パワーちゃんは最高でした。
私は前回のチェンソーマン90話がパワーちゃん最低で超面白かったので、はしゃいで衝動的に感想ブログを書いたのですが、今週の91話読んだらそうした自分が恥ずかしくなるくらいパワーちゃんは最高でした。
パワーちゃんに謝りたいです。最低とか言ってごめんなさいと。
今週のあなたは、読んでてジーンとするくらい、切なくて素敵で立派でしたと!
(↑先週書いた私のアホなブログ)
でもちょっと言い訳はしたいです。
パワーちゃん、前回、マキマに脅されてあっさり屈して、ポチタを裏切ってチェンソーマン(デンジ)を差し出して、ラストのコマで「ワシの手柄じゃ!」ってほくそ笑んでたじゃないですか。
あれを見たらクズだって思ってしまいますって。
しかしパワーちゃんはクズではありませんでした。
今週号でマキマをさらに裏切り、彼女に勝てるわけないと、せっかく生き返ったのに自分はまた彼女にこれから殺されると、分かっていながらデンジを連れて逃げ出します。
そして案の定マキマの放つ追っ手にすぐにズタボロにされます。
これでもう死にます。
マキマに従ってればそこそこ楽しく生きていられたのに。
ズタボロになって逃げるパワーちゃんが思うことは、命というものの軽さ。
ましてやこの漫画の世界観では人の命なんてゴミクズのようなものです。それを弄ぶ存在にとっては特に。
そしてゴミクズは最後の力を振り絞って、路地裏のゴミ箱に自ら入り込んで隠れます。
自分自身の命もこの世の誰の命もゴミクズだけど、デンジだけは違うと信じて必死に。
前回のあのパワーちゃんから、今週この子がこんなこと思ってそして行動するなんて、私は本当に予想もしていませんでした。
ゴミ箱の中での二人のやりとりは、この漫画の物語がしっかり頭に入ってない私でもジーンときます。優しさと愛と切なさに満ち溢れてて。
久しぶりに登場したデンジは、やっぱりもう生きる希望を無くしてました。
昔の自分からは想像もできないような楽しい生活を(いったんマキマから与えられて)できたし、この先は生きててもしょうがないし。パワーちゃんもこの世からまた消えるし。
でもパワーちゃんがそれを許しません。
彼女はデンジに血と力と愛と生きる希望と新しい契約を与え、そして死んでしまいました。
あああああパワーちゃん……。
デンジは元の姿と正気を取り戻して、ゴミ箱から起き上がります。泣きながら。
そこには岸辺が。
「お前はデンジか?」
そして無言でピースを決め。泣きながら。
決意を固めた男の顔です。かっこいいぞデンジ。
ああもう本当に私はパワーちゃんが急に見せた愛に完全にやられました。
彼女自身はデンジと「友達」だと言いますが、ネットのあちこちでは「真のヒロイン」「正妻」などなどと言われますが、なんかもうそんな定義なんかどうでもよくなるくらいの愛だと私は思いました。
ゴミ箱の中で生まれる愛が、本当にもう美しくて切なくてたまりません。
パワーちゃんはポチタのとの約束を完璧に遂行しました。
これ本当に、すごい構成だと思いました。
パワーちゃんは先週復活して普通にそのまま今週の話をやっても良かったんです。
それだけでも私含め多くの読者はじゅうぶんに感動してましたって。
なのに、わざわざ1話挟んで、彼女がマキマにイキッて挑んで、叶わないと悟って、ポチタを裏切って、マキマに屈服するシーンを描くなんて、もう、本当に、もう、普通じゃないです。
私は作者藤本タツキの完全に掌の上でした。
ともあれ!これでデンジの復活です。
彼はこれからマキマと戦うのか?
そしてこれからの彼の生きる目的のひとつは、血の悪魔を探して、パワーちゃんに戻すこと。なんですよね?
きっと再会できますよね?