「チュッピはこういうのが好きなんだろ?」「ヘラヘラすんなよ!」
今週のかぐや様は早坂の悪ふざけと白銀の中途半端なリアクションの話でした。
週刊ヤングジャンプ49号 赤坂アカ かぐや様は告らせたい233話 「早坂愛は着替えたい」
今週は実質的には物語はほぼ進んでないに等しいです。
脚本だとしたら「早坂が護衛のために同居を始めた」って一文で済む内容を18ページに希釈して描かれてて、無駄と言ってもいいくらいです。
しかしその無駄こそが大切で重要なのでしょう。きっと。
なんつうかこの漫画の初期のノリを感じなくもないでした。5巻以前くらいの。
暗くてややこしい数多の設定がまだ何も無くてただ能天気に恋愛頭脳戦をやってたような頃の。
当時はそれがメインでしたが、暗くてややこしい物語のほうがメインとなった今では能天気な話のほうがその合間の箸休め的ポジションに変わりました。たまに眼球舐めたりみたいな。
この漫画のファンとしては「明るくて笑える漫画のほうを読みたい」って人が多いでしょうかね?
私は微妙なところです。
私がこの漫画に注目するようになったのは伊井野が登場してからで、初期は軽く流し読みしてたって程度です。
そこから、伊井野の人間的な歪みの描写とか、ひそかに抱えている苦しみと、それが少し救われるような話に感嘆して、すっかり彼女のファンになったのでした。
なのでこの漫画の持つ暗くてややこしい一面そのものは私は嫌いではありません。ポジションが変わったことにも否定ばっかりしてもしょうがないですしね。
まーそのへんは今はいいや。今週の感想書きます。
白銀家におじゃまする早坂。
白銀は父と妹にどう説明するか悩みますが、別に早坂が言う通りありのまま正直に話していいと思いますけどね。何があかんのでしょうね。
むしろ白銀父や圭ちゃんだって四宮家の悪漢の標的になる可能性もゼロではないのだから、話すべきなくらいです。
それに白銀父にとっては四宮家問題は今更でしょうし。
しかし白銀はごまかしたい様子。それが不要な行き違いを生むというのが今週の話でした。
そして圭ちゃんが帰宅。
彼女は兄が自宅に連れ込んだかぐやではない女が、以前一瞬見ただけのハーサカだと即座に察します。異様に鋭いな。
あ、そうか、彼女が一度見たハーサカはギャル早坂でもハーサカちゃんでもなく、メイドハーサカであり、髪を切った今のニュー早坂に割と近いキャラなので一瞬で分かるのはそうおかしくないのかもしれません。
圭ちゃんは「お兄ぃがかぐやさんと別れた」と誤解し絶望し、なぜかトイレに逃げ込みます。その間に白銀の部屋では早坂劇場が開催されます。
「男の人ってこういうのが好きなんでしょ?」系の。
つまりは早坂は白銀をからかおうといろんな変装を披露し実際見事に手玉に取ってるわけですが、私はこのあたりを読んでて、その一方で、なんか、彼女が勝手に横たわってるそのベッドが「白銀がかぐやの処女を奪った現場」であることが妙に気になってしまい、それに全く気づかず得意になってる早坂がなんかいたたまれなくもなりました。
早坂ならあるいは、後日、今日のことをふと思い返したときに「御行くんの部屋のこのベッドで、あの日、二人は……」と気付くかもしれません。
真性乙女早坂はそのときどう思うでしょうね。
(22巻ではかぐやから話を聞いただけでこうなってましたが)
……ってことをなんか私は想像してしまったのでした。って、めっちゃどうでもいい想像でしょうかね。
話を戻して。早坂は、神待ち家出少女やハーサカちゃんと次々と変装を楽しそうに披露して、最後にメイド早坂になります。
この一連の着替えはどこでどうやってるんでしょうね?
まさか室内で白銀の目の前で、肌を晒さないよう超絶技術で早着替えしてるとか?
で、白銀は、メイド早坂にだけは、ひくとかズンとくるとかでなく、真顔で無言になり、それを見て調子に乗った早坂がさらにメイド乱舞すると、「アホか~アホかて~」と悶えるのですが。
私はこの白銀のリアクションは全然分かりませんでした。
なんでこうも中途半端にヘラヘラしてるんでしょうね?
彼はメイドやネコミミがツボなのは知ってますが、今この状況下で、彼女でもない女が座興と承知の上でやってる誘惑に、こんなリアクションするのが悪い意味で本気で気持ち悪いと思いました。マジでなんなんお前。
もちろん予期せぬ女の誘惑にスイッチが入りそうになる衝動は大いに理解できますが、だからこそしっかり自制して早坂を制止しろよって思いました。
早坂も早坂で男の部屋のベッドでそういう(悪ふざけの)誘惑する意味をちゃんと理解してなさそうな感じが、これまた彼女の真性っぷりが浮き彫りになってる感があります。
ま、ともあれ。ここで白銀父が颯爽退勤。無所属自宅ユーチューバーがどこから退勤したのかは知りませんが。
(そういや今の白銀父はいっぱしのインフルエンサーなのだから、世間への影響力を結構持ってる気がします。何か物語を動かすかな?)
白銀は醜態を家族に晒しましたが、実は父には早坂の母、奈央から連絡は行っているのでした。
白銀父と奈央はかつて進路相談で面識がありますが、連絡を取り合うようになってたようで。
そのこともちょっと驚きですが、今回の早坂の雲鷹からの任務を奈央が関知してるのも意外でした。
早坂家は黄光の奴隷だった筈ですが、今は違ってるんでしょうか?
奈央と雲鷹が手を組むなんて、可能なんでしょうかね。かつて二人は若い頃に何かあったらしいですが。
で、オチは早坂の「許してにゃん♡」。
う。これは私もちょっとかわいいと思ってしまいました。不覚にも。
私は白銀を気持ち悪いとかディスったくせに、偉そうなこと全然言える立場ではありませんでした。
結局早坂がかわいい回でした。