ドラッグストアに「ルミンA」っていう薬が妙に大々的なディスプレイで売られています。
前々から見かけて印象に残ってはいるのですが、どういう薬なのか全く分かりません。
店内の結構目立つ一角に積まれているルミンA。
何より目立つのはその値段です。
2種類あって安いのでも60錠3700円。
高いほうは120錠で10000円と、かなりのものです。
パンフレットだけなら無料なのでありがたく持ち帰ります。
細胞賦活用薬という全く見慣れない名前。「ふかつ」って読むの初めて知りました。
その効能がやたらと万能で、あまりに万能すぎて、はっきり言ってしまいますが怪しいです。
とにかく細胞を元気にする薬で、普通のケガ、やけど、湿疹、花粉症、水虫、いろんなものに効きまくると。
「第3類医薬品」の表示があります。
ん?
第3類?
確か、第1類がロキソニンとか薬剤師の説明が必要で効き目も副作用も強めの薬で、第2類、第3類と弱くなってくんですよね。大雑把に言って。
アリナミンとかサロンパスと同じカテゴリー。
こんな物凄い効能なのに第3類なのか……。
効き目がすごいけど副作用は弱い人類夢の薬だから第3類だとか???
あと「何歳からでも飲める」というのがちょっと強烈。
3歳未満はだめですがそれも「錠剤が喉につまるおそれがあるから」っていう理由です。
有効成分は「クリプトシアニン O.A.コンプレックス」というらしく、メーカーの林原のサイトによれば、1950年に販売されてから、以後70年近く何も研究的な動きは特になし。
ここ以外の他メーカーが「これはすごい成分だから我が社も研究開発するぞ!」とはならなかったようです。
評判はどうなんでしょう。
実際に買って「効いた」って報告は、個人のブログではいくつもありました。
あと販売してる側のサイト内の「お客様の反応」は絶賛の嵐。
猫とか動物にもおすすめって言ってる人もいました。
もうちょっとまとまったレビューどこかにないかなあー。
amazonや楽天やヤフーの通販サイトでも売られています。第3類ですからね。
でもamazonでルミンAを検索したら、なんとレビューが一つもありません。
星5つも、星1つも、誰一人つけてない!!!
な、なんで?
絶賛も不評も全くないのが怖いです。
仮にこれが何の効き目もない詐欺だったとしても、買ってみて「何の効果もなかった!騙された!」って思った人はどこかでそれを語りそうなものなのに。
そういう声を聴きたくて調べたけど、楽天とかにも全然見当たりませんでした。
メーカーの「株式会社林原」は2011年に一度倒産したらしいです。今はよその企業の100%子会社だとか。
こんなすごい万能薬なのに倒産しちゃったのか……。
うーむ。いろいろ検索してみてやっぱり、信用できない薬って印象です。
本当に効果があるのなら世の中が注目しない筈がないって点と、第三者のレビューが全くないって点の2点で。
異様に高価なのも理由がよく分からなくて「高価だからよく効く」って誤認を誘ってるようで印象悪い。
厚生省の第3類医薬品の認可受けてるのも、効果も確認できないけど副作用もないから買うかどうかはご勝手にって意味に感じます。
「すごい効果があるし副作用もないよ!」なんていう夢の薬はやっぱりこの世にはないってことでなんしょうかね???
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