週刊ヤングマガジン 原作:山川直輝 漫画:朝基まさし 「マイホームヒーロー」
今週号はまた面白くなりそうな感じでした!
まだ20話なのに密度が濃いせいかなんだかもうかなり長く続いてるような気がします。
でも一時期はちょっと悪い意味での荒唐無稽さが強くなってきてつまんないと感じてました。
こういうサスペンス系の漫画は荒唐無稽になること自体は決して悪いこととは限りません。
「面白い荒唐無稽」と「つまんない荒唐無稽」の基準って、例えばヤクザがあまりにも現実離れした超凶悪超恐怖軍団だったりとかして、それを「面白い」「ヤクザこわい!」と思うか「嘘臭い」「しらける」と思うかはやっぱり結局人それぞれです。
それでまー、つまんなくなってきたかもと私はちょっと思っていたのですが、持ち直してきて今週はまた面白かったです。
で、このマイホームヒーロー。
延人を殺したのが自分であることを何が何でも隠し通したい主人公鳥栖哲雄47歳。
そしてそれを追跡するヤクザ半グレ組織の実行部隊隊長っぽい恭一は自分の立場が危うくなりつつも、延人を殺したのは哲雄であることに証拠はないけど薄々気づいています。
そんな二人が手を組んで自分達の安全と立場のためにお互いを利用しあって行動していくのかなあー、どんな駆け引きするのかなあー、と楽しみにしていたのですが、物語は一時期私が全然期待してない方向に進んでしまいました。
二人が組んで組織系列店の高級キャバクラで延人の元彼女に聞き込みをして調査していくのかなと思ったらいきなり二人とも組織に捕まって制裁を受けてしまう展開に。
それから数回は「悪い荒唐無稽」なバイオレンスシーンがしばらく続きました。
カーアクション、銃撃戦、やる意味がわからない脅迫…。
ぶっちゃけこのあたりは飛ばして読んでも問題ないのでは?と思うくらいで、バイオレンス場面が終わったら何事もなかったかのように哲雄と妻・鳥栖歌仙は偽装工作を開始していきました。
いやまーもちろんバイオレンス場面は無意味だったわけじゃなくて、組織はまだ歌仙の実家の財産を諦めてなくて今後そのへんの展開になったときへの布石のような意味合いはあるのでしょうけど。
でもそこが面白くなるかどうかはそのときのことなので、大切なのは今面白いかです。
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この漫画で私が面白いと感じるのはサラリーマン哲雄と歌仙の中年夫婦が知恵を絞って犯罪偽装工作を頑張ってるところです。
哲雄の武器は趣味の推理小説で得た犯罪知識と営業職で培った会話術。
その二つで恭一やキャバ嬢や組織の下っ端たちと渡り合っていくのが面白いんです。
現在は延人が生きているように映像を偽装すること、延人のスマホをキャバ嬢から譲り受けてハッキングすることに頑張ってます。
そのための情報収集してて前回「おっ!」と思ったのが、哲雄と、延人の父麻取義辰がバーで出くわすところです。
おー、この二人を会わせちゃうかあー。
義辰は凄腕の詐欺師で組織の一員ではありませんが、かなり立場は上っぽくて、しかも知能は高いのに人格的にかなりおかしくて自由勝手に行動しているようです。
それで単独で「息子を探す」と言い出して延人の行きつけのバーに行ったところ、哲雄と偶然出会ったと。
今週は哲雄と義辰がバーで話すのですが、会話が支離滅裂気味で哲夫は振り回されっぱなしで義辰の破綻した人格面がいい感じに伝わってきます。
それでも哲雄は会話の中で「こいつは延人の父親だ」と気づいて、しかもスマホログインに必要な「秘密の質問」の手がかりも見つけました!
(ちょっと都合いいけど)哲雄頭いいし行動力あるなあーと感心しました。
それに主人公と敵ボスが偶然いきなり出会うっていうのはやっぱり熱い展開です。
お互いに偽名を名乗って、お互いが偽名だと察している!
こういうヒヤヒヤする頭脳戦をどんどんやっていってほしいです。
でも地味だと漫画雑誌の連載としては見栄えが悪いのかなあー。
だから時々派手なバイオレンスシーンでも挟ななくちゃいけないんでしょうか。
難しいところです!