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セメント製のゴミ箱は撤去できない

先日、ごく普通の小さな公園で謎の物体を見かけて、近寄って確認してみたら「かつてゴミ箱であったもの」でした。

 

その物体が公園に残り続けてることが妙に切なかったです。

 

とある公園、本当にどこにでもある小さな公園です。

 

通りかかったときに謎の物体が目について、なんなのか全然分からなかったので近寄って確認することにしました。

 

 

道路から見たときは古井戸なのかもと思ったのですが、でもそんなもんが公園にある筈もないし、なんだろうと。

 

 

「くず入れ」でした。

 

セメントかコンクリートかでできているくず入れが、中身にもセメントがみっちり充填されていて、ただの「セメントの固まり」と化しているかつてゴミ箱だったものでした。

 

 

このゴミ箱はおそらくかなり昔、きっと30年以上は前にこの公園に備え付けられたゴミ箱で、誰でも自由にそこにゴミを捨てることができて、その清掃は町内会とか自治体とかがやってたのだと推測します。

 

セメントでできてるところに、なんか、仮にタバコの吸い殻とかが捨てられて発火してもノーダメにしようという豪気さも感じます。

 

しかしその制度は割とあっさり崩壊したのです。

 

時代とともに、公園とか駅とか商業施設とかに安易にゴミ箱があること自体が社会的リスクになってきたし、定期的に清掃をするのも住民の負担になりますし。

 

あえなくこのゴミ箱は廃止されました。

 

セメントの表面の様子からこうなってからも結構な年月が経ってそうな印象がしますので、設置されてから廃止されるまでの期間は割と短かったのではないでしょうかね。

 

 

 

この廃止の仕方もまたとても象徴的です。

 

元の素材がセメントなもんだから、簡単に撤去できません。

 

頑張れば人力で粉砕することはできなくもなさそうな印象ですが、それをするにはかなり体力が必要です。

 

そんな体力使うくらいなら、セメントを買ってきて中身を埋めてしまったほうがまだ楽だったのでしょう。高齢者なら特に。

 

そんな経緯でこのゴミ箱はただの石塊と化したことが想像されます。

 

 

さらに切ないのは「くず入れ」という名札だけが残されてるところです。

 

私はこの名札があるおかげでこれが「くず入れだったもの」だと理解できたので、ありがたいことではありますが。

 

もし無かったらこれは本当にただの謎の石塊です。

 

名札があるおかげで、これの正体が分かるうえに、その切なさも分かるという。

 

 

「一度作ってしまったものが、あっさりと用済みになってしまったけど、簡単に撤去もできない」という、世の中でよく聞く話が、こんな小さな公園にも存在してたのでした。

 

私はこの公園を通りかかって立ち寄ってこのゴミ箱跡を見たときに、そういうこのに思いを馳せて、妙にしみじみしてしまいました。

 

 

 

 

 

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