「Z-11 科学の武器」
千空死んでしまいました。
ここ数話でいわゆる死亡フラグってやつがビンビンでしたから、こうなることは意外ではありませんでした。
いや、意外だったかな…?
このドクターストーン新連載第1話を初めて読んだときには千空が死ぬとは全く思っていませんでした。
これは千空が(大樹を相棒にして)文明を復活させていく漫画なのだと思ってました。
人を少しずつ増やして、(火の鳥やJIN-仁-でもやってた)ペニシリン作ったり、時計を作ったり、綿花栽培したり、道路やゴムタイヤを作ったり、通貨や法律を作ったり、できることやすべきことはいくらでもあるからそれを一つずつ成し遂げていく漫画なのかなと予想してました。
学習漫画の博士と少年くんと少女ちゃんみたいな。
でも全然違ってました。
改めて思うと素直にショック受けてます私。
この期に及んで実は生きてるというのはなさそうです。
作中で「千空が最期に残した」なんて言葉が出てくるくらいですから。
先週まではそれにかすかな期待をしてなくもなかったですけど。
と言いつつ実は生きてる…?
いやー。
自分の当初の予想を外されたこともショックですが、千空の死は大樹と杠にとってとてつもない損失で、そんなことさせちゃうのかよ!と無情に感じました。
特に杠は目覚めさせられて以降過酷な目に遭わされ続けています。
かわいそうすぎ。
この先二人では箱根から東京のあの奇跡の水の場所に帰ることすらとても困難になることでしょう。
ちゃんと生きていけるかもあやしいです。
まあ帰らずに狼煙の人物と合流するのかもしれません。
重要キャラが途中で死ぬ物語というのはなくもないです。
思いつくのだと、テラフォーマーズのアドルフとか、ヒカルの碁の佐為、ミドリのマキバオーのチュウ兵衛、銀河英雄伝説のキルヒアイスなどなど…。
あとなんといってもタッチの和也。
タッチはそれのおかげで名作になったと言っていいと思いますが、はたしてドクストはどうなるか…。
司に関して、今週とても不思議な演出がなされていました。
先週にあった千空の思い出の回想にもし司が混ざっていたらという謎のイメージが描かれていました。
これは司本人が想像したものではありません。
千空の思い出の内容を司が知るわけがないのですから。
じゃあこれは誰の何のイメージなのかというと…神の視点というかわからないというか観念的すぎてなんか言葉でうまく説明できません。
それもあって読んでて気持ち悪かったです。
自分がたった今殺した相手を「友達になれてたかも」とか感傷に浸りつつのこのイメージですから。
「仲良くできたかもしれない相手を殺さなくちゃいけなかっただなんて、なんていう悲劇!」という司の感傷は気持ち悪い茶番に過ぎないよという演出なのかもしれません。
今までも司は見てて疲れる気持ち悪いキャラクターでしたが、まさに最高潮です。
彼にかろうじて共感できるのは現代社会の腐敗を憎むところのみで、それ以外の思想や言動はとても理解の範疇を超えていました。
結局それで千空を失った大樹と杠が取った選択は、司を殺すことです。
そりゃそうなるでしょう。
司は千空を殺してしまった後に2人を従えたりとか袂を分かったりとかできるとでも思ってたのでしょうか。
千空とそれができなかったからこそ殺したっていうのに。
だとしても、人を傷つけることを極度に嫌う2人に殺人を決意させるのは尋常ではないです。
しかも2人は怒りと憎しみを燃やしてるわけではなく正気を保って決意と使命感をもって殺人を決行します。
司は石像を壊し意にそぐわぬ人を殺す→それは止めなきゃいけない→殺すしかない……という千空が前々から意識してたことを2人はこの一瞬で決意し実行します。
遅すぎましたけど。
それに重い。
笑顔なのが怖いです。
死んだ仲間と生前に交わした約束を果たしたいんだ!という気持ちですが、それでやることが兵器で人を殺すことなんですから。
千空の思い出の中の3個の人形には司の人形が置かれる余地はないということです。
今週の人形のイメージは3人と司が相容れることなんて決してないことを強調しているのかもしれません。
……なんつうか、もう、今週は「ドクターストーンってこういう漫画だったの!?」と認識を改めた話でした。
あと何度も書いたことですがやっぱり千空がわざわざ目立つ狼煙をあげていたことを司が疑問に思う描写が全くなかったことはどうもひっかかります。
でもここはもうどうにもならないかなあ。
それと司は今回の爆破で死んだでしょうか?
もしこれで実は生きてて改心して仲間になるとかいうのになったらどうしよう。
今後の予想が全くできないまま、次回へ続く!