バトルロイヤルは戦いのルールの一つで、バトルロワイアルは小説のタイトルです。
別物です。
その小説「バトル・ロワイアル」の作中で行われたバトルがバトルロイヤル形式でした。
なので両者は混同され、今ではバトルロイヤルのことをバトルロワイヤルと呼ぶことが慣例化した感があります。
あと「ロワイアル」と「ロワイヤル」で表記ゆれが存在します。
まずはバトルロイヤルについて。
三人以上で同時に戦い、自分以外はみんな敵で、敵同士も敵で、最後まで生き残った者が勝利というルールの戦い方のことです。個人かチームかに関わらず。
戦い方はこれ以外にもいろんな種類があります。
例えば一対一ならシングルマッチ、二対二ならタッグマッチ、人数が変則的なら変則タッグとか言います。
他にはゴールが無くて一対一で戦って負けたら他の人と交代して延々戦い続けるのを「虎の穴方式」と言ったりします。それで100連勝すれば100人切りって言ったり。
そのようないろんな戦い方の一つがバトルロイヤルです。
「蟲毒」とちょっと似た意味の言葉です。
(蟲毒には、バトルロイヤル方式で生き残っても最後の勝者に栄光とか救いとかが無い悲惨で不毛な戦いってニュアンスがあります)
一方「バトル・ロワイアル」は高見広春の小説と、それを原作とした映画や漫画のことです。
私は田口雅之執筆の漫画版は読んだことはあります。
この作品は中学生に強制的にバトルロイヤル形式でガチの殺し合いをさせる物語で、世間に大変なインパクトを生み、現在の漫画などなどのジャンルとして定着した「デスゲーム系」のパイオニアのような存在です。
この作品をきっかけにバトルロイヤルの概念を初めて知った人が多いようで、そのせいで、バトルロイヤル形式自体のことをバトルロワイアル(略してバトロワ)と呼ばれて混同されたようです。
そしてかなり定着しました。
そもそも「バトル・ロワイアル」というタイトルがROYALEをフランス語読みしただけで、強い独自の意味がある言葉でもありませんし。
もう「正確には違う」とか指摘することのほうがナンセンスかもしれません。
それに「バトルロイヤル」だと7文字ですが、「バトロワ」だと4文字で略称として呼びやすいですしね。
結論。
「バトル・ロワイアル」は、そういうタイトルの小説。
「バトルロイヤル」は、戦い方の一つ。
「バトルロワイヤル」「バトロワ」は、バトルロイヤルとほぼ同一化した語彙。
です。
ただ、これも若干のニュアンスの違いでしかないことですが、バトルロイヤルはプロレスやサバゲーやテレビゲームなどなどの「競技」「遊び」と言った意味合いの場合に使われることが多く、バトルロワイヤルだと「殺し合いをテーマにしたフィクション作品」の意味を含んでいることが多い傾向があるかと思います。