などなどブログログ

漫画の感想や日記などなどを。

「上級国民/下級国民」感想 いろいろ腑には落ちる、けど、じゃあどうしよう?

橘玲「上級国民/下級国民」 小学館新書 って本読みました。

 

「今の世の中はなぜこんな世の中なのか」を解説してくれる本です。

 

いろいろ腑に落ちます。

 

でも「じゃあどうすればいいか」は書かれてなくて、「どないしたらええねん」と思うのですが、まー何も分からないまま世の中に翻弄されるよりはマシになれるのかもしれません。

 

f:id:mogmogfirst:20220103171943j:plain

 

年末年始にこの本読んで過ごしました。

 

年越しに読む本じゃなかったかもしれません。

 

要は「世の中上級国民と下級国民の格差は歴然とあって、これからさらに拡がるよ」って本だから夢も希望も無い話です。

 

 

f:id:mogmogfirst:20220103172105j:plain

 

さて。橘玲の本はこれまで「言ってはいけない」「もっと言ってはいけない」「朝日ぎらい」とかを読んだことがあるのですが、この本を含めてぞれぞれで「同じようなことを何度も書いてる」って印象がそこそこあります。

 

でも私にとってはそのへんはたまに読むたびに「復習になる」ってことにもなるので、まーいいんじゃないかなって思ってます。

 

 

で、日本でも世界全体でも、上級国民と下級国民というのは確かにいて、その格差はどんどん拡がっているのだそうです。

 

日本の場合は、原因はなにはなくとも高齢化です!

 

団塊の世代が現役のころは彼らの雇用を守ること、老後になったら彼らの年金を守ることをこの国は最優先してるから、その下の世代にしわ寄せが来てて、日本で起こってる大体の問題はこれで説明がついてしまうから悲惨なものです。

 

さらに、学力の低かったりコミュ力無かったり非正規雇用だったりの若い男はどんどん何も持てない人生になり(女性からの愛も)、貧困化が加速して格差拡大。

 

日本は外国に比べてGDPが下がって「日本は貧しくなっていく」ってことが書かれてますが、外国は外国で宗教とか人種差別とか移民とかが信じられない程深刻な問題になってて、なんか「日本はまだマシかも」と思ってしまいます。それはそれで五十歩百歩的な発想でむなしくもありますが。

 

今の世の中はさらにコロナがありますから、なんでか日本だけは感染率が極端に低いけど、いろんな国は地獄になってるんじゃないでしょうかね?

 

日本もそのうち感染者が一日1万人とかになる日もまた来るんでしょうか?

 

でも1万人だとしてもアメリカの一日32万人に比べたら雲泥の差に感じるから恐ろしいものです。

 

でも日本だけが無事でも、外国の輸入に頼ってるいろんな物が不足してきてるので、結局全世界がやばいです。

 

 

 

いや、コロナはこの本には関係ありません。本の感想に話を戻して。

 

読んでてまず思ったことですが、本では日本人の男が、女からモテる(資質や資産がある)男と、モテない(何も持ってない)男の格差が拡大してて複雑な社会構造になってしまってるとあるのですが、私としては女もモテる女とモテない女で深刻な差が広がってると思います

 

f:id:mogmogfirst:20220103172004j:plain

 

本では女全体を「イコールフェミニスト」といっしょくたに扱ってるけど、今の日本のフェミニストが世の中の女性の信任を受けているとはどうしても思えません。

 

「女を別に攻撃しない非モテ男」と「非モテ男を攻撃しない女」の存在がすっぽり抜け落ちてると感じました。

 

日々ツイッターかなんかで戦っている「ツイフェミ」「アンチフェミ」とかいう人らの反目構造を全体像に当てはめすぎじゃないでしょうかねえー。

 

特に誰も攻撃せず細々貧しく生きている優しくも不器用なモテない男とモテない女が世の中の大部分を占めてると思ってます。なんとなく。

 

 

 

あと初めて知って「なるほど」と感心したのは、アメリカでは「黒人を優遇する制度を嫌がる黒人」ってのが存在するところでした。

 

アメリカにはアファーマティブアクションっていう黒人優遇措置があり、例えば医大とかでちょっと成績がいまいちな黒人学生も優秀な白人学生と同じとみなされて医者になれたりする制度です。

 

ってことは、もし街中に黒人医師と白人医師の二つの開業医があったとして、あなたならどっちに診てもらいたいですか?

 

当然、実際に、アメリカでは黒人の患者すらも黒人の医師を避けるようになってるそうで。

 

だから黒人優遇措置が不要なほど本当に優秀な黒人医師にとっては迷惑以外のなにものでもない、と。

 

確かにそりゃそうだと思いました。

 

世界にはその国々にそれぞれの形でひずみが起きてるんですねえー。

 

 

 

読んでて、橘の本はいつもですが、いろいろと腑に落ちました。物事を論理的に説明するのがめっちゃ上手な人です。

 

でも「世の中に上級と下級の格差が拡がってて、だからどうしたらいいのか?」は結局分からないままです。

 

せめて子どもは学力を地道に身に付けるくらいで、すでに最下層になってしまった人達はどうやって救済したらいいのやら、マジで分かりません。

 

私だって誰かから救済してほしいってもんです。

 

 

 

 

 

スポンサーリンク