タイトルと冒頭をパラパラ見て予想してたのと実際の本の内容がめちゃくちゃ違っていました。
アラン・ワイズマン著 鬼澤忍訳 「人類が消えた世界」早川書房
タイトルそのままに、もしもこの地球から人類が消えたらどうなるのか予想というか思考実験というかそういうのを期待していましたが全然違っていました。
ライフアフターピープルとかアフターマンとかフューチャーイズワイルドとかそういうのを期待していました。
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ライフアフターピープルはまさに人類が消失したら地球がどうなるのかを描いた作品です。
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アフターマンやフューチャーイズワイルドは人類滅亡後の動物がどんな進化するか予想する本。
絵が豊富で科学考証が本格的でいて空想未来動物が荒唐無稽っぽくも感じてまさに読んでて「楽しい」と思える本です。
で、この「人類が消えた世界」も私の大好きなそういう分野なのかなと期待して読み始めたのです。
冒頭のカラーページにも人類が消えて1日後、1年後、100年後…といろいろ地球がどうなってるのか想像図が豊富に載ってましたし。
でも実際に読んでみたら「空想未来予想」のワクワク感は何一つない本でした。
いや、人類消失後の地球がどうなるかはちゃんと執筆されてはいるんです。
でもその部分は全体の1割程度でしょうか。
じゃああとの9割は何が書かれていたのかというと、人類がいかに環境破壊をしてきたかを切々と語っているんです。
はっきり言って読んでて憂鬱になります。
人類の罪深さに。
そういう本を読もうと思って読み始めたわけではなかったぶんなおさらです。
人類は太古に封じられた化石燃料を燃やしまくって二酸化炭素を充満させました。
人類は新大陸に進出してはそこにいた野生動物を皆殺しにして絶滅させまくりました。
人類はプラスチックと重金属と放射性物質を海や大地に撒き散らしてそれは向こう何千年も分解されずに動植物を現在進行形で殺し続けてます。
オゾン層壊してます。
森を削って砂漠を増やしてます。
……次々と語られます。
世の中のいろんな研究者などに意見を聞きますが、全ての人が「もし人類が地球から消えたら動植物はみんな復興します」って口をそろえて言ってます。
まるで「人類なんか滅べばいい」と言っているかのようです。
そうするのが地球上の人類以外の全ての生き物を救うベストな方法かと。
ドードーやリョコウバトやステラーカイギュウなどといった絶滅動物に謝りたくなります。
でもかといって昔の人が残酷でどうしようもなかったと責める気にもなれません。
自分が食べるために狩りをしてて、狩るのが簡単で肉がたくさんあったり、毛皮とかがお金になったり、そういう動物がいたら狩らずにいられるとはとても思えない…。
私がもしその時代なりの知識や意識しかない狩人だったらやっぱり乱獲に加担してたと思います。
プラスチックも普段の生活で使いまくってますし。
原発は建てたものをなかったことにはもうできないし。
こんな憂鬱な気分になるんなら読むのやめたらいいのに、全ページしっかりというわけではありませんが結局なんか最後まで読んでしまいました。
若い頃はかわいい美少女がたくさん登場するコメディ漫画を期待して読んだらクソ憂鬱な展開だったときに打ちのめされたことがありましたが、久しぶりにそういう感覚を味わいました。