ゾンビランドサガの登場人物一人一人ついて感想ブログ書けそうな気がするので順不同で思い巡るまま書いてみます。
まずはサキ。二階堂サキってどんな人間だったんでしょう???
以下は全て私個人が視聴し勝手にイメージした感想です!
幸太郎がゾンビランドサガプロジェクトを始動したのはさくらが基準なようで、他のメンバーは佐賀で死んだ芸能関係に強い少女(&まさお)を求めて選んだようです。
そこに暴走族の少女が入るのがまず特異です。
アイドルも芸能も全然関係ない不思議な人選です。
しかも生前のサキはかなり荒れてる珍走でした。
警察に捕まったら少年院送りになってそうなレベルです。
暴走族が「珍走団」というかっこ悪いもののイメージが広まり始めるのは2000年くらいからでしたっけ?
その直前だから暴走族が現実社会で活発だった最後の時期でしょうかね。
(今暴走族は減少と高齢化の一途)
そんな時代で大暴れしてた不良少女です。
しゃれにならない悪事も働いてきてたんじゃないかって思いました。
親友麗子がよい家庭に恵まれず(サキも似た境遇だった?)「普通」に憧れてても、その「普通」が全く分からないところとか。
フィクションのヤンキーは人気者になれる余地がありますが(気志團やEXILE系のようなヤンキー芸風の芸能人も含まれます)、現実の暴走族は基本的に社会や地域からは疎まれ害悪と扱われるのが世の常套です。
サキはフィクションのヤンキーだから視聴者からは愛されますが、この作品世界の中では愛されて生きてきた感じはしませんでした。
麗子はどうだったでしょうか。
どうも、サキの死をきっかけに怒羅美を抜けて、(田舎ではあるけど)大きな一軒家買えるくらいの立派な社会人と結婚したようです。
ヤンキーのノリは完全に抜けてるかのように見えます。
しかし自分がやってきたことを少年院などなどできっちり社会的な清算したようには見えず、改造バイクを今でもこっそり整備保管したり、娘の万梨阿がグレても叱ることも初代総長として示しをつけることもできずにいたり、いろいろとブレた状態にいるようでした。
私には麗子は結局表面上の更生しかできてない半端な隠れ元ヤンに見えました。
そしてそれを麗子本人も痛いほど自覚してた。
自分がいかにクズだったか負い目を痛感してて、娘に偉そうなこと言えない立場だと思い、誰に対しても弱気になってしまう。
万梨阿は母の過去が周囲バレしていじめられたかもしれません。
そしてグレることでいじめを克服して、あとは母へのいろんな感情が混ざった複雑な意地で似合わないレディースを無理に続けている。
怒羅美も7代目でとっくに廃れてて、正式な襲名を受けたわけでもなく勝手に8代目を名乗ってるだけかも。
(繰り返しますがこのブログは全部私の勝手な想像です)
そんな歪んだ状態の親子を救ったのが、サキでした。
偶然の結果オーライではありましたが。
サキも生前に散々悪事を働いた不良でしたが、少年院とかの社会的な更生ではなく、なんと「死」という究極の禊を受けました。
そして幸太郎に否応なくゾンビにされ生き返り、アイドルやれと言われても従う気にもなれず、かと言って他にやることもない宙ぶらりんの状態を、さくらに叱咤されることで「いっちょアイドルやってみよう」という気になりました。
正直なところ、幸太郎が7人にサキを入れた人選は「サキならさくらと支え合える仲間になれる」と計算や期待が込められているようにも見えるし、ただ適当なようにも見えるし、結局よく分かりません。(いつか明かされるか!?)
しかしまーうまくいって、7人はちゃんとローカルアイドル活動を始めていきます。
私がこのアニメ視聴してて印象的だったのか、サキはステージを終えて観客から好評を得ると「マジか」みたいに驚いた様子をよく見せたことです。
2話のラップで拍手を浴びたときとか、9話でメインやって喝采を浴びたときとか。
私にはそれが「サキは生前他人から好かれたことがなくて、アイドル始めてから初めてそれを経験してるんではないか」って思えました。
ヤンキーは身内を大事にすると言いますが、身内でない他人への態度は散々なものですから。
「地域の人々(人数は知れてますが)が自分を好きでいてくれている」というのはサキにとって生前には想像もしなかった前代未聞の事態。
そこからサキは生まれ変わり非ヤンな仲間や地域の人々からの愛情を一身に受けてすくすくと成長しました。
8話なんてリリィのために、自分の趣味とは全然違いそうな衣装でも快く着てがばい優しい笑顔で踊ってました。
9話のサキ回は無っ茶苦茶なストーリーでしたが、サキは幸太郎に叱られる前からも決して誰にも暴力を振るわなかった点は見事でした。
鏡山で怒羅美と殺女の決闘でチキンレースが行われると察して飛んで行き、ゾンビの利点を生かして盾になりきっちり決着をつけて両チームの因縁を解放しました。
昔自分が蒔いた種を自分で刈り取ったというか。
そのインパクトが偶然だけど麗子と万梨阿を救うきっかけにもなったかなと。
(たえ除く)6人のうちただ一人芸能世界に何の関係もなかったサキは、アイドル始めて人生をやり直してるというか人生を180度変えてるって感じでした。
麗子とはまた違うやり方で、恵まれた新しい環境で。
その上で佐賀の地に残されてた珍走の因習を解放しました。
ひょっとしたらこれも幸太郎の言う「佐賀を救う」の一端なのかも?
なんてことを私は視聴してて感じたわけでした。まる。
あと余談。
生前のサキがドライブイン鳥の愛好者だったって設定。
「トップク着た珍走の集団が入りびたる店」って私なら絶対行きたくないです。
もしこれが全国規模大手チェーン店の社会的に敏感な広報担当だったら、このシーンはイメージ悪いからNGとか言ってもおかしくないです。
OKしてくれたドラ鳥は懐が深いというかのん気というか。
まーフィクションですけどね。