前に私は進撃の巨人の感想ブログで「九つの巨人が全員集結したら何かが起こるのでは」って思ったのですが、やっぱり、何か起きる???
地鳴らしが圧倒的すぎて絶望的すぎてもうどうにもならなさそうに見える一方で「何かが起こるぞ」って感じが微かに湧いてくるのがたまりませんね。
「It's gonna happen」ってやつですね。
It's gonna happen ! It's gonna happen !
この言葉はこれと言って決まった和訳が特に無く、なんとなく「何かが起こるぞ!」とか「アレを起こしてくれ!」とか「ついに来たぞ!」とかいったニュアンスな言葉らしく、なんか好きな言葉です。
一方で「偶然だぞ」とも訳せるそうです。
素敵な言葉です。
あ、いや、It's gonna happenはどうでもいいです。進撃の巨人です。
冒頭は前回ハンジが命を賭して飛び立たせた飛行艇の内部。
搭載できたのは操縦士入れて8人と、爆薬と、タンクに半分だけの燃料。
それ以外の不要な物は重くなるだけなので全て捨てていきましょう。
それでも目的地スラトア要塞まで行けるかは分かりません。
まー「行けずに途中で墜落しました」ってなるわけはありませんけど。
オニャンコポンはアルミンから「ポンズ」ってふざけた擬音(ふざけた擬音が出るの超久しぶり)とともに任務を託されます。
彼はこの任務のためにこの漫画に登場したようなものです。
そしてアルミン団長は4人の部下と2人の協力者を率いて作戦会議。
まず、アルミンの超大型巨人の変身の爆発を使えばエレンin始祖の巨人を吹き飛ばすことができるとピークが言います。
そうかあ~?
あのエレンはあまりにも巨大すぎてそれでも無理そうに見えますが。
でもアルミン自身も同意してるからそうなんでしょうかね。
で、それはつまりエレンを殺す手段は「ある」ということです。
殺そうと思えばできる。じゃあ殺すのが一番手っ取り早い。
でも「殺せば解決」「殺して解決」ってのを繰り返したから世界はこうなったんだよねって話でもあります。
リヴァイは自分の悲願である「獣の巨人を殺して解決」案を提案します。
これは彼がかつてエルヴィンに誓った気持ちを考えると無理もないとも思いますが、でもこれも結局「エレンは殺すのは忍びないけどジークなら遠慮なく殺していいよね!」って心理に陥ってるように見えなくもないですが。どうなんでしょうね。
ま、ジークは置いといて、彼らはそこから「反省会」を開始します。
全世界にとってユミルの民は厄介者なだけだから排除しようという理屈でパラディ島に潜入破壊工作した(させた)マーレ軍と全世界の国民と。
全世界が一方的に殺してくるっていうんなら逆に殺し返してやろうという理屈で地鳴らしを支持&実行したイェーガー派やエルディア国民と。
全世界のほとんどを虐殺する地鳴らしがひどいからって、それを止める名目でかつての仲間を結局惨殺しまくったジャン、コニー、ミカサ達。
みんなクソだと。
誰もが誰かを非難する資格なんてないと。
まー、確かに。
憔悴するコニーに優しい言葉をかけるライナー。「罪悪感の先輩」の貫禄です。
そこから一同はエレンの気持ちに思いを馳せます。
ライナーはエレンは誰かに止めてほしいと思ってるのではないかと言い、アルミンはエレンは僕たちを試してるのではないかと言います。
その瞬間!7人のユミルの民はまた例の謎砂漠空間「座標」に飛ばされました。
本当にマジでエレンは7人の会議を聞いてたんですね。
そこから、アルミン達は、エレンに地鳴らしをやめるよう懇願します。謝罪します。
うーむ、彼らの言葉は私から見ても薄っぺらくてエレンの心に届くとは到底思えないのがつらいところです。
本当に、仮にここで地鳴らしを止めても、安泰な未来が訪れる気なんて1mmもしませんよね。島側にとっても世界側にとっても。なんの解決もしなさそう。
それにエレンの心の問題も。一体に何に謝ってて、罪をどう一緒に背負うのか、抽象的すぎて。ねー。
案の定エレンの答えは却下。
この座標での会談自体が、エレンが一方的に宣言するためだけのものでした。
彼は全世界皆殺し作戦を自分一人で決行したけど、アルミン達……というか壁内人類にはそれを受け入れるかどうかの選択の自由を残したと。
結果アルミン達は壁内の多くの世論である地鳴らし支持派と殺し合いをしてまで、不支持を表明したわけです。
サシャやハンジ達を殺され、フロックやダズ達を殺し、そこまでやったんだからここで止めても中途半端ってのは理解できる気がします。
最後までやれ!とエレンははっきり宣告して、気持ちいくらいです。
エレンのほうはアルミン達を殺す覚悟は本当にあるのか、ちょっと疑問な気もしましたが、少年のエレンと少女の始祖ユミルちゃんの面構えを見ると覚悟はできてるようにも見えます。面構えが違う。
交渉決裂。
リヴァイに「どうする?」と聞かれすごい目力のアルミン団長。
そこで場面が変わり、戦線離脱したアニ達の船の様子が描かれます。
アニと話すキヨミ。口から出てくるのは後悔の言葉のみ。
ライナーと同じような心境っぽいですね。
ぶっちゃけキヨミは「自分が生き残ること」には成功したから、この時点で人生の勝利者です。
一族の利益や家名は守れましたよあなた、今。あなたが生き残ったんですから。
なのに後悔してるという。
あなたとエレンは何が違うというのでしょう?
まーなんでしょう。このへんはこの漫画の最終的なテーマなんでしょうかね?
愛こそ全て。争いなんて全て不毛。
「自分の敵だけをちょっと殺すAさん」と「味方以外を全員徹底的に皆殺しにするBさん」は本来何も変わらないけど、Bさんのあまりの圧倒的な進撃を目の当たりにしたAさんは相対的に自分の器の小ささと、「結局自分もBさんと何も変わらない罪人だ」ってことを思い知ったって感じなのかな。と思いました。
サブタイの「罪人達」はそんな意味なのかなと。
で、キヨミの話を聞いてアニの脳裏に浮かぶのか、自分のあまりに過酷な人生の、それでも共に過ごした……人達。敵だとか仲間だとかもう関係なく。義父と、候補兵達と、訓練兵達と、最後にアルミンと。
おー、ここのアニの後悔はつまり、自分の人生の後悔だけでなく、前話で「アルミンと一緒に飛行艇に乗れば良かった」という後悔でもあるのでしょうね。
本当に、最期までアルミンのそばにいたらよかったじゃんって、私も思いました。
でもなんか、人生と戦いに疲れ果てて、義父がもう助からないと知って心が折れて、アルミンと「最後の思い出作り」は遂げられたのかどうかは不明ですが、とにかく戦う意欲は無くなってしまって自ら戦線離脱してしまって。
後悔だらけ。でも。「もう……遅い」。ヒロインやなあー。本当に思考がヒロインで驚きです。
しかし本当に遅いのでしょうか?
そこに急に現れたガビとファルコ。
マジで急に突拍子もない話を始めます。
この二人は、キヨミのようにやれることを尽くしたわけでも、アニのように諦めたわけでもなく、まだまだあがく意志に満ちてます。
物語を引っ掻き回すぞと。
ファルコは、自分の顎の巨人には「空を飛ぶ能力があるっぽい」と語ります。
なにやら獣の巨人、ジークやクサヴァーさんよりもさらに過去の代には、空を飛べたやつがいて、自分にはその特徴が受け継がれているのではないか、と。
マジか!!!
これ、私は本当に予想外でした。
でもネットには他に予想してた人がいて、以前聞いたときには、「そんな展開あるかあー?」とちょっと疑問だったのですが、本当にそうなっててマジで驚きました。
そんな手があったとは。
つうか、本当にいたんだ。羽の生えた空飛ぶ巨人。
いたってよ。マーレ前元帥。
(93話)
いたんならマーレはもっとよくそれを研究しとけばよかったのにとも思いますけどね。記録に残ってなかったのかな。
で、で、で、どうすんの?
ファルコは止めたって行くでしょう。ガビもついて行く気なようです。
で、アニは?
どうすんの!?
It's gonna happen !
と、超気になるところでまた場面転換。
今話の最後の場面はスラトア要塞。
長い編成の列車が要塞に向かってます。
あ、アニの義父生きてました。良かったねアニ。
というか割と多くの壁外エルディア人(名誉マーレ人)が収容区からの脱出に成功してたようです。
でも125話のあの状況からここまで来るにはかなりの血が流れたんでしょうねえー。
(125話のあの状況)
結局みんな人殺しです。
とま、目当ては要塞の飛行船。しかし一歩遅かった。
彼らが見たものは、すでに飛び立ってしまった飛行船の編隊と、そして要塞目指してやってきた地鳴らし本隊。
ま。この戦闘もどっちが勝つかなんてやる前から結果が分かってます。
ま。私この感想ブログ書くのがかなり遅れてて、次の回読んだ上で書いてるので、白々しくてすいません。
ま。続きの感想も書くぞー。