恭一、生存!
恭一はもしかしたら生き延びる可能性もあるとは思っていましたが、まさか本当に生き延びちゃうとは!
週刊ヤングマガジン 原作:山川直輝 漫画:朝基まさし 「マイホームヒーロー」
でも、前回の感想ブログでも書いたのですが、私はここで恭一がすっぱり殺されることを期待していました。
恭一が大嫌いだとか人が死ぬシーンが見たいとかいう意味じゃなくて、恭一の死が物語の上で大きな区切りの一つになると思ったからです。
この漫画はまだ続いて欲しいけど、メリハリ的に「ひとつの決着がつく」っていうのがあったほうが読者としてはスッキリ感を味わえるから。
その点でいえばちょっと残念でしたが、しかし、よく読んでみると恭一が生き延びることはちゃんと意味のある流れになっていました。
42歳主婦歌仙が頑張って恭一のマンションに侵入した際、見事に侵入&金庫開けに成功したのですが、一点だけ、設備に傷をつけてしまうミスを犯すシーンがわざわざ挿入されていて、読んだときは「ん?」となったのですが、その後に恭一がそれを見つけて、そこが自分をハメたのが鳥栖夫妻だと見破るきっかけになったので、あれは意味があるシーンだったと納得がいきました。
なんとか逃亡に成功。
恭一が鳥栖夫妻にハメられた報復に夫妻の手口(延人を殺し、その罪を恭一になすりつけた)を暴露する相手に選んだのが、麻取義辰でした。
そこから以前哲雄と義辰がバーで出会ったことに繋がったりもして、恭一が生き延びたことで、これまでに出てきた要素がいくつか生きたわけです。
だから恭一の生存はまー納得です。嬉しくはないけど。
彼はもう組織に追われる身となったので、とりあえずは群馬まで逃げてあとは潜伏して生きていくのでしょうか。
義辰に暴露したので組織にとっては恭一を追うことは最優先事項でもなくなっただろうから、日本のどこかで逃げて隠れて生きていくのはできそうな気がします。
しかし彼の母親が都内で何も知らずに暮らしています。
組織がもし本気になれば母親を捕まえて惨殺するくらいは容易にやるでしょう。
そのへんはどうなるか心配です。
でももう恭一はこの漫画に登場しない可能性もあって、そうなったらそのへんは籔の中になってしまいますが。
恭一を逃がしてしまった竹田と下っ端二人の失態はどうなるのかも気になります。
そのせいで「延人殺しの犯人を適当にでっちあげて義辰に納得してもらう」という窪の計画が台無しになって、さらに窪は義辰の前で謝罪するはめになりおそらく信頼も失いました。
私が窪だったら竹田たちに超ブチギレるんですけど!
犯罪組織の男が三人いて、あちこち負傷してる男一人を拘束することもできなかったんですよ。
粛清されるかも!?
溺愛している息子延人の死が確定して、義辰は狂乱します。
しかし一通り泣いたら次の瞬間には冷静になって、ちゃくちゃくと延人殺しの真犯人を見つける作業を本格的に開始する様子が素晴らしい「頭のおかしい人」っぷりの演出です。
ジョジョのエシディシとも違う、独特の感情の振れ幅です。
これからは義辰が鳥栖夫妻を追及していくターンになりそうです。
しかし、哲雄もめっちゃ苦労してるのになかなか報われません。
苦労して苦労して苦労して恭一を犯人に仕立て上げたのにそれも無駄になったってことですから。
このへんも、読んでて、恭一をハメるのに成功して一度は「勝利した!」って感覚になれたのに、またあの苦しい戦いの日々が続くと思うとちょっと疲れてしまいます。
でも哲雄が今度は義辰に勝つところが見れるかもしれません。
そのへんの頭脳戦に期待を込めて読んでいきたいです。。
私はこの漫画の結末は鳥栖夫妻にハッピーエンドが訪れて欲しいとは思っていませんが、夫妻が組織に勝つことは願ってます。
いっそ組織を滅ぼすくらいやってもいい。
今回の恭一生存は勝利感が損なわれて多少落胆しましたが、今後も楽しみなところもまだまだあるわけで、期待を不安を抱きつつ、このマイホームヒーロー注目を続けていきたいです。
娘の零花は相変わらず頭が悪くて、今回はそれに和みました。
まーでも、親が殺人の隠蔽とかヤクザと戦ってるとかなんて普通想像できないから仕方ないです。
それにこの推理、辻褄は通ってますし!
がんばれマイホームヒーロー。