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進撃の巨人126話感想 人生で大切なものは、歯磨きと矜持

今月の進撃の巨人は、歯磨きの大切さが描かれた話でした。

 

無垢の巨人も歯をちゃんと磨いておけばいつまでも元気に人間を噛めますし、九つの巨人も歯を磨かないと口の中が臭くなっちゃいます。

 

で、歯磨きの次に描かれたのが、登場人物みんなが団結していく物語エレン以外のみんなが。エレンに対抗するために。

 

 

最近の進撃の巨人界隈では「完結が近いぞ」ってことをやたら見かけるのですが、物語の中でそれを感じさせられたのは私は今月号で初めてかも。

 

いろいろと謎や核心に迫ってはいるけど、分からないことのほうがまだ多いような気がして「本当に近いうちに完結できるの?」と疑問にも思うわけですが、こうやって登場人物が集まっていくのを見ると、理屈じゃなくて感覚的にクライマックスっていう印象がビンビンきます。

 

 

 

 今月のサブタイは「矜持」。誰が誰に矜持を見せるのかというと、エレン以外のみんながエレンに、です。

 

エレンが出した結論「地鳴らし」を受け入れないぞという矜持です。

 

受け入れたほうが楽なのですが、そうしちゃうと「エレンに屈する」「エレンの奴隷になる」みたいな気持ちになっちゃうのかもしれません。

 

おい、お前ら。世界中の奴らがお前らを殺したがってるから、逆に俺が奴らを全員殺してやるよ。嬉しいだろ?

 

ミカサアルミンジャンコニーガビファルコライナーアニリヴァイハンジピークエルディア人ではないけどオニャンコポンイェレナマガトもみんなそれにNOという答えを見せた……ってことなんでしょうか。

 

 

 

さて冒頭のシーンはハンジとリヴァイの回想。

 

追っ手のイェーガー派の兵士を涙しながら射殺するハンジ。

 

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「仲間」を殺すと決めたけど、こみあげるものはあるんでしょうね。

 

それにしても隻眼なのに狙撃が上手です。

 

 

このシーンで思い出したのが、ゴールデンカムイの登場人物で狙撃が得意な尾形が最近片目を失って狙撃能力を失ったシーンでした。

 

ハンジは左目を失ってもう5年くらいだから、隻眼の年季が違います。

 

 

 

そして隻眼仲間となったリヴァイ。

 

右目以外にも右手の指2本失ってボロボロですが、でも生きてます。

 

彼の望みは、かつてエルヴィンに誓った、ジークを殺すこと。

 

リヴァイは地鳴らしそのものには感心が薄いのかもしれません。

 

でも地鳴らしに必要な部品のひとつを、どうしてもこの世から消したいと。

 

そして回想が終わって、マガト&ピークと対話の機会を得ます。

 

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えーと、マーレのこの二人とは地鳴らしを止めたいことだけは利害は一致してますが、それ以外はあまりにも断絶してて、分かり合えるなんてとても無理そうに感じます。

 

だからこそ昨日まで血で血を洗う戦争をしてたわけで、仮に、協力して地鳴らしを止めることができたとしても、「そのあとどうすんの問題」で両国の明るい未来なんて何一つ見えないというか。

 

いや、そんなの当人たちも重々承知でしょうね。そんな相手とでも手を組まなきゃいけないほどの事態ってことですね。

 

あるいは、ここで一度は手を組んだ事実が明るい未来への第一歩になったりするのか???

 

 

それと、やっぱりリヴァイが満身創痍なのが気になります。

 

今は地鳴らしの超大型巨人の大行進が始まって、パラディ島からマーレ大陸まで海をどうやって渡るのか(泳ぐのか海底を歩くのか)分かりませんが、渡り切るまでそんなに時間の猶予は無さそうに感じます。数週間かそこらくらい???

 

リヴァイはそれまでに回復できるのでしょうか?

 

 

 

場面は変わってみんな眠れない夜を過ごしてる中、コニーも悶々と苦悩してます。

 

ポッコから顎の巨人を受け継いだファルコを騙して母巨人に食わせれば母の人格が蘇るけど、少年を生け贄にすることにためらいがあると。まーはっきり言って甘いです。やるのなら迷うなって思います。

 

ファルコのほうは、今自分の目の前にいる男が、かつてガビが殺したサシャの仲間だと気づいてしまいました。

 

コニーはそれでもなおファルコを騙そうと、歯磨きという下手な嘘で母巨人に近づかせます。切ないです。しかし素晴らしい表情。

 

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その瞬間、アルミンとガビがギリギリ追いつきました!

 

徹夜で頑張って走ってくれた馬が偉い!

 

 

 

天才アルミンは馬鹿のコニーをどうやって思いとどまらせるのか!?

 

このシーン、私かなり本気で鳥肌立ちました。

 

 

コニーの涙の叫びは痛いほど理解できます。

 

それを見て言葉を失うアルミン。思い浮かぶのは右手がある頃のエルヴィン。

 

ここで瞬時にアルミンが下した判断が、私は本当に全然予想もしてなかったのでマジで驚きました。

 

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でも、そうか、そうか、そうだよなー。

 

 

 アルミンもずっと苦しんでたんですね。

 

「自分が母巨人のエサになるからファルコは殺さないでくれ」って、ちょっとやそっとの心境では思いつけることではありません。

 

彼は常々「エルヴィン団長ではなく自分が死ぬべきだった」とずっと思ってて、先月号ではミカサの前でパニクって感情の堰が切れて、母巨人の口に自ら飛び込んで「自殺」を図ってしまいました。

 

でもこれなら馬鹿なコニーに一瞬でいろんなことを理解させることができます。すごい説得方法。

 

そしてコニーは馬鹿ならではの本能の瞬発力で自らアルミンを間一髪助けることができました。

 

 

コニーはアルミンを「なにやってんだ馬鹿!」などと叱責することはできません。

 

自分がファルコにやろうとしてたことも馬鹿なことだったと理解できてしまったので。

 

でも私はコニーの愚行にはかなり同情的です。

 

やったらやったで悲劇なのは確かなのですが、私がもしコニーの立場なら同じことをしてたと思います。そしてファルコを生け贄にすることにあんまり苦悩しないかも。

 

その点でいえばコニーは私なんかよりずっと優しい男です。

 

まーそんなこんなでこの場にいるアルミン、コニー、ガビ、ファルコはなんかみんな心の内をさらけ出し合ったような感じで合流完了

 

 

 

場面が変わって翌朝の病院、ミカサはなくなってたマフラーを見つけました。

 

ミカサを心酔しているイェーガー派の新兵ルイーゼが持ちだしてました。

 

でも彼女は先の戦闘で深手を負ってもう長くないと。

 

ミカサは死にゆく彼女に対してマフラーを餞別にあげる……なんてことはせず、極めて無表情に返却を要求し、何も言葉を送らずに死の床から去っていきます。

 

結局ミカサはルイーゼのことを最初から最後まで全然相手にしませんでしたね。ひえー。

 

 

 

次に島内の様子が描かれました。

 

兵団内イェーガー派も町も活気づき、さっきは「みんながエレンにNOを示した」と書きましたが、フロックと名も無き兵士たちと大多数の島民はエレンを支持してます。

 

彼らの気持ちも分かるから本当に悩ましいところです。

 

 

町に戻ったアルミン一行は、偶然アニと再会。わ~偶然~。

 

こんな偶然シーンはどうしても「都合良すぎ」って印象はありますが、でも、両者を再会させるシーンを描写するに際して、不自然でない再会を描くためにページ(時間)を費やすか、簡略化するかの差しかないので、ここは気にしないことにしましょう!

 

パイを貪るアニを笑うコニー。笑ってあげることもまた優しさでしょうか。

 

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「4年ぶりのパイなんだよ!」ってアルミンのフォローが、察しが良すぎてなんか笑えます。

 

 

ヒッチとはお別れ。

 

来たるべきラストバトルへの戦力外通知であり無念ですが、ヒッチには生き残って兵団内でできることがあると信じましょう。

 

 

 

イェーガー派は「活気づく」どころかちょっと暴走気味。

 

フロックはイェレナとオニャンコポンの公開処刑なんて始めて、群衆もノッリノリ。

 

群衆はイェレナに汚い罵声を浴びせて侮辱します!

 

かつてイェレナは自分が安楽死クーデターの指揮してた時には、サシャを侮辱した義勇兵の仲間を射殺して(それ自体は怖いんですが)エルディア人に敬意を払ってたのと比較したら、イェーガー派は醜悪の一言に尽きます。

 

イェーガー派って、主張は一理あると思うけど、どうも言動が醜悪なことが多くて、作者諌山創は意図的に読者からの好感を得ない存在に描いてる気がします。

 

そして醜悪の極みは、オニャンコポンまで処刑するということ。

 

(罵声は別として)イェーガー派がイェレナを処刑する理屈はまだ分かりますが、オニャンコポンは殺す道理がちょっと無さ過ぎ。

 

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オニャンコポンは不当な権力には決して屈しないと今月号最大の矜持を見せてくれます。まるで漫画の主人公のようです。

 

しかし処刑係のジャンは弾を外し、その途端車力の巨人が急に登場し、ジャンとイェレナとオニャンコポンを食って一目散。

 

この一瞬の出来事と、この場にミカサがいないことにフロック呆然。

 

 

 当のミカサは既にアルミン達と合流完了し、物資を確保して脱出してました。

 

その時アニが謎の人影を発見しますが、誰?

 

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シルエットではなんかシャーティス教官にも見えるけどそれだとシルエットにする意味ない気がするし、マジで誰???

 

 

 

ジャン達も脱出成功。

 

車力の巨人の口の中は臭いようです。

 

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歯磨きしないから臭いんだと思います。

 

 

 

オニャンコポンにとっては驚天動地。ジャンが「クソ野郎」ではなかったわけで感涙です。

 

ジャンは自分の中にある矜持を「骨の燃えカス」という不思議な言葉で表現します。確かに意味は分からないけど、かっこいいぞジャン。

 

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それにしても、こちらでもジャンとハンジ達がすでに合流完了してて、本当に「いつの間に」の合流の連続です。

 

「アルミンチーム&アニ」と「ミカサ&ジャン」と「ハンジチーム」の三者はそれぞれ全く別々に行動してたのに、知らない間に合流してて作戦が開始されてるんですから。

 

まー時間的に考えて不可能ではないかな。そして何より「みんなが集結する」という熱い展開が若干の不自然を吹き飛ばしてしまうほどの力強さを感じます。よいです。

 

 

そしてラストシーンは合流メンバーの最後の一人、ライナーにアニが目覚ましキック。

 

昏睡してたライナーにとってはこれまた驚天動地でしょうね。

 

目の前には信じられないメンバーが揃ってるわけですから。

 

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いや本当に熱い展開でした、今月。

 

様々な立場の主要人物が同じ目的のために集結するという。

 

ただその目的が「打倒主人公」なんですよね。そこがあまりにも異様で眩暈がします。

 

ミカサですらさっき回収したマフラー巻いてませんし。

 

 

 

しかし熱い展開と言っても、これだけ集まってもエレンに対して一体何ができるのかはまだ全然分かりません。

 

それにエレンにとってはこの展開は未来を見てて想定済みなんですよね?

 

エレンが見た未来ってのは、全世界が地鳴らしで皆殺しにされる世界?仲間たちがそれを阻止する世界?どちらでもないなんらかの超越的展開な世界?

 

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