 

例えばこういうインタビュー記事とかで。

 

ま。叫ぶ人はそれでも「これは作者が表面上そう言わざるをえないだけで内心はキレてて、漫画はその深層を描いてるんだ」と言うでしょうけどね。内心を読むエスパーと化して。

 

私にとってはそのへんはどうでもいいです。ただこの問題を漫画に出したこと自体が面白かったです。

 

 

さて。この漫画でのこれはどんな感じだったかと言うと。

 

 

まずはかな主演の「今日は甘口で」の実写ドラマがその最悪パターンだったことが前提にあります。

 

「今日あま」の原作者吉祥寺頼子先生もかなり失望してた様子が描かれていました。

 

しかしかなとアクアの好演に少しだけ救われたことと、自分が強く意見できなかったことと、そしてそれを「妥協や人との協調が大事」とか言い訳して、それこそ自分自身に妥協してるフシが強く見える人でした。

 

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そのくせ今日あま爆死の元凶だった鳴嶋メルトには塩対応するあたりに、自分の中で妥協と怒りの折り合いがつけれてない印象が目立ちました。

 

 かたや今回の「東ブレ」の鮫島アビ子先生は全く違うスタンス。

 

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 脚本家GOAが仕上げた内容が原作者としてまるで納得いかず、全面的な却下の権限を振りかざし現場を大混乱させます。

 

彼女のその不満や怒りの仕方を、アクアや吉祥地達周囲の人間は「アビ子は精神が幼稚で人とのコミュニケーションができない」からと評します。

 

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ひいてはこの漫画の作者二人がそんな彼女を困ったちゃんなキャラとしてかなり強めに描いてます。奇癖やコミュ障を見せて。

 

 

私はそういうのを読んでてむしろ、作者も登場人物も意図的にアビ子を痛い人ってポジションに貶めてるような作為を強く感じてしまい、逆に彼女の心情や立場のほうに感情移入してしまいました。

 

そういう感覚で読んでいくとますます、彼女の主張にはおかしな点は何もなくて、この問題が起きてしまったのはひとえに雷田や編集などなどの仲介者がいいかげんで独善的な対応をしたせいだと思うようになりました。

 

だってそうでしょお~?

 

そもそもアビ子は別に「私の漫画を舞台にしてください」と頼んでるわけじゃないです。頼んできたのは雷田達の側。大ヒット漫画のおこぼれを求めてすり寄ってきた側です。

 

なのに雷田からは「人様の作品を使わせてもらう」というリスペクトの姿勢が何一つ見えず、しまいには「この漫画家舞台のこと何も分かってないな」とか言う始末。

 

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いや違うじゃん。そここそ最優先に気を遣わなきゃいけないことじゃん。お前のほうこそ「漫画家のこと何も分かってない」じゃん。

 

彼はアビ子の意向を無視し自分らの意向最優先でGOAに丸投げ。

 

結果仲介のねじまげ伝言ゲームのしわ寄せは末端のGOAに向かってしまいました。かわいそうに。

 

GOAはあかねが演じるキャラの質問したときには丁寧に説明してて、それを普通にアビ子に最初に聞かせてればこんなこじれることはなく、こじれたのは仲介の怠慢のせいです。

 

 

アビ子へのフォローも卑怯だと思いました。

 

雷田はアビ子の不満をのらりくらりとかわし、スケジュールを盾にして「もう変更は無理な時期」という状況にして自分ら本位の脚本を押し通そうとしてる意図が透けて見たくらいです。

 

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雷田やここの業界人はこれまでずっとこの戦法で原作者を黙らせてきたのでしょうね。

 

今日あまの吉祥寺もその犠牲者の一人、と。

 

私の穿ち過ぎでしょうかね。ともかく雷田達はかなり印象悪いです。

 

 

 

しかしアビ子はそれに屈しませんでした。私としては拍手喝采です。

 

彼女の怒りの矛先がGOAに向かったことだけは筋違いだけど、そうさせたのは雷田達です。

 

でもこの漫画ではそうやってキレるアビ子をとことん痛い子として描いてて、アビ子とGOAが和解できたときには急に無邪気になりやっぱり人格の未熟さが強調されてる感じで。

 

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結局、この舞台編の脚本問題はそれで解決したようで、雷田達の卑劣さには特に何も言及されないまま、物語は役者達のほうへと進んでしまいました。

 

むしろ雷田が「ただ劇を良くしようとしてる真摯な人」みたいに描かれたりして。

 

アビ子のやったことは他人の迷惑を顧みない行為だったかもしれませんが、そうなったのは雷田達がアビ子の迷惑を顧みなかったからだと思います。

 

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うーむ。

 

私は上で原作改変にキレるファンを「作者の内心を読むエスパー」と書きましたが、私自身がなんかそんなエスパーになりそうです。

 

もしかして、赤坂アカ&横槍メンゴはわざとアビ子を道化に描くことで、漫画家は「踊らされる愚かな道化」、興行側を「善人の皮を被り道化を躍らせて貶める悪人」だと言いたいのではないか、みたいに思ってしまいました。

 

とんだアホエスパーです私は。

 

でもアホでいいや!私はアビ子は何もおかしくないし雷田は薄っぺらい卑怯者だと思いました。思いまーす。思うのは勝手でーす。

 

 

 

ま。さて。50話以降はアビ子&GOAの素晴らしい脚本を受け取った役者達のターン。

 

アクアの精神のほうに何か発生して、それもまた気になります。続きを待ちます!

 

 

 

以下余談。

 

40話のかなが面白かったです。

 

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この漫画のファンはあかね派とかな派が火花散らしたりしてるんでしょうか?

 

 

 

あと2.5次元舞台そのものについてなのですが。

 

ヤングジャンプでもなぜか「刀剣乱舞」のミュージカルを特集してたりと、漫画と興行の両業界の妙なパワームーブを感じます。

 

ところでこういうのって「弱虫ペダル」や「テニスの王子様」みたいな男の役者による女性ファン向けのものと、「ゾンビランドサガ」や「マギアレコード」みたいな女の役者による男性ファン向けのものどちらかしか存在しないような気がするのですが、この「東京ブレイド」みたいな男女の役者がバランスよく共演してるようなのって、現実には存在しえるんでしょうか?

 

そう言えばかぐや様の映画は需要はほぼキンプリ平野紫耀のファン向けだけど、男女の役者が共演してて橋本環奈などなどの女性キャストの男性ファンの需要も多少ながらある珍しい状態になってますが、舞台ではそういうの成立するのかな?

 

 

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