この漫画では「嘘である」って言葉が何度もギャグで使われますが、今週のかぐや様はそれを逆手にとってその「嘘である」を真面目に心に響く場面に使われてるのが印象的でした。
週刊ヤングジャンプ38号 赤坂アカ かぐや様は告らせたい188話 「四宮かぐやの無理難題「燕の子安貝編(6)」」
まずほとんど関係ない話です。アニメでかぐやと白銀を演じた古賀葵と古川慎がトヨタの謎のCMに出演してました。
二人は謎の女と謎の車を演じててかぐや様とは無関係なのですが、古賀の演技にはかぐやっぽさが2割、古川には白銀っぽさが4割くらいある感じがしてかなり笑いました。ティキティーン。
さて。本編の冒頭は子安。もう2月末くらいで卒業式は本当にもうすぐです。
彼女は「大友に石上の誤解を解く作戦」を画策中ですが、果たしていつ発動されるのか?
人気者の子安は卒業式の前後は多忙を極めるだろうに、余裕あるのかな。
ここのセリフは「1年生は今頃……」のミスでしょうかね。今彼女が2年生に思いを馳せるようなことは別に何も無い筈。たぶん。
とま1年生も2年生も学年末試験のシーズンと。
石上にとっては95話(単行本では11巻105話)からの因縁のリベンジ。
それにしても95話はもう2年以上前の話でひたすら懐かしいのですが、作中ではまだ2ヶ月くらいしか経ってないんですよね。
2学期の期末ではしょっぱい結果に終わった石上はこの2ヶ月間、学年末に向けてどれくらい勉強してたのか?
最初は全然ダメだったようです。
なんかPS4のApex Legendsらしきオンゲにうつつを抜かしてます。謎のボイチャ用語を叫びながら。
自宅ではPS4、生徒会室ではスイッチと本当に笑えない種類のゲーム依存症のご様子。
(全世界の小中高生が抱える深刻なゲーム依存症問題ですが、スマホゲーではなくガチゲーム機なのが石上らしい)
期末の時かぐやにリベンジを誓っておきながら。
そのかぐやに進捗を聞かれ、やってないのに「やってます」と嘘をつこうとする石上。
しかしここでは、ナレーションが出てきて「嘘である」って言う恒例の場面にはなりませんでした。
石上はナレーションに言われる前に自分で嘘を告白。
この「嘘です」は石上が必死の思いで自ら振り絞ったギャグ抜きの「嘘である」です。
その情けなくも切ない告白に、かぐやは「正直に言えたことが進捗である」と優しく諭します。
めっっっちゃ優しいな!かぐや!慈愛や。聖母や。
彼女の話はある意味この世の真理です。
(174話で白銀が早坂に説いた話と通底しています)
人はみんな脳みその出来が違うと。
石上の「勉強できない」なんて「進学校の中の落ちこぼれ」程度のものですが、世の中には本当に読み書きや算数すら困難なまま中学卒業した人が一定数います。
そういう人でも決して無価値なんかではないぞ、という話です。反社でさえなければ。
今のかぐやは、期末の頃に石上に「50位以内に入れ」と言った彼女とはもう別人です。
あれから文化祭とファーストキッスとクリスマスと修学旅行を一気に経験したわけで、彼女は四宮家仕込みの人格から脱却して他者に振りまく優しさを持ちつつあります。
この回想のやりとりがあったのは、修学旅行の後くらい?
そこから2,3週間くらい、石上は性根を入れ替えて勉強漬けになると。
かぐやは前回と同じく物理的に勉強をするしかない環境に石上を隔離する方針で指導します。
しかし前回と少し違うのは、強制性の排除かな。
かぐやは石上に隔離開始のスイッチボタンは自分自身で押せと言います。
自分のスイッチを押すのや自分なんやで。と。
それで石上は頑張ります。
途中でゲーム依存症が発症したりもしますが。
そこでは「英語設定にするならやってよし」という許しを貰えます。
これは一時期話題になったやつですね!
親が子どもにあつ森を遊ばせる際に「言語設定を英語にするならやってよし」と条件を出し、実際に子どもの英語力が上がったという例。
で、石上は生徒会室で白銀と伊井野からも助けてもらいます。
彼らは自分が1位取るのに必死で他人のことなんか構ってられない筈なのですが、今回は石上のことを気にかけてくれます。
彼らの試験の結果は今週号では明かされなかったのですが、大丈夫なんでしょうかね?
あとかぐやも2位?
藤原のチョコは、バレンタイン当日に石上にあげたチョコよりずっと高級そうなのが笑えます。そして飽きるほどチョコ食べまくった彼女の体重はいかに。
早坂もIT面でサポート。
でも石上のスマホは確かブラックベリーだったと思うのですが、アップルウォッチと連動できるのかな。
あ、早坂と言えば。今回出てきた小道具「ネットと繋がるタイマー電子錠」なんてのはこの世には実在しない筈です。たぶん。
あれは早坂が普通のタイマー電子錠を改造したものなのかもしれません。
彼女なら不可能ではないかも?
そこでちょっと思うのですが、かぐやのほうはITオンチだという設定は、今でも生きてるんでしょうかね?
本当にITオンチならこんな高度な電子錠の仕組みも理解できなさそうですが。
彼女はスマホの電池交換を自力でできたり、エロDVDをパソコンで再生できなかったり、この設定はなんかブレを感じます。細かいことですけどネー。つうか解釈次第かな。
で、その電子錠ですが、オンオフの感知や通知はできても、隔離部屋の掛け金にちゃんと設置できてるかの感知は無理だから、石上はズルをしようと思えばできます。
でもしないぞと。真面目に頑張るぞと。ゲーム依存症には負けないぞと。
つまり、かぐやの言ってた「環境を自ら設置する」装置とは、こんな電子錠ではなく、かぐや達の優しさのほうってことです。
「みんなの優しさを無駄にしたくない」というのが最高のモチベーション。
この石上なら隔離部屋が無くても勉強を本気の本気で頑張れるのでしょう。
で、結果大成功。
バレーボールで優勝するわ、試験で50位以内達成するわ、絶好調です石上。
彼の子安を射止める作戦が順調なことは逆に今後の展開の不安を煽るのですが、まーそれは今はおいときます。
そしてかぐやの愛溢れる涙と「嘘である」のナレーションでしめ!
彼女のこの涙は、藤原が白銀にバレーボールや校歌斉唱できるようにさせたときの涙と同じものなのですが、藤原の涙は100%ギャグなのにかぐやの涙は100%慈愛なのが面白いと思います。
さて。ここんとこ休載と合併号が連続して、なんかかぐや様は2週に1回しか読めてないのがずーっと続いていましたが、来週からはもう少し読めるペースがあがるかな。