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ひみつのアイプリ1期最終回感想 小さな箱庭で起こったささやかな奇跡

ひみつのアイプリのアニメ、の、「1期」を最終回まで全51話視聴しました。

 

ずっと「小さな世界の中での物語だな」という印象でした。でもだからこそ良かったのかなとも思ってます。

 

大きな感動はしなかったのですが、小さな良かった点がたくさんあり、悪い点は特に無かったと思います。

 

まーコーデの精霊が具体的に何者なのかなどなど曖昧な点がちょっとあるのは気にはなったし、チィアイスマイリンの扱いに若干不満もあったけど、そのへんはあくまで私の個人的好き嫌いの次元なので「ここはおかしい」「ここは駄目」っていうほどの欠点は本当に無かったんじゃないかなー。

 

さて。私はプリティーシリーズはプリパラからアニメを楽しんでます。このブログではプリパラ、アイドルタイムプリパラ、キラッとプリチャン、ワッチャプリマジのアニメの感想は放送時にちょくちょく書いてたのですが、アイプリの感想ブログを書くのは1期最終回の今回が初めてです。

 

その理由の一つは1期を視聴してる途中では特筆したいこととかブログに書いて吐き出したいほどの強い動機とかが特に無かったから。絶賛も批判もしないって感じでした。

 

そして特別に好きなキャラもいませんでした。みつきがかわいくてチィに心響くものはありましたけど。でも逆に嫌いだとか趣味じゃないというキャラもいなくて、なんかどのキャラもみんなちょっとずつ好きって感じで、ずっと生ぬるい好感でみてました。

 

 

 

 

そういえばプリマジのアニメが終わったときは無念でした。そのときはもうこのシリーズのアニメは終わっちゃうんだなと思ってました。でも1年後くらいにアイプリが新発表されたときは驚きました。

 

しかしそれだけに、あんまり感情的に入れ込み過ぎてまた終わってしまったら悲しいので意図的に一歩引いた視点でみようと思ったのかもしれません。今になって思えば。

 

 

そんな様子見感覚で放送を何話かみてすぐに気づいたのはプリマジ以前と比べてすごく「規模が小さくなってる」ってことでした。

 

ひまりやみつき達はみんないつも決まった服しか着ません。学校の制服、体操服、パジャマ、アイプリバース内でのいつもの衣装、基本この4種類だけで、季節の私服は最初から存在しないという徹底っぷりでした。夏の水着とかは特別の例外でした。プリパラ、プリチャン、プリマジではみんなかなり豊富な私服コーデを季節ごとに切り替えてましたが。

 

そして場所もほぼパラダイス学園内とアイプリバース内だけ。全放送時間の9割以上この2箇所だけで舞台を回してました。お出かけをするとか街の人々と交流するとかも全然無し。私立パラダイス学園がなんという街にあるのかも分かりません。というか街の概念がありません。パラ宿とかキラ宿とかマジ祥寺とかの。

 

 

さらに、MCアイムゥやアイプリバースデー審査員スパイシーPミズ・マカロンDJホット達の出番のときは毎回ほとんど絵が使い回しだったように見えました。

 

またこの世界ではアイプリのライブはスマホとかで日本全国(全世界)で視聴できるようですが、客席も観客も存在しません。視聴者の様子が描かれるときも絵が使われるのは家族と校内の教師生徒だけで、全国の「プリトモ」は全てバーチャルのプリチケとアイコンだけで描写されてました。

 

 

とにかく衣装デザインや背景やサブキャラデザインや美術などなど、作画において徹底した省コストがなされてるのを感じました。すっごく低予算での限られたリソースをやりくりして製作してる、という印象がとても強かったです。

 

これは相対的に低予算アニメと言っていいと思います。プリマジ以前と比較したら製作費はかなり少なくなったのだろうと想像しました。

 

小さな小さな箱庭の中だけでの物語でした。

 

 

 

しかし。このアニメは「だからこそ良かった」って点が多かったのではないでしょうか。

 

プリマジが無念の結果となった後にこの新作を立ち上げるのは並々ならぬ苦労があったのだと察します。

 

そして非常に限られたリソースをどこに注力するかどこを省エネするか繊細な判断をして、ビジュアルがみすぼらしく見えないように細心の工夫を施して、小さな世界だけで成立できる物語を綴って、私は視聴してて、予算が少ないことをスタッフ各位が必死に工夫で補った入魂の鋭意のようなものをよく感じました。これは感嘆に値する仕事だったと思います。

 

人は制約が多い中でこそ実力を発揮することがありますが、まさにそれだったのでは。

 

 

 

以前のシリーズと比較したらこじんまりとした内容であったことは否めません。しかしそこも風呂敷を広げ過ぎずにいたからこそちゃんと畳めたとも言えます。

 

で。やっと作品の内容の感想になるんですが。タイトルが「ひみつの」ということで、この物語での秘密って何だったのかと言うと、つむぎですよね。序盤はみーたんの隠し事とかの小さな秘密もいくつかありましたが。

 

正直つむぎの正体の謎解きは細かい部分はかなり曖昧でした。もともとは幼いひまりの話し相手として製作されたAI。製作者のひまりパパはアイプリのエンジニアだったのでむぎちゃんとアイプリに通じるものはあったとしても、なぜ彼女が黒髪つむぎの姿でバース内に出現したのか、なぜアイプリのプリンセスになったのか(なれたのか)私はあんまりよく消化できてません。

 

というかアイプリの存在そのものがかなり曖昧です。人が作ったものだけど精霊のような超越的存在が支配してるようにも見えるし。

 

しかし今作の場合は曖昧でも特に困ることがないので、それで別にいいとも感じました。

 

その、プリパラのときは「システム」が具体的になんなのか全然謎なままプリパラシステムが主人公達に理不尽で残酷な試練を課すたびに、その説明を全部「システムでーす」で放棄してたことが世界観の大きな欺瞞だと感じたのですが、今回は曖昧でも別に歪むところは無いのでいいかなと。

 

私がこのへんを大らかなスタンスで受け入れることができたのは、最初から一歩引いた視点で視聴してたおかげだったのかもしれません。

 

というわけで私は、つむぎが白いプリンセスに変身したり、ダークアイプリが誕生したり、お友達エナジーが問題を解決したり、最後につむぎが生還できてプリウサになったりした経緯をどれも深く疑問視せずに素直にそのまま受け取って物語を楽しむことができました。

 

粗探ししようとすればいくらでもできるのかもしれませんが、そうする必要は全く無い作品でした。

 

 

で、そんな軽くポジティブなスタンスで視聴してたら、ちょっとしたいいところもいくつも見出せた気がします。

 

例えば、つむぎはひまりとアイプリのために生み出された存在なのに、彼女がその使命とは別にチィと仲良くなりたがったこととかに、彼女にも人格や自由意志があるんだなと感じることができましたし。

 

みつきはそのポジション的にすぐにひまりとの百合だのレズだの言われがちで、実際に百合っぽさはありましたが、でも彼女はそういうテンプレに収まらない独特な感覚も持った子に見えて魅力的でしたし。怒り方とか悩み方とか新鮮でしたし。「ミーちゃんねる」という武器があったのも強力でした。

 

チィは「雑に扱ってもいいキャラ」「負けさせていいキャラ」にされたことにはみてて多少の不満はありました。前半では彼女が何か話してもひまり達が無視して「聞きなさいよ!」って怒るパターンが何度かありましたがあれはくどかったですね。

 

彼女がようやく日の目を見るのは後半のダークチィが誕生してからで、そこからはむしろ破格の扱いでしたね。この作品の主人公はひまりみつきつむぎの3人なのでチィがやった役割はみつきが担当してもおかしくなかったのに、あえてチィに担わせた采配には私は「前半苦労した甲斐があったなあ~」と妙にしみじみと感じ入りました。

 

あとダークチィはラスボスにはならずその役をダークカルスタが担ったことに関しても私は素直に納得してます。カルテットスターの存在価値があれのおかげで保たれたようにも感じてます。

 

 

ふう。こうやって振り返ってみるとやっぱり1期はつくづく8人のアイプリだけの世界だったと思います。一つの学校と一つのVRルームの中でだけで全て完結した物語でした。

 

それで、そんな感じで描かれた物語は、ビジネス的には成功したわけですよね。2期を実現することができたわけで。

 

そんな2期は、なにやら世界が一回り広くなったような感じもします。校内やバース内にモブ生徒やモブアイプリが増えたり、舞台は校内からは出なさそうですが巨大な図書室ができたり。

 

 

メインキャラも倍増して。男アイプリも誕生して。

 

そうなると不安も期待も増えてしまいます。期待が増えると反動で落胆することも怖いのですが、でもやっぱり2期は少しの期待を込めてポジティブに楽しみたいと思ってます。

 

頑張れアイプリ。

 

 

 

 

 

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