今月の進撃の巨人は最初から最後までエレン VS ピークのやりとりの話がずっと描かれていたので疾走感があって一気に読み進めてあっという間って感じでした。
リヴァイとハンジがどうなったか気になりますが、そのへんは先になりそう。
今はシガンシナ区戦ラウンド2に集中です。いやラウンド3だっけ?
まずは別冊少年マガジンの今月号の表紙に目が行きました。
サシャが生きてたころの、エレンがジークと接触する前の日常のシーンっぽくてなんか切ない絵です。
遊んでるのはクローズドポーカー?
あ、これアレだ。
中野京子の「怖い絵」って本読んで知ったのですが、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの名画「いかさま師」で見たやつだこれ。
(1630年 クラブのエースを持ついかさま師)
サシャとコニーとジャンの不自然な視線と表情からして、3人はグル。
で、コニーがダイヤのロイヤルストレートフラッシュを何らかのイカサマで完成させている。
しかし果たしてアルミンとエレンをカモることは可能なのか?
そして変なカップを持って勝負に不参加のミカサがまた変な味を出してます。
それにしても別マガ10周年かあー。
確か進撃は別マガ創刊と同時に始まり一度も休載がなかった気がします。
120話でちょうど10周年。
作者諌山創はこれで連載デビューして10年間これ一本で突っ走ってます。
完結するまではあと何年?
さて今月の本編の感想。
サブタイトルは「天地」。ふむ。
今月はピーク大活躍の回でした。
兵団に潜入してガビの石牢でエレンにここまで接近できたことが、まずやっぱりすごいです。
兵団内のクーデターのゴタゴタに乗じて、ピークはどこかの女兵士を殺してそいつに成り済ましたのかな。
しかしエレンに銃を突き付けても、エレンは「撃てるもんなら撃ってみろ」と平然としたまま。ちょっとかっこいい。
ピークはあっさり降伏。
えー。ここまで見事に潜入活動したのに。めっちゃ不自然ですって。
「私は怪しいです」「他に作戦を隠してます」って言ってるようなもんじゃん!
しかしまー罠だと分かっていてもエレンのほうは話に乗るしかありません。
いや、本当にそうでしょうか?
エレンはここで駆け引きなんかに一切応じないで、この場でガビを殴り殺してピークを半殺しにして外に引っ張り出して巨人になって彼女を食う選択肢もあったような気がします。
前々からエレンは妙にガビを生かそうとしてるフシを感じます。気のせい?
そのころ、アルミンたちが監禁されてる別の石牢(ストーブとかお茶とかあって待遇がちょっとだけ良い)で、ジャンが鋭い考察してます。
112話のエレンによるあまりにひどいミカサへの暴言とアルミンフルボッコが、別の真意があったのではないか?と。
私も112話読んだときちょっとそう思って感想ブログで触れました。
エレンはジーク案のエルディアの安楽死計画に同意したと見せかけて、まだ何か思いを隠しているんでしょうか?
しかしその話題はイェレナ達の登場で中断。
そしてグリーズ……ニコロの同僚の捕虜で隠れ義勇兵だった彼が、サシャに入れ込んでたニコロを侮辱します。というかサシャを侮辱します。
しかし、読んでるこっちが「感じ悪い」と思う暇も与えずイェレナが彼を粛清してしまいました。
射殺シーンはエグいけど、イェレナのキャラが一瞬で分かりすぎるほど分かる素晴らしい演出です。
そしてイェレナは安楽死計画を打ち明けます。
場面はエレン達のところに戻って、めっちゃ怪しく降伏したピークですが結構説得力のある動機を語ります。
先に結果を言うとピークの降伏も罠だったわけですが、ここの彼女の言葉はそう嘘でもないようです。
マーレに残留したエルディア人はそりゃもう酷い扱いを受けたわけだし、全世界の科学技術が発達して巨人が脅威でなくなる時代も遠くないし、「エルディア人に未来はない」と思ってる点でだけはピークもエレン達と同じ見解かと。
というかガビ以外はパラディ島もマーレもユミルの民はみんなそう思ってるのかもしれません。
ピークは「家族やエルディア人の未来のためマーレを裏切る」ことをエレンに証明するために「この建物の屋上から仲間の居場所を指さす」と言って、エレンとの駆け引きを成立させます。
見事な口車ですピーク。
場所を「この建物の屋上」とさりげなくちゃっかり指定してて、私も初読のときはこのセリフが誘導しようとしてることに気づけませんでした。
そしてまた場面変換。
イェレナがジャン達に安楽死計画を明かしました。
全てのユミルの民に一斉遠隔強制不妊化手術を施し、最後の一人が死ぬくらいの時期までは九つの巨人を維持して、あとはエルディア国を安らかに断絶させると。
それを語るイェレナの表情がいよいよやばいです。
普段は真っ黒な瞳が輝き出してるし、エレンとジークを本心から神と称え出してるし。
それに水を差したのが、アルミン。
ここ、今月号で一番印象的だったシーンです。そして意味が分からないシーン。
アルミンは「ぐふぅ…」「ぶふッ」とむせてイェレナの話に「感動致しました」と言うのですが、これ、失笑してるの???
アルミンがこんな話で本当に感動なんかするわけはないですが、かといって安楽死計画が無茶で荒唐無稽だとしても、別に笑うことでもないと思います。
彼はなぜ笑ってみせたのか?
今の時点では私は全然分かりません。
アルミンの頭脳の中で現状とイェレナの言葉とで何かの歯車が噛み合って、敵の計画の穴か何かが見えたからその情動を抑えられなくなったのでしょうか?
超気になります。
(イェレナはアルミンが本当に感動したと信じ切ってる!)
しかしそこで面会は終了。イェレナの元にピーク侵入の報告が入り合流します。
屋上へ向かう途中での会話で、結局エレンとピークお互い全然信用してない感満々な様子と、ピークはジークには秘密があることは昔から気づいてたけど王家の血とかは知らないっぽいこと、そしてファルコがジークの脊髄液を摂取した話が出てきます。
ガビは自分のせいでファルコが大変なことになったことを知り、また追い詰められます。
エレンはガビを、なんか知らんけど、徹底的に精神を追い詰めようとしてるのかな。
まさか進撃の巨人の後継者にするつもりとか???
そして屋上。エレンから「示せ 敵はどこにいる?」と言われ、ピークはじっくり間を持たせて(役者よのう!)から、ガビに笑顔を見せます。
この笑顔もすごくいい。
今月号はアルミンの失笑と、ピークの微笑、二人の不敵な表情がめっちゃ印象的でした。
今月号のサブタイを「笑顔」とか「笑い」にしてもいいくらいなんですけど、でもサブタイは「天地」なんですよね。
それはイェレナがうっとり語ったエレンとジークの神話の天地創造ってニュアンスの意味と、天地がひっくり返る戦争が(再び)始まるって意味なのかな。
エレンに「示せ」と言われてピークの答えは「そこ」。エレンの足元。
そこにはポッコこと顎の巨人がスタンバイしてました!
エレンは間一髪躱しますが、それはピークにとっても想定内のようで、すでに彼女たちの作戦は問題なく進行中。
戦闘開始と同時に上空にはマーレの飛行船の編隊が!
ピークはマーレを信じてないのは本心だけど、仲間は信じてると。
マーレ軍と全世界の要人はレベリオで大打撃を食らって、世界連合軍の編成を待たずにスピードを優先して単独でパラディ島に侵攻する選択を取ったと。
そして今あるマーレ軍の全兵力、車力の巨人、顎の巨人、そしてライナーの鎧の巨人で、エレンに挑みます!
ライナーはメンタルのほうは大丈夫なんでしょうかね?
どんな作戦があるのか、っつうか勝算あんの?
パラディ島側は今度は超大型巨人は使えそうにはないです。
それにマーレ側は知らないことだけど、ミカサとリヴァイは今戦える状態ではないから意外といけるのかも?
来月は進撃 VS 3巨人のバトル。
熱いです!
私は「どっちも痛い目見ればいいのに」ってちょっと思ってます!
なんか心情的に。