自宅の消毒用エタノールが減ってきたので、新しく1本買うことにしました。
前回買ったときはちゃんとした消エタが店頭から消えてたけど代わりの普及品みたいな感じのやつが並ぶようになったころでした。
そのときはドラッグストアでそれ買って、特に不満も無く使いました。
今回はちゃんとしたやつが店にちゃんとあったので、それを買ったわけですが。
「ちゃんとしたやつ」というのは厚労省の「指定医薬部外品」か「第3類医薬品」の表示があるやつ、という意味です。
ですがその二つは具体的に何が違うわけ?
結論を先に言うと、中身はどっちも同じでした。
さらにぶっちゃけて言うと「ちゃんとしてない消エタ」も同じです。
それらに入ってるエタノール、C2H6OはどれもC2H6Oであり、「この製品のC2H6OはちゃんとしたC2H6O」だとか「こっちのC2H6Oは粗悪なC2H6O」だなんて概念は無いです。
粗悪かどうかはC2H6Oでは決まらないって意味です。
この話は当然ながら容器に嘘を書いてるような詐欺レベルの商品には当てはまりません。
容器に嘘は書かれてない前提で今日のブログを書きます。
つまりどういうことか具体的に言うと、私が今回買った消エタは株式会社サイキョウ・ファーマの指定医薬部外品の消毒用エタノールIPなのですが、この会社が実は厚労省から認可を得てないのに「指定医薬部外品」だと嘘を書いているのかもしれない、みたいなレベルでの疑心暗鬼状態の話ではないってことです。
(世の中、徹底的に疑心暗鬼な人っていますよね)
さて。消エタ買うぞーと思いドラッグストアに行って、それっぽい棚を見ると、何やらたくさんのエタノールが並んでました。
値段もまちまち。
なんや?どれを買えばええんや?
この店で売ってたのは5種類。値段が高い順に。
「無水エタノール」
「エタノール」
「消毒用エタノール」
「消毒用エタノールIP 指定医薬部外品」
「消毒用エタノールIP 第3類医薬品」
ちゃんと理解して選ばねば。
まず、無水エタノール、エタノール、消毒用エタノールの違いは、単純にアルコールの度数です。
無水は99%、エタは95%、消エタは80%、くらい。残りの成分は水。
ちなみにウォッカは50%で、ストロング系チューハイは9%くらい。
消毒力が最も高くなるのは80%くらいだそうで。度数は高すぎても低すぎても駄目。
そして次に消毒用エタノールと消毒用エタノールIPの違い。
これは、飲めるか飲めないかです。
IPはイソプロパノールの略で、飲むと有害な物質です。感覚で言えば石鹸は食べたら有害ですが石鹸を毒とは言わないみたいな感じのものです。
IPAと略すこともあります。
ちょっとくらいなら口に入っても大丈夫でしょうが、ごくごくと飲むものではありません。
これをわざわざ添加することで「これは飲み物ではない=酒税の対象ではない」ということにできて、値段を安くすることができます。
この店では同じメーカーの消エタは税込932円だけど、消エタIPは627円。
酒税って295円もかかってるのね。
もちろん無水エタノールとエタノールにもかかってます。ウォッカやチューハイと同じように。
で、肝心の指定医薬部外品と第3類医薬品の違い。
店で両方をじっくり見比べてみたところ、成分が全く同じでした。
C2H6Oと、水と、IP。
マジでどっちも同じ。
ましてや「指定医薬部外品用のC2H6O」だとか「第3類医薬品として合格なC2H6O」だとか、C2H6Oの種類が違うなんてしろものでもありません。
ただラベルには違いがありました。
第3類のほうには「使用期限」の概念がありました。
部外品にはその記述は無し。
これは、薬事法で医薬品には使用期限を示さなきゃいけないってルールがあって、第3類消エタにもそれを表示する義務がつくからのようです。
でもこれも、ルールとしては理解できますが、アルコールに使用期限ってのは純粋におかしな話です。
だったらワインやウイスキーの何十年ものとか成立しませんもんね。
ただ強いて消費期限の意義を言えば、ポリエチレンの容器は経年劣化します。
医薬品を名乗るなら、そこにも責任を持って容器の期限を含めての使用期限を示す必要性はあると思います。
結局この二つの違いは法律上の区分以外には何も無いです。
内容が全く同じものでも、省庁に届けるかどうかで「違う製品」であると分類されて、責任の形も変わってくる、と、いった感じです。
ってわけで、「中身は一緒」という結論になり、私は今回は何年も自宅に備蓄するかもしれない可能性があったので、気分的に、使用期限表示のない指定医薬部外品のほうを選んだのでした。
3年以内くらいで使い切る予定なら第3類でもいいと思います。
この店ではそっちのほうが30円くらい安かったです。