第5話「Z=5 杠」
司に復活液の詳細を隠したかった千空はそう考えた瞬間に大樹にぶち壊しにされます。
渾身の落胆。
しかし司の前で大樹を責めるわけにもいかず、切り替えて杠復活の儀を粛々と始めます。
かなりきわどいデザインの服も着せて。
準備が整った瞬間に千空は、司に洞穴の位置を知られる代償を払って司を杠復活の場から引き離します。
硝酸は現状洞穴でしか採取できませんからその場所を司に押さえられることはかなりのリスクになってしまいますが硝酸だけでも復活液にはならないわけで、復活液精製レシピを知っている千空のほうにまだアドバンテージがありますね。
司は硝酸の存在もその特徴も知ってたようで知力もかなりのもののようです。
なぜ司を引き離すのか状況をまるで知らない大樹。
大樹にとっては司は掛け値なしのいいやつなわけですが、千空の切迫した様子を見ただけで説明不要で全幅の信頼を寄せます。
この大樹はちょっといい感じでした。
そういえばこの「お前がそう言うんならそうなんだろう」ってセリフは少女ファイト初期の「お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではな」ってやつを思い出しますが、あれは自分の世界に閉じこもっている主人公を諌めるセリフで、この漫画では自分の世界に閉じこもってるのは司のほう。
大至急で杠の石像に復活液をバシャッとします。
千空によれば石化はコールドスリープの一種で、人の石像は表面の石の皮膜だけを破れば体の内部の石化も瞬時に肉体に戻るのだといいます。
この仮説の真偽はともかく石化が解けるのは事実。
杠の石化が解除されていきながら、大樹は第1話の回想を挟みます。
新連載第5話だからたった4話前の回想なのですが、この間約3700年と原始生活1年かかってるわけで万感の思いってやつです。
無事に再会できました。
杠も先に復活した司のときと同じく解除されてすぐに頭も体もちゃんと動くし、石化の間意識があったかどうかも不明。
この再会は大樹にとっては長かった大目標ですが、私たち読者にとってはこの漫画のスタートラインです。
第5話で達成したというのはかなりのスピードさくさく展開だと思います。
ひっぱろうと思えばいくらでもひっぱれることです。
素直にこれでよかったなーと感じます。
この漫画は本当にこれから次第です。
それをヒロインありでいくかヒロイン復活じらされ状態でいくかなら、やっぱ前者でしょう。
ドクストは登場人物まじ少ない。
第1話に出たのは大樹、千空、杠、(石像の)司の4人だけ。
あとは千空の科学部仲間のモブ、世界中の名も無きモブ、それと合衆国大統領。
登場人物もさくさく増やしていくでしょうか。
石化から復活した人間には顔面に黒い亀裂ができていましたが、幸い杠は顔面でなく首筋と肩にできました。
ついでに謎のヘッドホンみたいなカチューシャも健在。
かくしてめでたく大樹は3700年前の告白の続きができる……などということはなく、杠にとってはまるで状況が理解できないまま大至急で司対策をしなくてはなりません。
切羽詰まりまくりで、次回へ続く!