週刊少年チャンピオンの今週号(もうすぐ先週号になりますが)の「あつまれ!ふしぎ研究部」と週刊少年ヤングマガジンの今週号の「みなみけ」は、どっちも「しゃっくりが止まらない」という題材でした。
無念のネタかぶり!
しかしそれもやむを得ません。
どっちも学生の女の子を中心とした日常系の8ページショートコメディなので題材がかぶってしまうことはどうしても避けられません。
しかし同一週でかぶってしまうとかぶってしまった感はすさまじいものがあります。
ただ、災い転じてとでも言いますか、同じ題材だからこそ両作品の方向性の違いというものが今回はよく見えました。
同じ食材をどう料理するのかの違いについてです。
端的にいってみなみけは話重視、ふしぎ研究部は絵重視です。
みなみけは今週のお題は「しゃっくり」一つだけではなく「二つを一つに合体する」というのもお題になっていて二つのテーマを上手に絡めて8ページ内のストーリーを構築しています。
内田のしゃっくりも割と早めに止まって解決します。
かたやふしぎ研究部のほうはことねのしゃっくりは全然とまらず、ひたすらそれに集中してことねが悪戦苦闘するビジュアルをかわいく(エロく)描写するほうに注力されています。
そういえば作者安部真弘は前著のイカ娘のときも「話やオチは弱いけどイカちゃんはかわいい」という評価をよく受けていました。
ところでネタかぶりと言って思い出すのがさよなら絶望先生です。
単行本27巻では268話が欠番になっています。
その回は「もしもお金の価値が逆転したら」というネタが使われていて、物を買うとお金も貰えて、貧乏人は紙幣の置き場に困るような世界、強盗が被害者に紙幣を押し付けるような世界を描いていました。
これがドラえもんの13巻「お金のいらない世界」とまるかぶりしてしまったので、268話はお蔵入りとなりました。
正確には藤子プロから問題ないと正式に回答を得たのに作者の久米田康治が自主的にお蔵入りにしました。
これはパクリなのか、偶然の一致なのか、あるいは久米田康治が昔にドラえもんを読んで得た遠い記憶を自分のアイデアと混同してしまったのか、実に興味深い事件だったので覚えています。
しかししゃっくりに関して言えば、よく言えば定番ネタ、悪く言えばありきたりなマンネリネタ。
今回は順番で言えばふしぎ研究部のほうが数日早く発行されたのですが、どちらがかぶったとかかぶられたとかいうことでもなく、本当にただの不幸な偶然と言えるネタかぶりでしょう。
もちろん両作品の方向性の違い以前に話の流れもオチも全く違います。
(それだけに先に挙げたさよなら絶望先生はかぶってるところだらけなのがすごかったのですが)
ネタかぶりとか使い古されたネタとか、そんなのを恐れてたらきっと長期連載なんてやってられないですよね。
がんばれ!みなみけ!
がんばれ!あつまれ!ふしぎ研究部!