原書房 パット・シップマン「ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた」って本を読みました。
タイトルがインパクトあって表紙の絵がかっこよかったので読んでみました。
ヒトってのは我々ホモサピエンスのことです。
4万年くらい前にネアンデルタール人が絶滅したのはなぜだろう?って推測する本でした。
まー結論はタイトルの通りなわけです。
ただ、ちょっと、インパクトあるタイトルのわりには中身は地味~な本でした。
世界中の遺跡や化石から、成分とか年代とかを調べていろいろ推測するわけですが、「詳しくは分からない」って話がとにかく多い!
どこかの誰かが何かを計測した数字をただ並べてるだけのページもけっこう多いし。
そのへんは退屈でした。
それに、読者としては本題である「ヒトとイヌ」の話が一番気になるのにその話がなかなか始まらない…。
本は全部で15章あるけどヒトとイヌの話は12~14章で最後のほうに少しだけでした。
なんかすごいもったいつけられたって印象でした。
ホモサピがオオカミを家畜化したのはどうやら2万年くらい前かららしいんですが、この本の筆者は、実はもっと前からやってて、それがネアンデルタール人が絶滅した原因のひとつではないかと仮説を唱えています。
あくまで仮説です。
そこからの話はすごく面白かったです。
昔のユーラシアは肉食動物がたくさんいて、みんな獲物や住処を取り合う生存競争やっていました。
ホモサピ、ネアンデルタール人、オオカミ、サーベルターガー、ホラアナグマ…。
しかし地球が寒冷期に入って、食料調達がみんな厳しくなってきました。
そこで手を組んだのがホモサピとオオカミ。
手を組むのは両者にとってメリットがありました。
お互いの長所を生かしあった狩りはめっちゃ効率的になり、同居することで生活の安全度がめっちゃ上がり、他の肉食動物はもう太刀打ちできなくなって絶滅したと。
ついでにマンモスとかの大型草食哺乳類も次々と絶滅させてしまいますが。
ホモサピとオオカミには、他の霊長類やイヌ科にはない共通点があるのだそうです。
それは目。
白目と黒目がはっきり色が分かれてるのはホモサピとオオカミ系だけで、どっちも視線でコミュニケーションを取るためにそうなってて、だからこそホモサピとオオカミの間でも目と目でかなりのコミュニケーションを取ることができたから手を組めたのだという。
読んでて感心しました。
あ、これは本当に仮説で、筆者が言ってるだけで証拠とかがあるわけではないです。
全ページの最初から2/3は退屈で、そこを乗り越えたら最後の1/3は面白い話だったという本でした!
最後まで読み終えた自分をちょっと褒めたいです。