週刊少年ジャンプ Dr.STONE Z=80 「人類最強のタッグ」
ドクターストーンの毎話感想をかなり遅れて書いてます!
80話は氷月の理想論が印象的でした。
彼の主張には賛同はしませんが気持ちは理解できなくもないです。
氷月は前時代にどんな人間だったのかまだ明かされていませんが、管槍なんてマニアックな古武術をやってるあたり、生まれてくる時代を間違えた系の人ではないかって印象です。
弱肉強食の戦国時代に産まれてたら武勲を上げてひとかどの武将にでもなってたかも、みたいな。
でも産業革命も科学革命も経た現代社会では物を言うのは科学と法律と資本。管槍なんて何の役にも立ちません。
しかしそれがリセットされて大喜び。管槍大活躍。
彼がもっともらしい理想論を語るのですが、結局は、個人の強さで人の優劣が決まる社会を作ってそこで頂点に立ちたいという、ただの支配欲、名誉欲に見えます。
ぶっちゃけ地球とか70億人とかいう人口問題は建前に過ぎません。
ただ、人口問題が逼迫した危機であることはその通りです。
千空の「70億人を救うのが科学だ」ってのも理屈が通ってます。
でも地球上の人類以外の動植物は人類のせいで絶滅の一途だし、最先端科学の恩恵が受けられるのは金持ちだけで、貧困層が享受できるほど浸透するまでに貧富の差が広がり続けることもあって彼らは大勢死にまくるし、千空は綺麗事の理想論しか見てない面は確かにあるかと。
とまあ現実社会では本当にマジで難しい問題なんですが、この漫画の世界観はもう状況が全然別物です。
全人類が石化して数千年。多くの石像は割れたり欠けたり風化したりと修復不可能になってるんだから、氷月の言う「間引き」はもうとっくに完了してしまってる世界です。半分以下とかじゃないでしょうか。
それに人類がいない間に地球上の野生動物の生態系、個体数が回復してます。
羊とか蚕とか人類がいないと生きていけない家畜動物は絶滅してるでしょうけど。
仮に千空達がどんな石像も修復する術を見出して本当に70億人全員が復活しても、70億人がその日からまたすぐ環境破壊社会を再開するわけではないし、食糧問題ももう解決しています。
コンピューターも、鉄も石油ももう(ほぼ)ない世界ですから、元の大量消費社会の再生もそう簡単にはできませんし、多くの人類は、石化から復活して大自然と化した地球を見てそれを繰り返そうと思わないかもしれません。
氷月の理屈はそのへんを無視しててやっぱり稚拙なんだと思います。
リセットされた社会で自分が王様になりたい気持ちは理解できなくもないですが、でもそれが他人の(特に千空の)共感を得るのは無理なわけで(みんな自分が王様になりたいですもん)、結局暴力による脅迫を始めてしまいます。しょぼいなあー。
そこで立ち上がったのが司。
千空とタッグを組んで氷月を撃退するんだそうで。あっそ。
ところで、川に落ちて濡れて髪型が崩れた千空ですが、手櫛ですぐに元の逆立ちヘアーに戻ったのは笑えました。
次回へ続く!