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高校生家族感想 日常系で主人公が生徒会長になる展開って前代未聞じゃない?

まず高校生家族を「日常系漫画」と分類していいのかってことに若干疑問が湧きますが、そこはまーいいことにします。

 

とにかくそういう漫画でよくいる平凡な個性の主人公が、このたび生徒会長になったわけです。こういう展開初めて見た気がします。

 

これってコロンブスの卵的なかなり画期的な展開じゃないのかって私は結構感心しました。今日のブログはそんな感じの話です。

 

まー私自身が日常系を積極的に読んでるわけでもないので前例は探せばきっとあるのでしょうけども。

 

でも私は読んでてこの手の漫画での平凡系主人公を非凡なポジションに(かつ彼の個性や能力はそのままに)してしまう展開がまったく予想外だったことと、そのポジションが「生徒会長」っていうのが非常に妙手だと、本当に「よくこんな展開思いついたなあー」「思い切ったことしたなあー」と感心したのでした。

 

 

 

さて。週刊少年ジャンプ仲間りょうが連載してる「高校生家族」。ジャンプの中では地味な存在でしょうけど、私はかなり楽しんで読んでます。

 

この漫画の特色はまず「中卒のおっさんが高校の学位を取得するために一念発起すること」の立派さ、でも世界観は割と滅茶苦茶の支離滅裂で、平凡な存在と非凡な存在が入り乱れて、でもそれが逆に、何でもあり状態になることを許せてしまい、そのまま高校の世界を普通に描くことを成立させてる不思議なバランス、が、言えると思います。

 

その意外性と普通性のバランス感覚が、私はかなり好きです。

 

普通な奴とちょっと変な奴とものすごく変な奴がそれぞれ生きてる世界です。

 

 

 

で、最も普通な奴が主人公の家谷光太郎です。

 

いや主人公は一郎か?いややっぱり光太郎かな。かろうじて。

 

 

こういう日常系で、主人公を平凡な人間だと設定した場合、私は、平凡主人公は最後まで平凡を貫き通さないと漫画が成立しないのではないか、と、なんとなく固定観念を持ってました。

 

 

だから本当に意表を突かれて感心したのだと思います。

 

そっかー、この漫画ではそこすらも崩しちゃっても別にいいんだー、と。

 

 

他の(日常系ではない)作品で例えるなら、長い間ずっと悪魔の実を食べずにやってきたキャラが急に食べたとか、スタンド使いでなかったキャラがある場面で急になったようなものじゃないかと思います。

 

今ゾロが急に悪魔の実を食べたら「ええ~↓」ってなるでしょ、きっと。

 

でもこの漫画でなら別にOKなんです。

 

 

かと言って、この展開は決してちゃぶ台返しのふざけ半分なんかでもなく、しっかり地に足の着いた物語になってたのも大したものでした。

 

 

最初のきっかけは妹の春香が生徒会長に立候補したこと。うん、非凡キャラならそういう突拍子も無いこと始めるのは漫画としてすごく自然です。

 

彼女は子どもらしいノリと無邪気さと高い知能と人望と勢いでもってそれを宣言し、また目出鯛高校には他にこれと言った対抗馬候補がいないため、それも決して不可能ではなさそうでした。

 

光太郎はそれを見てすごくモヤモヤし、かと言って妹に立ち向かうほどの熱意もなく、しかしそんな彼に「君には生徒会長の器がある」と言ってきたのが、西くんとなんと前生徒会長

 

「凡人の自分が天才の妹に勝負を挑んで負けたら恥ずかしい」という気後れを乗り越えて、彼は立候補を決意します。

 

無気力系主人公なら絶対しないことです。

 

なるほどね、これは光太郎がテニス部とかで頑張る男として少しずつ成長してきた証ですね。私は読んでて結構素直に「よく決意した!頑張れ!」って思いました。

 

 

で、彼は見事当選しました。

 

 

応援演説は互角。勝因は、ぶっちゃけ春香の自爆、というか、彼女の公約があまりに幼過ぎたことだと思います。それほど大した勝利ではないです。

 

漫画ではこういう公約を唱えるキャラは珍しくないですが、そういうキャラが当選することはほぼ無いですから。

 

結局は平凡でも落ち着いてて地に足が着いてる候補者が選ばれるのは世の真理なのかも。

 

この漫画でもそうなりました。素っ頓狂な天才少女よりは、それの間近にいていろいろあってもなんとかなってきた凡人の「いろいろあるけどなんとかなる」って言葉のほうがより多くの人の心を掴んだと。あるいはなんとなくノリで選ばれたと。

 

 

光太郎の勝利はわりと納得のいく結果だったと思うけどどうでしょう?

 

私は今編の物語の運びはさりげなくもマジでお見事だったと思います。

 

 

あと面白いと思ったのが、光太郎を巡って、弓木さんと、三角関係にもならない三角関係になってた屋敷さんが、ここへ来て彼をかなり近くから支える立場を得て大躍進したことです。

 

 

うわー、こんな躍進の道があったとは。

 

私は以前の高校生家族の感想ブログで「屋敷さんは完全な負けヒロイン」とか評してしまったのですが、手のひらを返します。恐れ入りました。

 

一方の弓木さんは、春香とも仲良しなために今回大っぴらに光太郎を応援することはできず、ちょっと後退?

 

ここで彼女は光太郎と二人きりになったときにだけ「本当は応援したい」とか彼に伝えることができてたら良かったのに、そうしなかったのか、できなかったのか、悔やまれますね、弓木さん。

 

一方屋敷さんは副会長?

 

こりゃ今後が分からなくなりました!

 

 

いや、マジで、この漫画はこれから幸太郎が生徒会長になってどう変わっていくのかは、我々読者にはまだ全然分かりません。

 

というか、やっぱり、平凡な高校で平凡な男子高校生が生徒会長になる、みたいなのの前例というかパターンが全く確立されてないから、これからどうやればどうなるのか全然読めなくて、作者仲間りょうの本当に腕の見せ所です。

 

この漫画ならではの意外な感動を生む展開になるのかもしれませんし、あるいは全然すべってしょうもなくなる可能性だってあります。

 

そこもまた、この漫画に注目したくなる新たな要素が生まれたってことです。

 

今後も楽しみです。

 

 

 

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