すんのかい!せんのかい!
すんのかーい!……といった感じでした。今週のかぐや様は。
週刊ヤングジャンプ15号 赤坂アカ かぐや様は告らせたい210話 「男と女のABC(6)」
しましたね。
完遂しましたね。本懐遂げましたね。
読んだ感想としては、私は結構冷静に見届けたって感じでした。
文化祭でのファーストキスのほうがずっとドラマチックでエモかったと思うくらいです。
一つには「引っ張り過ぎた」「やっとか」って印象もあります。が、これは雑誌連載リアルタイムと単行本では感覚がかなり変わることで、この漫画はもとから作者赤坂アカは単行本で読むリズムのほうを重視して執筆してそうな感じがします。
とま。ここ数話で、「え?お泊り?しちゃうの?しないの?」というのを引っ張って、ようやく決着がつきました。
私は読んでる間はどうなるか全然予想できませんでした。
少年マガジンの恋愛漫画とかだったら、男女が同じ部屋でお泊り!で引っ張ったときはしないって法則がありますけど。
この漫画は世の中の恋愛漫画のお約束とかお決まりのパターン通りになることってありませんからね。ほぼ。
だからこそ読み甲斐があるわけですが。
しちゃう経緯がちょっと面白かったです。
お互いに、なんか、浮足立ってて、そのまま流れでするのかと思いきや、一度冷静になってちゃんと向き合って話して、素直に笑い合うことができて、あー良かった良かった、じゃあ寝ようか、となったのに、なんか盛り上がってしまって、してしまった、と。
すると見せかけて、しないと見せかけて、結局するという三段返し構成。マジで「すんのかい!」「してもうたんかい!」です。
あとは、二人は、なにやら、白銀は留学してかぐやは留学しないってことを話し合って同意を得てるようですね。199話で引っ張った話で。
答えが判明したんだからあの続きの執筆はもうしないのかな。
で、遠恋になるからと、かぐやはやっぱり並々ならぬ決意でいたようです。
しかし白銀はとことん草食系です。
(私「草食系」って言葉は嫌いなんですけど、彼を表現するならこれが適切になってしまいます)
「もうすぐ離れて暮らすようになるのだから、それまでに体の繋がりが欲しい」と思ってないようです。
いや少しは思ってます。でも「したい!欲しい!」と渇望するほどではないようで、そこには私は全然共感が湧きません。
逆にかぐやのほうがそういう心理状態になってるっぽいです。
性欲というよりは形の分かる恋人の証が欲しいって気持ちからだとは思いますが。
なんにせよ、両者は、自分が思ってることを、一度きちんと言葉にし合ったのはすごくいいことだと思います。
してもいいししなくてもいい。焦ってもいいし焦らなくてもいい。その通りだと思います。
これについては「白銀立派じゃん」と思いました。
で、お互いに気持ちが通じ合って、嬉しくなって、盛り上がっちゃって、チュッチュしちゃって、好き好き言い合っちゃって。
で、しちゃったと。
あちゃー。やっちゃったー。って感じですね。
例えるなら、目の前にお菓子があって、「いつ食べてもいいよ」と言われて、「食べたくなったら食べますね」と答えたものの、その1秒後に食べちゃったような気まずさがあります。
まーいいじゃないですか。食べたいときが食べるべきときです。
恋愛漫画では、特に少年誌&青年誌ではセックスしたらゴールって感じですが、この漫画ではそういうわけにはいきません。
(ちなみに青年誌と成人誌は別物ですからね)
二人には留学や四宮家の問題がまだ立ちはだかっています。
この漫画は何を以って最終回とするかは分かりませんが、少なくとも今回のこれは全然ゴールではありません。
勝負はこれから。
告らせたいちゃんと恋愛頭脳戦ちゃんがどうなるのかは知りませんけど。
白銀とかぐやにとってはこれでめでたく大人の仲間入り。
二人はそれぞれ石上や早坂にマウントとったりしちゃうでしょうかね。
そして伊井野は「大好きな先輩が他の女とセックスした」と知ったら、何かしらの動揺をするでしょうか。伊井野の心理状態は今本当に複雑です。
マキは心の平定を保てるでしょうか。
帝は「白銀からかぐやを奪う」ことが狙いだったりするんでしょうか。そうだとしたら童貞である帝はかなり不利になりますが。
ところでラストのページ。
これこういう腕枕したまま朝まで寝てたってことは、白銀はきっと朝起きたら右手が痺れて感覚が無くなってると思います。
あと。省略されてしまった二人の初夜ですが、かぐや様は告らせたいダークネスとかで描かれることはあったりするでしょうか。
バキのSAGAみたいに。
それはさすがに無いか。