「MAO」「ザ・ファブル」「K2」が、私が知っている、作品の中で新型コロナウイルスが発生している漫画3本です。
それをちょっと比較したいです。
もっとあったら教えてください。
他にも新聞4コマの「コボちゃん」とかもあてはまりますけど。
また、現代劇の漫画ではコロナをどう扱ったものか、とか、ちょっと思ったことなどなどをブログ書きます。
サンデーの高橋留美子の「MAO」。
ヤングマガジンの南勝久の「ザ・ファブル The second contact」。
イブニングの真船一雄の「K2」。
順に見ていきます。
日本でコロナが意識され始めたのは「ダイヤモンドプリンセス号」の2020年の1月ごろだとします。
(ところでこの病気を「コロナ」と呼ぶのは好きじゃないんだけど、もう定着しきったので従ってます)
(私は「COVID」「コビド」「コビッド」って呼ぶのがいいと思うんだけど、今となってはむなしいだけ)
MAOは2019年5月に連載開始しました。新連載時点で現実と同じ令和元年という時代設定でした。
その後は時間の流れはリアルタイムと合ってるわけではありませんが、今は令和2年となり、主人公菜花はコロナ禍の中で生活してます。
ただし、この作品はタイムスリップものであり、主人公は現代と大正時代を行き来していて主な舞台は大正時代のほうなので、現代の世相は作品上全く重要ではないからこそ、作品でコロナ禍を描いても特に支障が無い、って感じです。今んとこ。
ファブルは2019年に1部が連載終了し、つい最近2021年7月に2部の連載が始まりました。
天才殺し屋の奇妙な生活の漫画です。
これは作中の時代が西暦何年か明確に決まってないタイプだったと思います。自信無し。
1部の終わりに主人公アキラが旅に出て、戻ってきたところから2部が開始。
2部の世界はコロナ禍となっています。
まさに旅に出てた間(1部と2部の連載の間)に世の中が変わっています。
作中では「ウイルス」と呼び「コロナ」の名は使っていません。
まだ連載が始まったばかりなのですが、登場人物達がコロナ禍の中で生きている様子を真正面から(あるいはのらりくらりと)描いていきそうな予感がします。
K2は2004年に連載開始した医者漫画です。昔マガジンでやってた「スーパードクターK」の続編です。
この作品の時代設定は、明確であるところと無いところが混在しているタイプのようです。
主人公のひとり一也は1995年生まれってプロフィールらしいです。(wikipedia調べ)
しかし作中では今が何年かは明確でなく、また現実世界の医学事情が常に反映されるため、なんていうかこち亀やゴルゴ13のような、時代は流れてるけど主人公は年をとらないタイプに近いです。
そう言いつつも一也は少しずつ年齢を重ねてはいます。漫画ならではの世界観です。
で、この漫画もいつの間にかコロナが発生している世界観になりました。
コロナ関連の題材も作中にかなりつっこんで描かれています。
その理由は単純に医者漫画だから、に尽きます。この漫画がそもそも様々な病気やケガを扱う漫画だから。
あとこれは完全な余談ですが、この漫画はダブル主人公の神代と一也は見た目が非常~に似通っていて、マスク着用だとさらに区別がつきにくくなり、かなりの難点となってしまっているのが皮肉です。これはコロナに関係無く手術着とかで以前から存在する難点ですが。(↑の画像1コマ目の左が一也、右が神代)
さらに余談。世の中の医者漫画がみんなコロナありで描いてるわけではありません。
一口に医者漫画と言っても「どんな医者のどんな物語を描きたいか」は十人十色ですから、それとコロナがうまく合致しない限りは、コロナを描くには非常にリソースを消耗するので、コロナなんて存在してない世界観を押し通すしかない場合のほうが圧倒的に多いです。たぶん。
とま。以上3作とも、コロナ社会を描いてると言ってもそのスタンスは全く違います。
コロナがあっても支障をきたさないケース、世の中をありのまま描くことが目的のケース、コロナを描くこと自体が目的のケース、などなど。
ここで話は変わるのですが、今の世の中が「みんながマスクをしなくてもいい世界」に戻るのって、いつになると思いますか?
私はもしかしたら5年や10年あるいはもうずっとこのままってこともありうると思ってます。
今の時点でマスク社会になってもう2年ほどです。
今はその要因とか何が悪いかとかを語りたいわけではなくて、終息するのがいつになるか、もしくは終息するのかだけを問題とします。
その見解は人ぞれぞれ違うとしても、「まだ2,3年はかかるんじゃない?」っていうのだとしたら、だいたいの人は否定しないのではないでしょうか。
ってことは合計5年間くらいはマスク社会となります。
とすると、今の現代劇漫画はそのほとんどが、最低5年間はずっとコロナが発生してないIF世界を描き続けなくてはならないことになります。
みんなマスク無しでお出かけして、海外旅行に行き、夏祭りとか花見とか卒業式とか季節行事も普通に行われてる世界。
私はそういう漫画を見ると最近は、そっちのほうに非現実感が湧くようになってきました。
これは、現実のコロナ禍期間がこれから長く続けば続くほど、他の人も感じていくのではないかって気がしてます。
サザエさん時空的な世界観を持つ長寿漫画は特に。
それって結構漫画界のピンチかもしれません。
これから新連載だとか新作を発表する現代劇漫画は、まず最初にコロナありの世界か無しの世界かにするかの選択を迫られるようになったりするのかも。
正直どっちを選んでも厳しいかもしれません。
なんたって、マスクありではキャラの表情を描くのはかなり大変です。
K2では「ニヤッ」って擬音で表現してます。うん。これがベストっつうかこれ以外やりようがないかも。
ま。以上、私はこの3本の漫画を読んで、なんとなくこんなことを思ったのでした。
こんなの、あさはかな素人の杞憂かもしれません。むしろそうであったほうがいいことです。
それに逆に案外拍子抜けなほどにある日突然マスク社会が終わる可能性もほんの少しだけ思ってます。