お釈迦様の掌の上で暴れて得意になってた斉天大聖孫悟空。
邪悪なお釈迦様の。
週刊ヤングジャンプ51号 赤坂アカ かぐや様は告らせたい199話 「夢」
しかしまー、読者のテンションをしょぼーんとしぼませる話でした。今週は。
先週のひきを見て漠然と予感してたこととそう違わなかったので驚きはしませんでしたが、私は読んでて本当にシオシオシナシナ~ってなりました。
私は以前の、えーと、177話(単行本では19巻187話)の感想ブログで、かぐやの侍女を辞めた早坂が、髪を切りかぐやの元に一個人として戻ってきたときに、「早坂が具体的にどうやって戻ってこれたのかは不明」みたいなことを書いたのですが、その真相が今週明かされました。
結局のところ早坂は全ッ然、自力で自由を獲得してもいなかったわけで。ただ四宮家のハゲの掌上に運らされてただけで。
しかも、早坂本人は自由になれたと思ってるっぽいところが、本当に「操られてる」感を引き立たせます。
177話を読んだときの、ピュアで青春な感動は作り物でした~残念でした~って話でした。
しょぼーんです。
しかし、論理的には非常に納得がいき腑に落ちる話です。
さて。冒頭はどこかのビジネスホテルの一室?
前回白銀家にお泊りしたかぐやはどこか密談できる部屋に白銀を招いて話しだします。
スタンフォード大学への出願を取り下げたと。
うむ。前回のひきを見て四宮家絡みの話となればそんな感じだろうなとは薄々思ってました。
では、四宮家の誰からの圧力でそうさせられたのでしょうか。父・四宮雁庵か長兄・黄光か。
黄光でした。そこから回想シーンになります。
かぐやは修学旅行編の後日(いつ?)に、東京か京都か黄光の邸宅に呼び出されて、なんか道場で面会します。
刀や旗を飾った床の間にどっしりと座る横光。尊大です。
時期的に冬なわけだから道場はきっと暖房をガンガン効かせてるんでしょうね。
自然の気温の道場で精神鍛錬~とかいう意識があるなら床の間には座らないでしょうから。
そのへんに黄光の恰好だけつけたがる人格が見て取れます。
(しかし武道はともかく純粋なケンカは強そうな気はしないでもないです)
そして黄光は「妹に理解のある兄」の姿勢を示します。
早坂と離れ離れにさせないでくれるし、将来いい結婚相手を見つけてくれるし、それでいて婚前の自由恋愛も許してくれるし、そして留学も「やめとけやめとけ」とアドバイスしてくれるし、至れり尽くせりです。
ものすごく「話が分かる兄」。
かぐやも上手に甘えたら、黄光から、言われた通り結婚した後でも白銀との関係を続けることに協力してくれそうなほどの。
つまるところ黄光は「奴隷を大切に扱う王様」ですね。
利用価値があり自分に絶対服従で苦役する奴隷になら、よい食事や休日や時には褒美も与え「どうだ嬉しいだろう?」という王様。
世の中、誰かに従ってしまったほうが楽だし幸福になれることもある、というのは否定できない真理だと思います。その誰かが悪人であっても。
それに立ち向かうことは正義ではあっても非常に勇気が必要で結果的に不幸になるだけだったりもします。
かぐやも何か黄光には怯えてるような感じがあります。
末兄の雲鷹を殴ったことはありましたが、黄光を殴ることはとてもじゃないけどできなさそうな。
ところでかぐやは黄光のことを家父長制の象徴と言いますが、こいつは自分が支配したい相手の性別に関係なくこんな感じなんじゃないの~?って私は思いました。
黄光の(四宮家の)人道的な問題のうち、男尊女卑思想は全体の一部でしかないというか。なんたって日本の癌ですもんね。
でも、もし今後彼がかぐやに負けてうろたえたときには「女のくせに」とか言いそうかな。
あと「早坂家は俺の持ち駒だ」って言葉もひっかかりました。
ってことは早坂の母・奈央は本当に根源的に黄光の奴隷ってこと?
我が娘・愛が幼い頃からかぐやのスパイをさせられてたのも承知の上だったの?
だとしたらやっぱりひどいわ。奴隷の子も奴隷。
つうか若き奈央が愛を産んだことがそもそも、黄光の命令によるものだったりして。
それどころか黄光が早坂の実の父親だったりして。
それはともかく話を戻して、黄光からアメリカ留学を「やめとけ」とアドバイスという名の絶対命令を下されたかぐやはどうするのか?
「戦う」と言ってますが、私は「本当にそうか~?」とちょっと懐疑的です。
結局黄光が怖くて逆らえないから命令に従って、それを「従うふりをして戦う」と自分に言い訳してるだけにも見えなくもない。かも。(だとしてもそれを臆病と非難する資格はほとんどの人には無いです)
一連の話を聞かされた白銀は、一緒にアメリカ行けないなら自分も日本に残ると言いますが、かぐやがそれを認めません。
白銀がそもそも留学するのは経営の勉強をするためと。
父の会社を取り戻すためと。
四宮グループに奪われた会社を。
マジかよ!これには結構驚きました。
えーと、本当、マジかよ。
確か、白銀は秀知院に入学したてのころは、かぐやや四宮家のことは何も知らなかったですよね。
つまり、かぐやを好きになってから「俺の親父の会社を奪ったのは四宮家だった」って知ったことになります。
いつどこで知ったのか、知ってどうしたのか、何か隠されたエピソードがありそうです。
そういや過去、一年生の時に、顔に絆創膏を貼った姿で氷かぐやに一方的に絡んだことがありましたが、何か関係あるかな?
(15巻)
あとついでに、ふと、白銀の母が今どこでどうしてるのか、彼女も黄光の手に落ちているのではないかって想像が頭をよぎりました。
今彼女は自ら望む裕福でハイスペな暮らしを、黄光の愛人(奴隷)になることと引き換えに享受してる、とかね。白銀父は会社だけでなく妻も奪われたとかね。
これまた我ながら嫌な想像すぎるのでこれ以上考えないようにします。
で。今週の話は、あとは「で?」です。
で?
かぐやは留学を諦め、白銀には行けと言います。「お互いの夢のためにあえて一度離れましょう」と。言われた白銀は、どう答えんの?
どうすんの?
それが、次号の、連載200回突破記念巻頭カラーで展開されると。
運命の分岐点です。それはかぐやと白銀の二人にとってだけではなく、この漫画の今後が神るか、クソるかの分岐点にもなりそう。
全ては次回です。
ただ希望もあると思うんですよね。
マキの四条家の存在とか。