長崎新聞というローカル紙なのですが、詐欺の被害に遭った人の記事に乗ってた手口があまりにもありきたりな詐欺でこれに騙される人がいるのかと改めて驚きました。
こういうのってしょせんは他人事で「こんなのにひっかかるなんてバカじゃねーの!」と後から言って時には被害者を笑いものにしてしまうことは簡単なのですが、しかしどこか心の隅で笑えない気持ちも湧いてきます。
ひょっとしたら自分はまだしもあるいは年を取った家族が低レベルな詐欺にもひっかかってしまうのでは、という一万の不安が頭によぎるわけです。
対岸の火事か他山の石かってやつです。
長崎新聞ホームページ:【県内トピックス】「1億円当選」詐欺メール (6月6日)
記事を要約します。
会社員、大森克典(仮名)(51歳)のスマホに「1億円が当選した」というメールが届く。
1兆円の資産を持つ大金持ちが人々にチャンスを与える活動に当選したとのこと(記事にはないが大森はそんな企画に応募した覚えもないと思われる)
大森は疑わずに喜んでしまい、手続きを進めた。
手続き内容はコンビニでアマゾンギフト券を買ってきて番号を教えろというもので、大森はアマギフ券の仕組みもよく知らなかったのでこの時点でも詐欺に気づけなかった。
「不足している」と返信が来て大森は何度も追加購入した。
同じコンビニで買い続けないようとの指示にも従った。
3日目におかしいと思い始めたが、後には引けないと思って6日間払い続けた。
貯金が尽きたら70代の母親に理由を言わず金を借りて、何度目かの無心で母親が怪しんでようやく警察に通報。
その時点でも大森はまだ「1億円貰える」と信じようとしていた。
被害額は127万円。
大森に残されたのは後悔と多数のアマギフ券の残骸だけだった…。
なんという悲惨な記事なんだと思いました。
正直な気持ち本当に今時こんな詐欺にひっかかるなんて大森はバカだと思わずにいられませんでした。
ただ彼自身が「自分はバカだった」と痛感して悔やんでも悔やみきれない気持ちだろうから、ことさら彼に向かってバカだと言っても詮無いことです。
ちなみに大森は50代会社員なのに貯金が100万円程度だったのは新車を買ったばかりだったからのようです。
しかしそれにしても、詐欺としてはあまりにも低レベルです。
これにひっかかる人というと…。
まず携帯やスマホやPCに来る迷惑メールが迷惑メールだと気づけない。
アマギフ券やiTunesカードの詐欺の手口を知らないどころか、プリペイドギフト券自体もよくわかってない。
何十万円単位で払わされ続けても「おかしいな」と気づけない。
この3つのハードルを全部乗り越えてしまう人というのは、いまだに存在するものなんですね。
そこにかなり愕然としました。
もしかしたら50代くらいの中高年のほうが高齢者より危なっかしいのかもしれない?
今回の場合大森よりも母親のほうがしっかりしてたようですし。
しかしあれこれ思うと同時に「私はこうやって大森を下に見てるけど私自身や私の家族はいざってとき大丈夫だといえるのか」ということも頭によぎるわけです。
自分も騙される可能性があるのでしょうか?
「有名サイトの者だがここクリックしろ」「ブランド品かなんかが安く買える」「美人とセックスしてお金も貰える」
そういうメールはときどき来ますけど…。
2016年の特殊詐欺の被害総額406億円で、14000人が騙されたそうです。
ひー、おそろしい。
「気をつけよう」という非常につまんなくてありきたりな結論しか出ません!