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「古生物たちのふしぎな世界」感想 古生代に焦点を絞った楽しいヘンテコ生物「図鑑」

ブルーバックス 「カラー図解 古生物たちのふしぎな世界」土屋健 田中源吾著 って本読みました。

 

図鑑にちょっと近い、大部分のページにカラーイラストがある新書です。

 

古生物のカラーイラスト。それも古生代がメイン。

 

見てて楽しい本です。

 

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古生物の本、かつ、そのカラーイラストが豊富な本となると、世の中やっぱりガチの図鑑が大部分を占めるのだと思います。たぶん。

 

ってことはそれは子どもが喜ぶような恐竜の図鑑がやっぱり自然と一番多くなると思います。たぶん。

 

しかしこの本はそこを敢えて外した恐竜以前の時代、古生代がメインのちょっと珍しい本です。子ども向け感は低いです。

 

恐竜の時代は中生代。滅んだあとの今は新生代。恐竜が登場する前の時代「古生代」の生物を紹介してくれる本です。

 

 

この本に書かれてあることはおそらく、古生代が本当に好きなプロ&アマチュアにとってはとっくに知ってることばかりなんだろうなって感じがしますが、我々全然無知なド素人にとっては初めて知ることばかりです。

 

古生代は6つの地質時代に区分されてて、古い順から、カンブリア紀、オルドビス紀、シルル紀、デボン紀、石炭紀、ベルム紀、という並びなのですが、これをすでに暗記してるかどうかが「ガチの古生代好きか素人か」の基準。っていうのはどうでしょ。今私がふと思いついたんですが。

 

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ちなみに私は中生代の地質時代は暗記してます。三畳紀、ジュラ紀白亜紀、八代亜紀。

 

新生代の地質時代は暗記してません。古第三紀、新第三紀、第四紀、と言うそうですが、なにそのネーミング。誰がこんな変な名前つけたのやら。

 

なんか地震の震度のネーミングみたいに変。震度5弱とか震度5強とかみたいな。

 

 

いや新生代や地震は今はどうでもいいです。古生代です。

 

 この本は古生代に、6つの地層時代に、2億8900万年間に、「こんな生物がいたよ」ってのを著者のセンスでピックアップした100種類の古生物の図解と解説文が載ってます。

 

この本を最初に見かけて「たぶんこんな本なんだろうな」って予想するその通りの内容の本でした。

 

図鑑ってたまになんか読みたくなるというか見たくなる気分になりません?私はなります。

 

この本はその期待に応えてくれます。

 

 

本の冒頭は古生代ではなく、さらに昔の生物も少し紹介してくれます。

 

この本では「先カンブリア時代」とまとめていますが、wikipediaでは古い順に冥王代、太古代、原生代というそうで、その末期の「原生代エディアカラ紀」の超古生物。

 

それ以前ともなると生物の化石は微生物しかいなくて、微生物じゃない何らかの生物が化石として残る最古の時代、エディアカラ紀はそういうのが一気に増えて、その生物群集をエディアカラ生物群と呼び、増えた現象はアヴァロンの爆発と呼ぶそうな。

 

で、そのエディアカラ生物群は現代の生物の常識からは訳が分からんものだらけだそうで、化石を見ても、動物か植物かも、どっちが前なのかも、全然不明だそうで。

 

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いいですね。この本を手に取る奴はそういうの変なのを見たいんだってことが著者はよく分かってます!

 

期待を裏切りません。

 

 でもまー、ヘンテコ生物は時代が進むと自然と減っていきますから、この本は後半はまっとうなトカゲっぽいとかの普通のやつばっかになってしまいますが。

 

 

 

 

私が素で覚えてる古生代の生き物の名前はアノマロカリスハルキゲニアです。

 

その二つも当然載ってました。

 

どっちも古生代初期のほうのヘンテコ生物。

 

 

アノマロはこの本の表紙のメインを飾ってます。

 

やっぱ主役格なんです。たぶん。人気キャラ。正式な名前はアノマロカリス・カナデンシス

 

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カンブリア紀の覇者。かっこいい。

 

 

 

そしてハルキゲニア。私は「進撃の巨人」で存在を認識するようになりました。

 

こいつは1977年に発見されて、一体何なのか全然分からん謎生物だったのが、1992年にはどっちが上か分かり、2015年にはどっちが前か分かったと言う。学問の進歩を感じさせてくれるロマンヘンテコ生物です。

 

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でも全長3㎝でかなり小さいのね。進撃の巨人に出てたのは1mくらいあって、ラストでは50mはありそうなのが出てきましたが。

 

進撃の巨人では、巨人がどうやってあの巨大な肉体を出現させて、どうやってものすごい運動や熱エネルギーを発生させてるのかは謎のままで完結しました。

 

ただ作中で明言はされませんでしたが、なにやら、こいつが人類にその力を与えてたっぽいって描写がありました。

 

はたしてこいつはそういう凄まじい存在だったのか!?

 

 

 

あとこの本で面白かったのは目玉の数に関するところ。

 

今の時代ではだいたいの動物は目玉の数は2個です。複眼を含めて。

 

蜘蛛とかホタテとか例外も多くいますが。

 

しかし古生代にはその常識と言うか通例というか、それが全然通用しないのがいたそうで。

 

まずは目玉が1個だったというカンブロバキコーベっていう甲殻類。エビみたいな生き物?

 

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複眼ですが、頭の先端がまるまる一つの複眼だったという。

 

 

そして目玉の数が5個のやつ。オパビニア

 

なにをどうしたら目玉の数が5つに進化するのやら。

 

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なんか古生代ってのは、「生き物の試作品」が大量に作られて、化石に残ってないのにはきっと目玉の数が6個とか7個とかのやつもいて、たまたま生き残って主流になったのが2個のやつだったのかな、なんてことを想像します。

 

それでこそヘンテコ生物。

 

 

 

それ以降は本当に普通にまっとうな生物の進化って感じです。

 

ウミサソリとか、両生類の誕生から陸上への移動とか、あと三葉虫とか、アンモナイト類とか、単弓類とか。

 

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単弓類なんてもうほぼ恐竜ですもん。

 

その中で、古生代末期のベルム紀のイノストランケヴィアってのは人気があるんでしょうか?私は初めて知りました。古生代最後の覇者だったそうで。

 

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でもやっぱり見た目は普通に恐竜。

 

 

 

 で。古生代は終わります。

 

超大量絶滅が起こり、栄華を誇った単弓類は滅び……はしませんでしたが、恐竜類に王座を奪われる、と。

 

(恐竜類は爬虫類から進化したの?よく知りません)

 

この大量絶滅はなぜ起きたのかは謎だそうで。

 

そして中生代でも大量絶滅が起こり(こっちは隕石説が有力で有名)恐竜は滅び……はしませんでしたが、単弓類の生き残りが獣弓類を経て哺乳類になったやつに王座を奪い返された、と。

 

っていう本でした。

 

面白かったです。

 

 

我々の新生代もそのうち大量絶滅が発生して、哺乳類の時代も終わっちゃうんでしょうかね?

 

それは、隕石か!? 火山噴火か!? 核戦争か!?

 

そういえば、核戦争って、もし地球のあちこちで核爆弾が爆発しても本当に核の冬が発生するかどうかは不明なんだそうですよ。

 

いやまー、だからって安心ってわけでもないですけどね。

 

なんにせよ地球規模の大災害が起きたら我々ホモサピの文明の危機ではあります。

 

それを防ぐ方法はやっぱり地球脱出しか無いでしょうかねえ~。

 

宇宙の10光年以内にはハビタブルゾーンがいくつかあるらしいので、新生代が滅びるまでにそこまで行けるようになれればとりあえず人類やいくつかの動植物は滅びずに済むでしょう!

 

なんてことにもちょっと思いを馳せたりもしました。

 

 

 

 

 

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