激安のアルコール製剤を見かけました。
エタノール濃度66vol%(度数は58度?)で、1リットルでなんと税込438円。
そしてこれは「食品添加物」だという。
真っ先に思った疑問が「これ、飲もうと思ったら飲めるの?」です。
もちろん「飲用不可」とありますし、仮にこれが普通のお酒と同じように飲める成分だとしても、実際飲むのはルール違反です。法律違反になるんでしたっけ?
飲んだらあかん。
しかしどうしても気になってしまい、買って、舐めてみました。
結論から言いますと、ものすっごく、まずかったです。
飲むのはルール違反とか以前に、まずくて飲める代物ではありませんでした。
さて。買ってみたのは松井酒造合名会社という酒造メーカーが作ってるアルコール製剤「MK-66」です。
コロナで消毒液の需要が高まって、特例で酒税が免除されて、酒造メーカーが消毒の用途にも使える高濃度のエタノールを安く販売できるようになったやつです。たぶん。
本来エタノールは普通に酒税がかかってます。「無水エタノール」「エタノール」「消毒用エタノール」などなどに。
これらは飲もうと思えば普通に飲めるからです。(この三つの違いは単にエタノールの濃度)
しかし「消毒用エタノールIP」なら酒税はかかりません。イソプロパノールを添加して「飲めない成分」にすることで非課税にできて安く販売できます。
ではこのアルコール製剤はどうなのか?
消エタってのはエタノール濃度を80度くらいに水で少し薄めたとき一番効果があります。
しかし66%というやや低めでも、有機酸とか他の除菌成分を足すことで除菌力を発揮するようにしてあるのが、こういうアルコール製剤です。
ってことは消エタIPと同じように飲めない成分にしてあるってこと?
しかしパッケには「食品添加物」「食材の鮮度保持」とあります。
どういうこっちゃ?
成分表を見てみても、添加されてるのは、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン、乳酸ナトリウム、と、どれも口に入っても特に問題無い成分です。
……と、いうことは、やっぱり、飲もうと思えば飲めるのでは……?
買ってきてほんの少しだけ容器に注いで、口に入れてみました。
本当に超まずかったです。
「ボエ!」ってなります。
どんな味だったかうまく表現できません。
適切な言葉でレポするためにもう一度口に含んでみるのは御免、ってくらいまずかったです。
すぐに吐き出して、水で何度か口をゆすぎました。
なんでこんなにまずいんでしょう。
グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン、乳酸ナトリウムのどれかが、あるいは混ざると強烈な味になるんでしょうか。
仮にですよ、これを水や炭酸で割って、濃縮還元レモン果汁とかカクテルして、お酒として飲もうとしても、おいしいお酒になるとは到底思えません。無水エタノールならそれでもいけるわけですが。
ただ、まー、まずいまずいとは言っても、決してこれが「食品添加物として問題がある」という意味では無いです。
これを肉とかにスプレーして、その肉を料理してまずくなるってことは決して無いのでしょう。
手指にスプレーするのだって、スプレーしたあとその指を舐めるわけでもなし、全く問題無いのだと思います。
なんたってこれはそもそも消毒の用途で使うべきものなんですから。
口に直接入れるのだけが良くないだけで。
というわけで飲むのはマジでやめとけ。